tsurfの機械設計研究室

サーボモーターやエアシリンダの選定計算なども扱っている技術ブログです

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【エア機器】マニホールド電磁弁の概要と構成

本ブログの御訪問ありがとうございます。
機械設計歴20年以上のT.surfと言います。

 

今回は以下に関する記事です。

【エア機器】
電磁弁マニホールドの概要
と構成

 

⇩本記事は以下の方にオススメです⇩

機械設計初心者

うっ・・・
マニホールド電磁弁?

 

⇩本記事を読むと以下が わかります⇩

管理人T.surf

機械設計初心者の方が
初期にぶちあたる壁です。
マニホールド電磁弁について
以下を詳細に解説します。

  • マニホールドとは
  • なぜ電磁弁をマニホールドにするのか?
  • マニホールドの構成部品

 

 

①電磁弁のマニホールドについて

電磁弁のマニホールドとは

まずマニホールドとは、多機能のブロックを
1つにまとめることです。
例えばエアシリンダーを4ケ必要とする装置があるとします。

すると、使用電磁弁は4ケですよね?
エアシリンダーの駆動はたいてい 
5ポート弁ダブルソレノイドの電磁弁を使います。

 

つまり今回の場合、以下のように
各電磁弁を密着可能でかつ内部で
エア分岐するブロックにして
以下のように5ポート弁ダブルソレノイドを4ヶを
1つにまとめた状態のものとなります。


特徴としては以下となります。

  • 吸排気は1ヶ所で済む
  • なぜなら供給と排気の回路がバルブブロック内で分岐しているから
  • 上記の理由によりブロック同士密着ができる
  • 当然各ブロックに制御用の配線があり
    それぞれを制御できるようになっています。

3ポート弁 5ポート弁 
シングルソレノイド ダブルソレノイド
など電磁弁の種類については
⇩以下の記事を御参照ください⇩

 

なぜマニホールドにするのか?

簡単に理由を解説すると 以下の理由です。

  • 省スペース化
  • 省配管化
  • カスタマイズの容易化

まず マニホールドにしない場合を考えてみましょう。

1つ1つの電磁弁に吸排気のポートがあり。
1本のエア配管から継手によって分岐をして
さらに継手で配管しなくてはいけません。

 

例えば 今回はたまたま5ヶの例を出しましたが
1つの装置で15ヶのエアシリンダーを使う場合を
考えてみましょう。

 

相当な手間である上にかなりのスペースを必要と
してしまいます。

 

であれば 供給と排気エア回路がブロックの中で
分岐されることにより密着ができるマニホールドを
使わない理由がないです。

 

また この時マニホールドをDINレールタイプのものに
しておけば、増設なども容易となります。

 

 

②マニホールドの構成するブロックと組み合わせ例

マニホールドブロックの種類

あくまでメーカーよって名称や機能が違いますが
メインは以下となります。(詳細は後述)

吸排気ブロック このブロックが各ブロックへの
エア供給と排気の入り口となります
バルブブロック 電磁弁をブロック化したものです
エンドプレート 端部の封止用です
供給ブロック 特定のバルブブロックで異なる圧力を
使用などで供給を分けたい場合に使用します
排気ブロック 排圧など排気トラブルが問題
となる場合に排気を分けたい時に使用します

 

ブロックバルブ組み合わせ例1

わかりやすい例で言うと、通常は以下となります。

  • 吸排気ブロックで 各電磁弁へのエア供給と排気を1本化
  • 供給エアは 各バルブブロックの内部で分岐
  • 最後はエンドプレートでバルブブロックの解放穴を封止
    バルブブロックを単体で見ると
    供給エア分岐回路 排気エア集合回路が貫通で解放となっています。
    なので 最後はエンドフレートで封止します。

 

ブロックバルブ組み合わせ例2

しかしここで以下の必要性が出てきました。

  • エアシリンダA、Bは0.5MPaで
    エアシリンダを動かしたい

  • エアシリンダC、Dは0.3MPaで
    エアシリンダを動かしたい

 

この場合に単独供給ブロックを使用します。

 

このブロックは メインの吸排気ブロックからの
供給エアを仕切る弁がついています。
(図中××のヶ所)
しかし排気は他のブロックと回路を共通としています。


従って 
この単独供給ブロックの後のバルブブロックには
メインとは関係のない別圧力設定のエアを
供給することができます。

 

ブロックバルブ組み合わせ例3

バルブブロックには3ポート弁のものもあり
型式によっては、
同じマニホールドに組み込めるものもあります。

 

エアバルブの駆動回路を組み込んだ
マニホールド電磁弁の例としては以下になります。

 

この場合 仕様としては以下とします。

 
駆動エア圧
使用電磁弁
使用数
エアバルブ 0.3MPa 3ポート弁
シングルソレノイド
2ヶ
エア
シリンダー
0.5MPa 5ポート弁
ダブルソレノイド
2ヶ

 

 

 

③電磁弁の発注の仕方

今まで解説でお分かりかと思いますが
マニホールド電磁弁は型式では仕様を表現できません。

 

従って 発注の際はどのようなブロック構成かの
仕様書を作成します。

 

だいたい空圧メーカーのHPより
仕様書をダウンロードできます。

 

仕様書のイメージですが
例えば、以下のようなブロック構成の場合

 

以下のようなイメージです。

 

 

④エア配管全体の設計

マニホールド電磁弁を踏まえた上で
エア配管の全体設計例は
⇩以下の記事を御参照ください⇩

 

 

⑤まとめ

  • エアバルブやエアシリンダーを動作さえる電磁弁は
    基本的にマニホールド形式で発注します。
  • なぜなら 以下の理由からです。
    〇省スペース
    〇省配管
    〇カスタマイズ性
  • つまり、仕様によってある程度カスタマイズができます。
  • そのカスタマイズ性の容易さから ブロックの組み合わせを
    型式で表現することができないので、仕様書添付で発注します。

 

本記事は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございます。

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