tsurfの機械設計研究室

サーボモーターやエアシリンダの選定計算なども扱っている技術ブログです

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エアブローに3ポート弁を使う場合とその理由、注意点

本ブログの御訪問ありがとうございます。
機械設計歴20年以上のtsurfと言います。

 

今回は以下に関する記事です。

エアブローに3ポート弁を
使う場合とその理由、注意点

 

⇩本記事は機械設計初心者の方で
以下の方にオススメです⇩

f:id:tsurf:20210605171303p:plain
とある
初心者機械設計者

なんで
エアブローに
3ポート弁を
使うんだ?

 

 

⇩本記事を読むと以下が
 わかります⇩

管理人T.Surf

今回は
3ポート弁を
エアブローに使う理由と
その時の注意点を
解説します。

 

本記事は以下の知識があることを
前提としています。

 

 

①エアブローに3ポート弁?

よくエアブローに
3ポート弁を使う場合があります。

 

3ポート弁は

  • 供給
  • 排気

を切り替える弁です。

 

ですがエアブローは

  • 供給
  • 止める

の動作だけなので2ポート弁で十分なはずです。

2ポート弁に関しては
以下の記事を御参照願います。

 

ですので、
本来であれば3ポート弁までは必要ありません。

 

なぜ 2ポート弁で必要なエアブローに
3ポート弁を使うかと言うと・・・

 

 

②結論:エアブローに3ポート弁を使う理由

3ポート弁は、内部パイロット方式であることから
以下のメリットがあります。

  • 大口径の弁での運用
  • 長期通電の運用
  • 省電力での運用

 

今回は、
3ポート弁の内部パイロットと
2ポート弁の直動式
の比較を通じて理解をしましょう。

内部パイロットについては
以下の記事を御参照願います。

 

 

③内部パイロットであるメリット

2ポート弁では・・

そもそもですが
基本的に大口径の2ポート弁は少ないです。

 

なぜなら2ポート弁は直動式なため
(弁体を直にソレノイドとスプリングで操作)

大口径の2ポート弁となると
プランジャーも大きくなり、
それに伴いソレノイドも大きくなります。

 

従って

  • 大電流が必要となる
  • 電磁弁自体が大きくなる

となってしまいます。

 

3ポート弁では・・

3ポート弁は排気があります。

従って内部パイロットでの運用が可能です。
内部パイロットはエアブローで使う流体を

一部分岐してスプールを動かすことに使います。

 

つまり、以下となります。

  • スプールを動かすのは強大なエアー
  • 電磁弁自体はスプールの動作に必要な
    エアーの吸排気にしか使用しない

 

ということは、

非常に省電力

であることが挙げられます。

 

そして、
スプールの動作自体は強大なエアーであるため
大きなソレノイドコイルを搭載する必要がなく

大口径でありながら
電磁弁自体が小さい

と言ったメリットもあります。

 

 

④場合によっては長期通電も可

2ポート弁では・・

2ポート弁は直動式です。
弁体を直接ソレノイドで動かしています。

弁体を直接動かすので大電流が必要で
長期通電となると、ソレノイドコイルが焼き切れたり
などの可能性が出てきます。

 

3ポート弁では・・

先ほども説明したましたが
内部パイロット方式であるため
メインのスプールを動かすのはあくまでエアです。

内蔵の電磁弁はエアの出入りのみに使用します。

 

ですのでソレノイドも小さく済みます。
なのであまり電力も使用せず
長期通電してもソレノイドが焼き切れる

というリスクも小さくなります。

 

 

⑤エアブロー用3ポート電磁弁の注意

選定上の注意
省電力仕様について

長期通電するエアブロー用の電磁弁選定の
注意点としては、
基本的に省電力仕様にする
ということです。

 

省電力仕様は応答性が悪くなるかわりに
さらなる長期通電が可能となります。

 

基本的に長期通電が必要なエアブローに
応答性は重要ではありません。

長期通電によるコイルの温度上昇を防ぐこと
のほうが重要です。

 

ただし、
エアブローを特定タイミングで使用する場合
に゙関しては応答性の悪さでタイミング通りにエアブローできない
可能性があるので省電力仕様はNGです。

 

そもそも 特定タイミングで使用する場合
長期通電ならではの危険性がないため省電力仕様は
必要ありません。

 

また
エアシリンダーで使用する5ポートダブルソレノイド電磁弁
についても、応答性がサイクル時間に関係してくるため
省電力仕様はNGです。

 

使用上の注意
排気は必ず接続

よく勘違いしがちなのですが

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とある
初心者機械設計者

3ポート弁を
2ポート弁として
使ってんだから
排気ポートは
プラグだな

これはNGです。
排気はとります。

なぜならパイロットエアの排気のため
だからです。

内部パイロットはエアの力でスプールを動かす
と言いました。

であれば通電offにしただけでは
スプリングリターンでも戻りません。

なぜならパイロットエアが排気されていないからです。

パイロットエアの排気は
メインの排気ポートから排気されます。

 

ですので、排気ポートは

  • 大気開放
  • サイレンサー
  • フィルター
  • 排気ダクトに接続

のいずれかの対応をして
くれぐれもプラグで封止しては
いけません。

 

―サイレンサーはー
排気音を小さくするためですが
パイロットエアの排気程度では
あまり気にする必要はないかもしれません。

 

―フィルターはー
クリーンルームでの使用に
いいでしょう。

 

―排気ダクトへの接続―

クリーンルームでは
配管を使い排気ダクトへ接続すれば

  • 音も防ぐことができ、
  • 細かな粉塵も排気ダクトに吸い込まれる

のでおススメです。

 

 

本記事は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございます。

 

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