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機械設計歴20年以上のtsurfと言います。
今回は以下に関する記事です。
わかりやすい電磁弁の仕組み
と原理 基礎編
⇩本記事は機械設計初心者の方で以下の方にオススメです⇩
エア配管系統図を頼まれたけど
エアシリンダーの動作やエアブローに使う
電磁弁って何だ?
⇩本記事を読むと以下が わかります⇩
まずは電磁弁の
役割と動作原理を
わかりやすく説明します
①結論
電磁弁概要
電磁弁とは
主にエアや液体を流すバルブを電気的に開閉する機器です。
電磁弁は、
- エアブローの自動弁
- エアシリンダーの駆動や制御
上記等の用途に用いられ
機械には、ほぼ必須のものです。
電磁弁の構造
原理は至って簡単で、
ノーマルクローズ(後述)を例にすると
主な構成としては以下となります。
・コイル ・固定鉄心 ・スプリング ・プランジャー |
電磁弁の動作原理
弁を開閉させるためにプランジャーを
直動運動させるのですが以下のように
コイルへの通電によって、動作を制御します。
コイルに通電していない状態では、
スプリングによりプランジャーが
弁に押さえつけられます。
コイル通電をすると
固定鉄心が電磁石化し異極吸着により
プランジャーが引き寄せられます。
上記のように、
コイルへの通電のON/OFF
によって
プランジャーを直動運動させて
弁を塞いだり、弁を開けたりしています。
今回の電磁弁解説について
今回は電磁弁の基本原理を、御理解いただきたいので
単純な機構である直動式ポペット式の2方向弁をモデルに
電磁弁の基礎を解説します。
その他の電磁弁はリンクを御参照ください。
②電磁弁の基本的な仕組み
ノーマルクローズタイプ
ノーマルクローズとは、下図のようなバルブです。
- 非通電時でバルブが閉じている
- 通電時にバルブが開く
非通電時 | |
---|---|
プランジャーを 弁座に押し付ける ⇩ ⇩ 流体の流れを 遮断 |
|
通電時 | |
流れる ⇩ ⇩ 固定鉄心が 電磁石化 ⇩ ⇩ 異極吸着により プランジャーを 吸 着 ⇩ ⇩ 流体を流す |
よって、ノーマルクローズの場合
停電などにより電力供給が止まると
バルブが閉じます。
ノーマルオープンタイプ
ノーマルオープンとは、下図のようなバルブです。
- 非通電時でバルブが開いている
- 通電時にバルブが閉じる
非通電時 | |
---|---|
スプリングが プランジャーを押し上げる ⇩ ⇩ 流体を流す |
|
通電時 |
|
コイルに電流が 流れる⇩ ⇩ 固定鉄心が 電磁石化 ⇩ ⇩ 同極反発により プランジャーを 押し下げる ⇩ ⇩ 流体の流れを |
よって、ノーマルオープンの場合
停電などにより電力供給が止まると
バルブが開きます。
③ノーマルクローズとノーマルオープンの使い分け
直動型の電磁弁の特徴として、ずっと通電していると
- コイルが焼き切れる。
- スプリングが変形して戻らなくなる。
といったケースが稀にあります。
ですので 必要な時(できるだけ短時間)
だけ通電するように、以下のように使い分けましょう
ノーマル クローズ |
➡ |
|
---|---|---|
ノーマル オープン |
➡ |
|
④電磁弁記号とその見方
2方向弁電磁弁における
エア配管系統図を作成するときの電磁弁記号です。
ノーマルクローズ | ノーマルオープン |
---|---|
ノーマルクローズの例でいうと
向かって右側⇒スプリングの絵があります。
-つまり、非通電時ではー
スプリング駆動をして
流路がシャットされているという図になっています。
向かって左側⇒電磁石の絵があります。
-つまり、通電時では-
電磁石が磁力化し
バルブが開いているという図になっています。
⑤まとめ
- 電磁弁とは、電磁石とスプリングを利用した流体制御機器です。
- 一般的にノーマルクローズは
非通電時スプリングにより、流路を常時シャットしています。
通電時に電磁石により、流路をオープンします。
- ノーマルオープンは
非通電時スプリングにより、流路を常時オープンしています。
通電時に電磁石により、流路をシャットします。
- それぞれ、メリット デメリットがあり使い分けます。
⑥応用知識
今回は 直動ポペット式2方向電磁弁で
電磁弁の基礎を解説しました。
基礎を理解して頂いた上で、応用知識として
エアシリンダー駆動用の場合の制御用電磁弁は
内部パイロット スプール式5方向弁です
また、2方向弁は流体のON/OFFの2択であることから、
主にエアブロー用に用いますが
エアブロー用のものでも、大流量のエアブローの場合
内部パイロット スプール式3方向弁を使う場合もあります。
詳しい電磁弁の種類と使い方については
⇩以下の記事を御参照ください⇩
本記事は以上です。
最後までお読み頂きありがとうございます。