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機械設計歴20年以上のT.Surfと言います。
今回は以下に関する記事です。
【エアシリンダーの中間停止】
ロッドレスエアシリンダーの姿勢
における挙動の違い
⇩本記事は機械設計初心者の方で以下の方にオススメです⇩
3位置電磁弁で
注意すべき点は?
⇩本記事を読むと以下が わかります⇩
3位置電磁弁で
中間停止させる際
のエアシリンダー
挙動です。
挙動を知って
おきましょう。
①結論
エアシリンダーの中間停止概要については
以下の記事を御参照ください。
3位置電磁弁におる
エアシリンダや設置姿勢における挙動を
解説します。
あくまで理論上どなるのか?
という解説です。
実際は
- ワークの重量
- 水平だったらそれに伴う摩擦
- 慣性
などで、結果は多少違ってきます。
ロッドレスシリンダー
センター クローズ |
センター プッシャー |
センター リリース |
|
垂直姿勢 | 多少落下後 途中停止 |
原則 止まらない |
落下 |
水平姿勢 | 即時停止 | 即時停止 | 即時停止 |
ロッド付きシリンダ
センター クローズ |
センター プッシャー |
センター リリース |
|
垂直姿勢 | 多少動作後 途中停止 |
落下 | 落下 |
水平姿勢 | 多少動作後 途中停止 |
原則 止まらない |
即時停止 |
②垂直姿勢ロッドレスシリンダーの挙動
センタークローズ
ロッドレスシリンダでの垂直姿勢における
センタークローズでは
エアの供給と排気が遮断されますが
以下のようになります。
- Fa:エア圧
- D :エアシリンダーの出力径
- g:重力加速度
とすると・・・
エアシリンダー自体の
A側の推力/B側の推力
は釣り合っていますが
A側の推力にはワークと搬送ジグの重力が
加算されます。
ですので、落下しますが
その際に
Aポート側のエアは膨張され
Bポート側のエアは圧縮されます。
つまり
Aポート側のエア圧は小さくなり
Bポート側のエア圧は大きくなります。
- Fa1:Bポート側の重力による膨張後のエア圧
- Fa2:Aポート側の重力による圧縮後のエア圧
とすると・・・
つまり、
落下後エア圧の小さくなった
Aポート側のエア圧をFa1とすると
Aポート側のの推力は
Mg+Fa1×π(D/2)²
そして、
落下後エア圧が大きくなった
Bポート側のエア圧をFa2とすると
Bポート側の推力は
Fa2×π/4×D²
となり、
Mg+Fa1×π/4×D²=Fa2×π/4×D²
となるようなFa1とFa2になるまで落下をしますが
上記式が成り立つエア圧Fa1とFa2になったら止まります。
③垂直姿勢ロッドレスシリンダーの挙動
センタープレッシャー/リリース
センタープレッシャーとセンターリリースですが
これは落下していきます。
理由はー
- センタープレッシャーでは
A側の推力とB側の推力が同じです。 - しかも、先述の記事で解説したとおり
センタープレッシャーではエアの移動が
可能なため動くことができます。
以上の理由から ワークや搬送ジグに掛かる
重力により落下をします。
これは、
センターリリースも同じです。
④水平姿勢ロッドレスシリンダーの挙動
ロッドレスシリンダーを使用して
3位置ダブルソレノイドで中間停止しようとする場合
特に注意すべきことはありません。
慣性を考えなければ、
- センタークローズ
- センタープレッシャー
- センターリリース
ともに原則即時停止します。
⑤まとめ
3位置ダブルソレノイドで
中間停止をする際には
エアシリンダーの挙動に注意しましょう。
挙動を知っておくことが重要です。
ロッド付きシリンダーについては
以下を御参照お願いします。
本記事は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございます。