tsurfの機械設計研究室

サーボモーターやエアシリンダの選定計算なども扱っている技術ブログです

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【エア機器】レギュレーターとは

本ブログの御訪問ありがとうございます。
機械設計歴20年以上のtsurfと言います。

今回は以下に関する記事です。
【エア機器】レギュレーターとは?

  

⇩本記事は以下の方にオススメです⇩

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とある
初心者機械設計者

エア配管を勉強がてら
まかされたけど
レギュレーターが
わからない。

 

⇩本記事を読むと以下が わかります⇩

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管理人T.surf

レギュレーターとは
減圧弁のことです。
使用用途や注意などを
解説します。

 

 

①レギュレーターの概要

レギュレーターとは、
エアの圧力を減圧調整するものです。

エアシステムを構築する上で、
ほぼ必須のものです

用途は、以下のためです。

  • 減圧によるエア機器の保護
  • 減圧により、装置側のエア圧の圧力降下を防ぐ

 

このうち、
減圧によるエア機器の保護
についてですが
工場エアのエア圧は0.7MPa程度だそうです。

たしかに、耐圧が0.7MPa以下の製品については、
減圧の必要があります。
(例 電空レギュレーターなど)

 

しかし、
0.7MPa程度であれば、十分に耐えうるエア機器が
多いのも事実です。

実際に調べてみるとわかりますが、
エアシリンダーなどの耐圧は1.0MPaとかです。

 

なので、メインは
減圧により、装置側のエア圧の圧力降下を防ぐ
と言う目的だと思います。

これについて、次章より解説します。

 

 

②減圧により、装置側のエア圧の圧力降下を防ぐ

概要

本章では、レギュレーターのメインの役割である
減圧により、装置側のエア圧の圧力降下を防ぐ

上記の目的について解説しますが、その前に

  • エア圧の圧力降下とは何か?
  • エア圧とはどういったものか?

を解説します。

 

まずエア圧の圧力降下とは

圧力降下とは、
装置全体のエア圧が低下してしまうことです。

圧力降下が起きると
エアシリンダーなどの出力の低下などが起きます。

そのため、
エアシステムに圧力センサーを設置して

圧力降下した場合、動作不良を起こす前に
非常停止をしてアラーム発砲をさせるのが一般的です。

なので
圧力降下=装置の非常停止
となります。

 

圧縮エアの基礎知識

圧力の違いは、エアの量の違いでもあります。

つまり工場エア(0.7MPa)のほうが
レギュレーターで減圧した装置側エア(0.5MPa)よりも
エアの量が多いことを意味します。

以下の記事を御参照ください。

 

減圧による
圧力降下の防止

お客様の工場エアが供給されるエア圧は
0.7MPa程度らしいです。

工場エア圧そのままの0.7MPaで
装置を運用すると・・・

例えばエアシリンダーは耐圧的にはOKでしょう。

しかし、エア圧はエアの量でもあるので
装置側のエアシリンダーの駆動などで
エア消費が多くなることになります。

結果として
装置側全体のエアの圧力降下が起きる可能性が
あります。

 

そこで、あえて装置側のエア圧を
工場エア(0.7MPa)よりも
装置側のエア圧を減圧(0.5MPa)させることにより、

工場エアより低いエア圧での
エアシリンダーの駆動により、

エアを消費しても、元圧からのエア圧(=エアの量)
に余裕があるため元圧からレギュレーターの調圧ができ、
容易に圧量降下を
しないようにできます。

つまり、装置側のエア圧を一定
にできます。

 

 

③レギュレーター解説

以下の図のように

圧力計とつまみがついていて 
つまみで圧力を調整して圧力計で確認します。

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つまり、レギュレーター一つで 
エアの圧力管理エアの圧力調整
できます

 

 

④レギュレーターの設置の注意点

使用圧力で考える

レギュレーターの設置検討の際には、

使用するエア機器の使用圧力耐圧
(厳密に言うとエア流量も)を確認します。

 

その確認した内容をもとに
基本的には、同じ使用エア圧のものは、

以下のように
一つのレギュレーターで制御すればいいです。


しかし、ここで注意が必要ですが
レギュレーターから出る配管は一本です。

このことは、
一つのレギュレーターから供給される
エアの量には
限界がある
ということを意味します。

ですので、例えば以下のように
一つのレギュレータに多くのエアシリンダーを
組み込むんだ場合、

それぞれのエアシリンダーが違うタイミングで
動くのであれば
問題ありません。

 

しかし、これら多くのエアシリンダーが

  • 大出力径で長ストローク
  • 同じタイミングで動いてしまう

上記の条件に2つともあてはまってしまうと
そのレギュレーター以下のライン
(今回の例では8本のエアシリンダ)
で圧力降下が起きてしまう危険性があります。

 

多くのエアシリンダーを
動作させるには・・

前項の多くのエアシリンダーを動作させる場合
同じタイミングでの動作になるのであれば
以下のように分ける必要があります。

マニホールド電磁弁であれば
吸排気ブロックも追加しましょう。

 

 

⑤実際のレギュレーター設置検討は?

実際の設置検討方法ですが

―正規の方法はー
レギュレーターのエア流量から
エアシリンダーの動作タイミングや
エア消費量を計算して、やるんでしょうね。


―しかし、実際にはー

実際の設計では、以下の不確定要素があります。

  • エアシリンダーの本数や出力径が
    設計の検討段階における設計変更仕様変更
    などにより、変更する場合があります。
    (エア消費量の変更)
  • デバックや動作調整の段階で
    エアシリンダーの動作タイミングが変更する場合が
    あります。

上記の不確定要素がある中で、
そこまで精密に設計する時間もなければ
意味もありません。

 

従ってカンです。

とある
機械設計者

大出力径で
長いストロークの
エアシリンダーが多いな

と感じたからレギュレーターを追加すればいいです。
経験を積んで設計者としてのカンを
研ぎ澄ましていくのみです。

 

 

⑥レギュレーターの種類

レギュレーターにも以下のような
種類があります。

  • 精密レギュレーター
    精密にエア圧を設定できる。

  • 電空レギュレーター
    精密かつ制御でエア圧を変更できる。

 

 

⑦まとめ

  • レギュレーターはエア機器に必須
  • レギュレーターで減圧させることにより
    圧力降下を防ぎ、エア圧を一定にできる。
  • 工場エアそのままで使うと
    圧力降下が起こる可能性がある。

本記事は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございます。

 

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