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機械設計歴20年以上のtsurfと言います。
今回は以下に関する記事です
【エア機器】
エア機器であるレギュレーターの種類
電空レギュレーター
本記事は機械設計者の方にオススメです
電空レギュレーター?
(なんだろう?)
⇩本記事を読むと以下が わかります⇩
電空レギュレーターの特徴
及び、その使い方を
解説します。
①基本知識レギュレーター
基礎知識として通常のレギュレーター
について、以下を御参照ください
②結論
電空レギュレーターを御存知でしょうか?
制御的にエア圧を高精度に制御できる機器です。
電空レギュレーターには、以下の特徴があります。
- 電気的にエア圧を制御可能
入力した電気信号に比例したエア圧を制御
手動のレギュレーターと違い、装置運転中でも
制御により、エア圧を変更可能 - 圧力を高精度で維持できる
電空レギュレーターの内部で
エア圧のフィードバック制御を行っているので
高精度 - ブリードエアがない
精密レギュレーターと比較した場合
圧力調整時の排気はあっても常時捨てるエアがない - 低圧制御もできる
通常のレギュレーターでは精度が落ちる
低圧も高精度で実現できる。
③構造
簡単に説明すると
内部に供給用の電磁弁と排気用の電磁弁及び
圧力センサーが内蔵されています。
以下を比較し フィードバック制御を行います。
- 入力信号
- 内部に搭載された圧力センサーの信号
圧力の調整は、
内蔵の電磁弁でのエア圧供給やエア圧排気で行います。
④精密レギュレーターと比較したメリット/デメリット
同じ高精度を維持できるレギュレーターである
精密レギュレーター
と比較したメリット/デメリットです。
=メリット=
- ブリードエアがない
- 一つのプロセスの中で
制御的にエア圧の変更が可能 - かなりの低圧から制御可能
=デメリット=
- 値段が高い
- 電気が必要
- 制御設計が必要
⑤使用用途
エアベアリング
アクチュエーターの推力制御
上記で解説した電空レギュレーターのメリットを
活かせるのは、
エアベアリングアクチュエーターの制御です。
エアベアリングアクチュエーターでの
エア圧制御に使用
することにより、以下が可能となります。
- 極低圧での動作も可能
- その状態での押し付け力も簡単に算出可能
理由は エアベアリングアクチュエーターには、
内部のパッキンの摺動抵抗がないためです。
以下の記事をご参照ください。
通常のエアシリンダーだと・・
通常のエアシリンダーでは、あまり意味がありません。
理由としては、
内部のパッキンの摺動抵抗により
- 最低動作圧以下だと作動しない
従って弱い押し付け力ができない - 電空レギュレーターで制御しても押し付け力が
計算により算出できない。
上記の状態となり、
電空レギュレーターのメリットが活かせません。
もっとも、通常のエアシリンダーでも、例えば
- ワークAの搬送時は0.5MPaでのエア圧動作
- ワークBの搬送時は0.3MPaでのエア圧動作
といったような
大雑把なエア圧変更の制御に利用するのであれば
使用可能です。
⑥最低動作圧力比較
とある通常のエアシリンダーと
とあるエアベアリングACの最低動作圧の比較をします。
通常の エアシリンダー |
エアベアリング アクチュエーター |
---|---|
とある通常のレギュレーターと
とある電空レギュレーターの最低設定エア圧の比較をします。
通常のレギュレーター | 電空レギュレーター |
---|---|
電空レギュレーターとエアベアリングアクチュエーター
の組み合わせにより0.002MPaからの運用が可能ということです。
⑦押し付け力範囲比較
では、以下の2つで最低押し付け力の比較をします。
- 通常のレギュレーターで圧力制御したエアシリンダー
- 電空レギュレーターで圧力制御したエアベアリングAC
出力チューブ内径Φ6のもので比較します。
エア圧単位MPa=N/mm² です。
通常のレギュレーターでエア圧制御した
通常のエアシリンダーの最低制御出力
(出力チューブ内径Φ6mm ÷ 2)² × 3.14 × 0.05N/mm
=1.4N (=144g)
電空レギュレーターでエア圧制御した
エアベアリングACの最低制御出力
(出力チューブ内径Φ6mm ÷ 2)² × 3.14 × 0.002N/mm
=0.057N (=5.8g)
上記の結果となりました。
電空レギュレーターで
エアベアリングアクチュエーターを制御した場合、
かなり小さいな押し付け力から制御可能であることがわかります。
繰り返しになりますが、
エアベアリングアクチュエーターは内部の摺動抵抗がないため
計算値によるリニアな押し付け力の管理が可能です。
しかし
エアシリンダー+通常のレギュレーターの場合
パッキンによる内部摺動抵抗があります。
従って計算値より、小さい値になると思いますが、
パッキンの摺動抵抗が不明ため、実際には不明です。
⑥まとめ
- 電空レギュレーターは制御によってエア圧を変更できる機器
- フィードバック制御により高精度にエア圧を管理可能
- 同じ高精度、低圧管理の精密レギュレーターと比較した場合
- 電空レギュレーターは制御でプロセス中にエア圧が変更できる
- エアベアリングアクチュエーターと組み合わせると微小押し付け力が可能
本記事は以上です。
最後までお読み頂きありがとうございます。