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機械設計歴20年以上のtsurfと言います。
今回は以下に関する記事です。
エア機器としての電磁弁の種類
2ポート弁、3ポート弁、5ポート弁
と弁駆動形式
⇩本記事は機械設計初心者の方で以下の方にオススメです⇩

初心者機械設計者
電磁弁っていろいろ種類あるんだな
⇩本記事を読むと以下が わかります⇩
今回は
2ポート弁と3ポート弁と5ポート弁及び
駆動方式について解説します
①結論
2ポート弁 / 3ポート弁 / 5ポート弁
詳細は後述します
弁種類 | 弁切り替え状態1 | 弁切り替え状態2 | 主な使用用途例 | |
---|---|---|---|---|
2ポート 弁 |
➡ | エアを流す | エアを止める | エアブロー |
3ポート 弁 |
➡ | 機器にエアを 供給 |
機器のエアを 排気 |
●単動エアシリンダー ●単動エアバルブ |
5ポート 弁 |
➡ | 機器の 操作ポートA にエアを供給 |
機器の 操作ポートB のエアを供給 |
●複動エアシリンダー ●複動エアバルブ |
機器の 操作ポートB にエアを排気 |
機器の 操作ポートA のエアを排気 |
ポペット式 / スプール式
詳細は後述します
駆動方式1 | 特徴 | 使用用途 | |
---|---|---|---|
ポペット式 | ➡ | プランジャーの上下で 弁の開閉を行う |
構造が単純なため 2方向弁に多い |
スプール式 | ➡ | スプールのスライドにより 吸排気の組み合わせを操作 |
3ポート弁 5ポート弁 |
直動式 / パイロット式
詳細は後述します
駆動方式2 | 特徴 | 使用用途 | |
---|---|---|---|
直動式 | ➡ | プランジャーを 直接 通電による電磁石や スプリングで操作 |
構造が単純なため 2方向弁に多い |
パイロット式 | ➡ | 使用エアを利用して スプールを操作 |
3ポート弁 5ポート弁 |
電磁弁の基礎
今回の記事は
以下の電磁弁の概要の理解を前提での解説となります
⇩電磁弁の基礎についての解説です⇩
②2ポート弁 / 3ポート弁 / 5ポート弁
ここは 使用用途によって 設計者が気にしなくてはいけません
各ポートの電磁弁の動作を概略図で解説します
2ポート弁
弁種類 | 弁切り替え状態1 | 弁切り替え状態2 | 主な使用用途例 | |
---|---|---|---|---|
2ポート 弁 |
➡ | エアを流す | エアを止める | エアブロー |
上記のように 流体を止めるか 流すかの2択です
2ポート弁の動作に関しては
⇩以下の記事を御参照願います⇩
このように弁切り替え状態1と 弁切り替え状態2が
どちらを通電時 非通電時にするかで違ってくるので
N.CとN.Oが存在します
3ポート弁
弁種類 | 弁切り替え状態1 | 弁切り替え状態2 | 主な使用用途例 | |
---|---|---|---|---|
3ポート 弁 |
➡ | 機器にエアを 供給 |
機器のエアを 排気 |
●単動エアシリンダー ●単動エアバルブ |
上記の2つの状態を切り替えます
3ポート弁は 機器の操作ポートに対して
どちらもポートに接続されており
接続先をエア機器であるか 排気ダクトであるかの選択をしています
3ポート弁の具体的な駆動例は
⇩以下の記事を御参照ください⇩
このように弁切り替え状態1と 弁切り替え状態2が
どちらを通電時 非通電時にするかで違ってくるので
N.CとN.Oが存在します
5ポート弁
弁種類 | 弁切り替え状態1 | 弁切り替え状態2 | 主な使用用途例 | |
---|---|---|---|---|
5ポート 弁 |
➡ | 機器の 操作ポートA にエアを供給 |
機器の 操作ポートB のエアを供給 |
●複動エアシリンダー ●複動エアバルブ |
機器の 操作ポートB にエアを排気 |
機器の 操作ポートA のエアを排気 |
5ポート弁の具体的な駆動例は
⇩以下の記事を御参照ください⇩
このように弁切り替え状態1と 弁切り替え状態2ともに
配管や 制御を変えれば どちらにもなるので
N.Cや N.Oは存在しません
③ポペット式 / スプール式
解説注意点
この項目は
よほどの理由が無い限り設計者が気にする必要がありません
ポペット式
2方向弁に多く見られる構造です
エアを流すか止めるかの選択ですので
プランジャーの動作により 弁の開閉を操作します
スプール式
3ポート弁と5ポート弁の電磁弁に多く見られます
3ポート弁と5ポート弁は
エアを流したり 止めたりという単純な動作でありません
弁の状態を切り替えないといけません
スプールのスライドにより 弁の状態の切り替えを行います
④直動式 / 内部パイロット式 / 外部パイロット式
直動式
2ポート弁で多く見かける構造です
プランジャーを直接 電磁石とスプリングで操作をする構造です
メリット |
●流体(エアブローなど)の圧力が低かったり負圧でも使用可能 ●構造が単純なため安価 |
---|---|
デメリット |
●電磁石で直接プランジャー操作のため電磁弁自体が大きくなる ●長時間通電使用でコイルの焼き切れやスプリングの変形などが 稀に起こる |
内部パイロット型
3ポート弁と5ポート弁において
弁の切り替え=スプールの動作ですが そのスプールの動作を内部のエアを使います
スプールを操作する操作エアの制御を 図の左側の電磁弁で制御しています
このように
内部の流体エアを流用していますので このタイプを内部パイロットといいます
メリット |
●エアによりスプール操作なので 直動式に比べて省電力 ●従って長時間通電しても 問題ない場合がある ●エアによりスプール操作なので 小型にできる |
---|---|
デメリット |
●低圧や真空ではスプールが動かない (この場合 外部パイロット型を使用します) |
外部パイロット型
パイロット式の電磁弁で低圧や真空を扱いたい場合に外部パイロットを使用します
スプールの操作エアを内部の流体エアではなく外部から引っ張っています
そとため
内部の流体エアが低圧や真空でもパイロット操作が成り立ちます
この場合外部パイロットのポートに配管をつなぐ必要があります。
⑤まとめ
- 2ポート弁は エアを流すか止めるかの2択です
- 3ポート弁は エアを供給か排気の2択です
- 5ポート弁は 操作ポートAと操作ポートBへの
吸排気の組み合わせを変更します - パイロット式は エアを使いスプールをスライドさせます
- パイロット式は スプールの操作エアの制御だけ直動式で行います
- そのため パイロット式は省電力です
- しかし内部パイロットは 内部の操作エア圧が高くないと
スプールを動かせません - そのため 低圧や真空は 外部パイロットを使用します
本記事は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございます。