tsurfの機械設計研究室

サーボモーターやエアシリンダの選定計算なども扱っている技術ブログです

スポンサーリンク


MENU

エアシリンダー 5ポート弁での動作とスピードコントローラー

本ブログの御訪問ありがとうございます。
機械設計歴20年以上のtsurfと言います。

今回は以下に関する記事です。

エアシリンダー 
5ポート弁での動作と
スピードコントローラー

 

⇩本記事は機械設計初心者の方で以下の方にオススメです⇩

f:id:tsurf:20210605171303p:plain
とある
初心者機械設計者

実際にエアシリンダーと
電磁弁の動作の関係を教えてよ

 

⇩本記事を読むと以下が わかります⇩

f:id:tsurf:20210611183707p:plain

管理人TSURF

複動のエアシリンダーを
例に電磁弁との動きを
解説します。


補足として
スピードコントローラー
も解説します

 

 

①概要

5ポート弁の以下の動作を利用しエアシリンダーを動作させます。

f:id:tsurf:20211204104529p:plain

  弁切り替え状態1 弁切り替え状態2
5ポート弁 機器のポートAにエアを供給
機器のポートBのエアを排気
機器のポートBにエアを供給
機器のポートAのエアを排気

 

5ポート弁の基礎については
以下の記事を御参照願います。

 

 

②押し出し方向動作

5ポート弁電磁弁のスプールが以下の位置にあるとき

f:id:tsurf:20200812203016p:plain

エアの供給圧は、真ん中の加圧INポートから、
加圧/排気ポートBを通り過ぎて
エアシリンダのヘッド側の加圧/排気室を加圧します

 

逆にロッド側の加圧/排気室にあるエア圧は、
加圧/排気ポートAから、排気OUTポートAを
通り過ぎて排気されます。

 

このようにヘッド側の加圧/排気室が加圧 
ロッド側の加圧/排気室が排気されることにより 
ロッドが動作します。

 

 

③引き込み方向動作

電磁弁が切り替わり、
5ポート弁電磁弁のスプールが以下の位置にあるとき

f:id:tsurf:20200812203442p:plain

エアの供給圧は、真ん中の加圧INポートから、
加圧/排気ポートAを通り過ぎて
エアシリンダのロッド側の加圧/排気室を加圧します。

 

逆にヘッド側の加圧/排気室にあるエア圧は、
加圧/排気ポートBから
排気OUTポートBを通り過ぎて排気されます。

 

このようにロッド側の加圧/排気室が加圧
ヘッド側の加圧/排気室が排気されることにより 
ロッドが動作します。

 

 

④スピードコントローラーの概要

スピードコントローラーとは

エアシリンダーの速度制御に使います。

上記のエアシリンダを動作させる上で重要になるのが、
スピードコントローラーです。

スピコンと呼ばれています。

 

電磁弁から、エアシリンダをエア配管のみで
直結してしまうと動作が早すぎるので、
これで速度を落とします。

 

―スピードコントローラーとはー
ある方向からのエアの量を絞りますが 
その逆方向からのエアは
制限なく流します

 

スピードコントローラーエア配管記号で示すと、
以下になります。

  • 線はエアの流路を示します
  • 絞り弁とは、実際につまみがありエアの量を
    制限して調整できます
  • チャッキ弁とは1方向のみ流体を
    流せるようにする弁で、補足解説します。

 

補足:チャッキ弁について

チャッキ弁を説明する以下のモデルで解説します

 

しかし 
実際のスピードコントローラーのチャッキ弁は、
スプリング構造ではありません。

まず図4のように

  • IN側の流体とOUT側の流体圧が同じ時

もしくは 

  • OUT側の流体圧が高い時は

スプリングにより球体部品が
配管に押し付けられて、IN側からOUT側へ
流体は通りません


しかし 以下のように

  • IN側の流体が高い時のみ

スプリングがOUT側へ追いやられ
IN側→OUT側と流体が通ります。



つまりチャッキ弁とは、
流体の流れを1方向のみに
制御する弁です。

 

 

⑤スピードコントローラーによるエアシリンダーの速度制御法

スピードコントローラーによる
エアシリンダーの速度制御法について

  • メーターIN(吸気による速度制御)
  • メーターOUT(排気による速度制御)

があります。

詳しくは、以下の記事を御参照ください。

それにより、スピードコントローラーにも
メーターIN用とメーターOUT用のものが
あります。

 

 

⑥メーターアウトの時のエアの流れ

メーターアウトの場合
エアシリンダの動作の時のエアの流れは
以下となります。

ロッド側

チャッキ弁側は
エアを流せない
方向なので
絞り弁のみ通ります 。

絞り弁により
排気エア流量が
制限されます。

ヘッド側

二手に分かれたエアが
絞り弁部にも通りますが
チャッキ弁にも通ります。

チャッキ弁はエアを通す
方向です。

 

 

⑦メーターインの時のエアの流れ

メーターインの場合
エアシリンダの動作の時のエアの流れは
以下となります。

ロッド側

二手に分かれたエアが
絞り弁部にも通りますが
チャッキ弁にも通ります。

チャッキ弁はエアを通す
方向です。

ヘッド側

チャッキ弁側は流せない
方向なので
絞り弁のみ通ります 。
絞り弁によりエア流量が
制限されます。

 

 

⑧まとめ

  • 5ポート弁は、各ポートへの吸排気の状態を切り替えます。
  • 上記動作により、エアシリンダーを動作させます。
  • スピードコントローラーは、エアシリンダの速度を手動制御するものです
  • スピコンは、チャッキ弁と絞り弁を組み合わせたものとなります

 

本記事は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございます。

 

本ブログの文章や画像の無断転用を禁止します