tsurfの機械設計研究室

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真空と真空機器(真空ポンプ 真空発生器)

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今回は以下に関する記事です

真空と真空機器(真空ポンプ 真空発生器)

 

  

⇩本記事は機械設計初心者の方で以下の方にオススメです⇩

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とある
初心者機械設計者

真空や
真空を発生させる機器についての
概要が知りたい

 

 

⇩本記事を読むと以下が わかります⇩

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管理人TSURF

真空とは何か?
真空を発生させる機器などの
概要がわかります

 

 

 

①結論 機械における真空

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絶対圧とゲージ圧

大気圧は 絶対真空に対して 約0.1MPaあるそうです

この場合のように 絶対真空を0MPaとした 圧力を絶対圧と言います

 

しかし エア機器などの場合に多いのは

大気圧約0.1MPaを0として 相対的な圧力を測定することが多いです

 

その場合 絶対真空は -0.1MPaとなります

これを 0.1MPaを0とした ゲージ圧と言います

 

機械における 真空とは

真空とは 圧力が低いことを 真空と言います

単純に 大気圧より 低い圧力ではありません

 

例えば 以下のような機構で 真空チャックしようとした場合に

真空パッドで-0.2KPaの真空を発生させたとします

 

しかし 

回りの圧力が発生させた真空より低い -0.5KPaの場合

真空吸着はできません

 

真空がワーク引っ張るのではありません

真空があることにより 回りの大気圧がワークを押すのです

 

例えば 図1のように真空の部屋を例にあげてみましょう

以下の例であれば 真空チャックラインはワークを真空吸着はできません

真空チャックライン ゲージ圧 -0.1KPa
真空室内 ゲージ圧 -0.2KPa

 

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この例で真空室内でワークを固定させたければ

例として真空チャック圧をゲージ圧-0.5KPaにします

 

要は

真空チャックラインのゲージ圧<真空室内のゲージ圧とする必要があります

そうすれば 圧力差がワークを押し付ける方向に働くのです

 

 

 

     

 

②真空の使用用途 

局所排気

装置のある工程において 煙などが発生する場合に使用します

 

真空チャック

真空でワークを掴みたい場合

真空チャックは 他のチャックと違い比較的安価で済みます

⇩以下の記事を御参照お願いします⇩

 

③真空機器の概要

今回は真空機器の概要のみを説明します

特に真空ポンプは様々な種類があり ここで説明し切れません

機会があれば 真空ポンプの種類を別記事にしようと思います

 

真空発生器

構造もシンプルで ベルヌーイの定理を応用したもので

エア供給ポートにエアを流すと 真空発生ポートに真空が発生します   f:id:tsurf:20200816085842p:plain

以下の理由から 短時間の真空に使用するといいです

 

例: 搬送用の真空チャック等

(基本的に搬送は ある地点からある地点に置くだけなので時間は短い)

 

 

メリット
(真空ポンプ
と比較)
●超小型
●超安価

●長寿命

エアを吹きこむだけなので
ほぼ永久使用可

●振動がない
●発熱しない

 

デメリット
(真空ポンプ
と比較)

●低~中真空

それほど高くない真空発生用途となる
例えば軽量物の搬送用の
真空チャックなどであれば
十分といえる

●エアの消費が激しい

体感的にエアの消費流量3 とすると 発生真空流量は1
常時エジェクターで高い真空圧を発生させようとすると
大量のエアを常時使用となり
エアシステム全体に圧力降下が起こり
システムダウンの可能性も

しかし 短時間の真空使用 例えば搬送用の真空チャック
であれば 特段のデメリットはないともいえる

●騒音の可能性

そのまま大気開放すると結構な排気音がします
サイレンサーをつけるなり
排気ダクトに突っ込むなりしましょう

 

 

 

真空ポンプ

様々な種類があり詳細や原理は割愛させていただきますが

モーターを使用して 真空を発生させます

真空発生器のようにエアを大量消費するわけではありません

従って コストとデメリットはつきますが

長時間 真空にする必要のある個所をメインに使用します

 

例: 真空チャンバー等

 

メリット
(真空発生器
と比較)
●比較的高真空が発生できる

●エアを消費しない

ランニングコストは安いと言える

 

デメリット
(真空発生器
と比較)

●低寿命(消耗品)

●高振動

●高騒音

●発熱

●真空ポンプの価格が高い

 

 

④真空機器の注意点

エジェクター 真空ポンプ共に注意点ですが

真空機器は 真空INがあれば当然排気OUTがあります

 

この機器の排気OUTに注意してください

爆音覚悟で大気開放にするのであればいいのですが

場合によっては 配管で排気ダクトに接続する場合もあるでしょう

 

その時の配管は十分太いものにしましょう

排気OUTをいじめると 真空能力が圧倒的に下がります

 

 

⑤真空ラインを織り込んだエア配管の例

エア配管の例

真空チャンバーと搬送用の真空チャックを追加した装置の例です

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設計ポイント1 真空チャンバー用の真空発生

真空環境内での処理が必要なので 真空チャンバー設置

長時間の真空発生なので真空ポンプを使います

 

設計ポイント2 真空チャックは真空発生器

チャックは 

短時間のチャック時間なので 真空発生器にしてもエア消費量が少ないです

従って 安価なシステムで済むように真空発生器にしています

 

設計ポイント3 真空チャック圧の調整

今回の装置の一工夫は エアの消費量を少しでも省エネにするために

真空圧の調整を エア供給のレギュレータCで行うことにした点です

 

これを以下のように組んでしまうと

真空レギュレーターで確かに真空圧を調整できますが

大元のレギュレーターCから0.5MPaから繰り出される大量の消費エアは

何もかわりません 

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レギュレーターCで行えば 真空圧が それほど必要ないのであれば

レギュレーターCの供給圧を調整すれば そこから繰り出されるエアの

量もそれなりになります

 

設計ポイント4 真空チャンバーの真空発生タイミング

真空チャンバーの真空発生タイミングは

チャンバー内に ワークを置き ゲートが閉まった後です

 

⑥まとめ

●真空は単純に 大気圧より低い圧力ではない

●周囲より 圧力が低い圧力で相対的なものとなります

●真空を発生させる機器は おおまかに以下があります

●真空発生器 真空ポンプ

●真空発生器は機械的に安価ですみますが 大量のエアが必要

●真空ポンプは 大量のエアが必要ではないが デメリットがある

●要は使い分けが重要となります

 

本記事は以上です

最後までお読みいただきありがとうございます