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機械設計歴20年以上のtsurfと言います
今回は以下に関する記事です
真空と真空機器(真空ポンプ 真空発生器)
⇩本記事は機械設計初心者の方で以下の方にオススメです⇩
真空や
真空を発生させる機器についての
概要が知りたい
⇩本記事を読むと以下が わかります⇩
真空とは何か?
真空を発生させる機器などの
概要がわかります
①結論 機械における真空
絶対圧とゲージ圧
大気圧は 絶対真空に対して 約0.1MPaあるそうです
この場合のように 絶対真空を0MPaとした 圧力を絶対圧と言います
しかし エア機器などの場合に多いのは
大気圧約0.1MPaを0として 相対的な圧力を測定することが多いです
その場合 絶対真空は -0.1MPaとなります
これを 0.1MPaを0とした ゲージ圧と言います
機械における 真空とは
真空とは 圧力が低いことを 真空と言います
単純に 大気圧より 低い圧力ではありません
例えば 以下のような機構で 真空チャックしようとした場合に
真空パッドで-0.2KPaの真空を発生させたとします
しかし
回りの圧力が発生させた真空より低い -0.5KPaの場合
真空吸着はできません
真空がワーク引っ張るのではありません
真空があることにより 回りの大気圧がワークを押すのです
例えば 図1のように真空の部屋を例にあげてみましょう
以下の例であれば 真空チャックラインはワークを真空吸着はできません
真空チャックライン | ゲージ圧 | -0.1KPa |
真空室内 | ゲージ圧 | -0.2KPa |
この例で真空室内でワークを固定させたければ
例として真空チャック圧をゲージ圧-0.5KPaにします
要は
真空チャックラインのゲージ圧<真空室内のゲージ圧とする必要があります
そうすれば 圧力差がワークを押し付ける方向に働くのです
②真空の使用用途
局所排気
装置のある工程において 煙などが発生する場合に使用します
真空チャック
真空でワークを掴みたい場合
真空チャックは 他のチャックと違い比較的安価で済みます
⇩以下の記事を御参照お願いします⇩
③真空機器の概要
今回は真空機器の概要のみを説明します
特に真空ポンプは様々な種類があり ここで説明し切れません
機会があれば 真空ポンプの種類を別記事にしようと思います
真空発生器
構造もシンプルで ベルヌーイの定理を応用したもので
エア供給ポートにエアを流すと 真空発生ポートに真空が発生します
以下の理由から 短時間の真空に使用するといいです
例: 搬送用の真空チャック等
(基本的に搬送は ある地点からある地点に置くだけなので時間は短い)
メリット (真空ポンプ と比較) |
●超小型 |
---|---|
●超安価 | |
●長寿命 エアを吹きこむだけなので |
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●振動がない | |
●発熱しない |
デメリット (真空ポンプ と比較) |
●低~中真空 それほど高くない真空発生用途となる |
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●エアの消費が激しい 体感的にエアの消費流量3 とすると 発生真空流量は1 しかし 短時間の真空使用 例えば搬送用の真空チャック |
|
●騒音の可能性 そのまま大気開放すると結構な排気音がします |
真空ポンプ
様々な種類があり詳細や原理は割愛させていただきますが
モーターを使用して 真空を発生させます
真空発生器のようにエアを大量消費するわけではありません
従って コストとデメリットはつきますが
長時間 真空にする必要のある個所をメインに使用します
例: 真空チャンバー等
メリット (真空発生器 と比較) |
●比較的高真空が発生できる |
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●エアを消費しない ランニングコストは安いと言える |
デメリット (真空発生器 と比較) |
●低寿命(消耗品) |
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●高振動 |
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●高騒音 |
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●発熱 |
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●真空ポンプの価格が高い |
④真空機器の注意点
エジェクター 真空ポンプ共に注意点ですが
真空機器は 真空INがあれば当然排気OUTがあります
この機器の排気OUTに注意してください
爆音覚悟で大気開放にするのであればいいのですが
場合によっては 配管で排気ダクトに接続する場合もあるでしょう
その時の配管は十分太いものにしましょう
排気OUTをいじめると 真空能力が圧倒的に下がります
⑤真空ラインを織り込んだエア配管の例
エア配管の例
真空チャンバーと搬送用の真空チャックを追加した装置の例です
設計ポイント1 真空チャンバー用の真空発生
真空環境内での処理が必要なので 真空チャンバー設置
長時間の真空発生なので真空ポンプを使います
設計ポイント2 真空チャックは真空発生器
チャックは
短時間のチャック時間なので 真空発生器にしてもエア消費量が少ないです
従って 安価なシステムで済むように真空発生器にしています
設計ポイント3 真空チャック圧の調整
今回の装置の一工夫は エアの消費量を少しでも省エネにするために
真空圧の調整を エア供給のレギュレータCで行うことにした点です
これを以下のように組んでしまうと
真空レギュレーターで確かに真空圧を調整できますが
大元のレギュレーターCから0.5MPaから繰り出される大量の消費エアは
何もかわりません
レギュレーターCで行えば 真空圧が それほど必要ないのであれば
レギュレーターCの供給圧を調整すれば そこから繰り出されるエアの
量もそれなりになります
設計ポイント4 真空チャンバーの真空発生タイミング
真空チャンバーの真空発生タイミングは
チャンバー内に ワークを置き ゲートが閉まった後です
⑥まとめ
●真空は単純に 大気圧より低い圧力ではない
●周囲より 圧力が低い圧力で相対的なものとなります
●真空を発生させる機器は おおまかに以下があります
●真空発生器 真空ポンプ
●真空発生器は機械的に安価ですみますが 大量のエアが必要
●真空ポンプは 大量のエアが必要ではないが デメリットがある
●要は使い分けが重要となります
本記事は以上です
最後までお読みいただきありがとうございます