tsurfの機械設計研究室

サーボモーターやエアシリンダの選定計算なども扱っている技術ブログです

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安価なエアによる回転テーブル エアロータリーアクチュエーター

本ブログの御訪問ありがとうございます

機械設計歴20年以上のtsurfと言います

 

今回は以下に関する記事です

エアによる回転テーブル エアロータリーアクチュエーター

 

  

⇩本記事は機械設計初心者の方で以下の方にオススメです⇩

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とある
初心者機械設計者

エアロータリーアクチュエーターって?

 

 

⇩本記事を読むと以下が わかります⇩

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管理人TSURF

エアロータリーアクチュエーターは

モーターを使わないエア駆動による安価な回転テーブルです

特徴やモーターによる回転テーブルとの違いを解説します

 

 

 

①結論 エアロータリーアクチュエーターとは

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エア駆動で回転する回転テーブルのことです(図1参照)

黄色の部分が回転します

駆動システムは 5ポート(4ポート)電磁弁を使います

 

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モーターに比べて 

構造が単純なので 安価ですが 注意点があります

 

 

 

特徴1 回転の制限と停止原理

基本的には 図2のように ある角度Aからある角度Bへの

回転でモーターのように無限回転はしません

(停止させるのが目的なので)

 

そして 角度Aと角度Bは 内部のストッパーによって決まります

つまり 停止の原理は内部ストッパーによる当て止めとなります

  

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無限回転はしないので 基本的に AからBに

角度を回転させた後は BからAに戻すことになります

 

 

特徴2 回転角度が調整可能

回転の角度を内部のストッパーで調整することができます

 

例えば 仕様上0°~180°回転するものであれば

内部のストッパーを調整することにより 

0°~40°などにすることが可能です

 

特徴3 精度のある停止位置の制限

停止位置は 基本的には2ヶ所です

この2ヶ所は ストッパーで停止位置が決まるため 停止位置の精度がでます

 

しかし 製品によっては ストッパーが動作し

任意の中間点1ヶ所でも精度のある停止ができ3位置で精度のある停止が

できるものもあります

 

この例外を含めるのであれば 

せいぜい 停止位置精度のある停止は 多くて3ヶです

 

注意点として 

3位置の位置決めができるものは電磁弁に

プレッシャーセンターのものが必要になります

 

⇩3位置電磁弁については 以下の記事を御参照願います⇩


 

 

②モーターによる回転テーブルとの比較

違い1 無限回転可能かどうか

ワークを ワーク受けに置いて 初期角度Aから

角度Bに90°回転搬送する場合を考えます

エアロータリーA 無限回転不可

ワークを初期角度AからBに移動させた後

次のワークを搬送するためには

角度Bから初期角度Aに 戻らなくてはいけません

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モーター 無限回転可能

モーターを使った回転テーブルは 無限回転ができます

 

以下の図4のような ワーク受け構造を設計すれば 

A→Bへと90°回転を続けていればB→Aに角度を戻す必要がありません

時間短縮できます

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違い2 停止位置調整

エアロータリーA 内蔵ストッパーによる手動調整
モーター 制御による電気的調整

 

 

 

違い3 停止位置の点数

エアロータリーA 基本的に2ヶ所
仕様により3位置のものもある
モーター 基本的に制限はなし

 

 

 

違い4 駆動システムと値段の比較

エアロータリーA

電磁弁のみで動きます

エアロータリーアクチュエーターの値段が安いこともあり

回転テーブルシステム全体としての値段は

モーターと比較して安価です

モーター

モーター本体と モータードライバー

それに追加し 位置決めユニットや各種ケーブルなどで

比較的 コストがかかります

 

 

 

③回転テーブルの使い分け

エアロータリーAを採用できる場合

●停止位置精度が必要な停止位置数が2点(多くて3点)であること

●戻り動作があっても可能なこと

●無限回転が必要でない箇所

 

しかし  以下の場合はモーターとなります

●停止位置精度が必要な位置決めが 多点になる場合

●タクトの関係で戻り動作が不可

●無限回転が必要

 

 

④構成システム

複動のエアシリンダーと同じです

f:id:tsurf:20201114113424p:plain⇩以下の記事を御参照ください⇩

 

 

⑤まとめ

●ロータリーアクチュエーターは エアによる安価な回転テーブルです

●動作は 5ポート弁で動作します

●安価ですが 使用するには 条件があります

●位置決め点数が2点 多くて3点であること

●戻り動作が可能であること

●無限回転をしないこと

 

本記事は以上です

最後まで お読みいただきありがとうございます

 

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