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機械設計歴20年以上のtsurfと言います。
今回は以下に関する記事です。
エアブローに3ポート弁を
使う場合とその理由、注意点
⇩本記事は機械設計初心者の方で
以下の方にオススメです⇩
なんで
エアブローに
3ポート弁を
使うんだ?
⇩本記事を読むと以下が
わかります⇩
今回は
3ポート弁を
エアブローに使う理由と
その時の注意点を
解説します。
本記事は以下の知識があることを
前提としています。
①エアブローに3ポート弁?
よくエアブローに
3ポート弁を使う場合があります。
3ポート弁は
- 供給
- 排気
を切り替える弁です。
ですがエアブローは
- 供給
- 止める
の動作だけなので2ポート弁で十分なはずです。
2ポート弁に関しては
以下の記事を御参照願います。
ですので、
本来であれば3ポート弁までは必要ありません。
なぜ 2ポート弁で必要なエアブローに
3ポート弁を使うかと言うと・・・
②結論:エアブローに3ポート弁を使う理由
3ポート弁は、内部パイロット方式であることから
以下のメリットがあります。
- 大口径の弁での運用
- 長期通電の運用
- 省電力での運用
今回は、
3ポート弁の内部パイロットと
2ポート弁の直動式
の比較を通じて理解をしましょう。
内部パイロットについては
以下の記事を御参照願います。
③内部パイロットであるメリット
2ポート弁では・・
そもそもですが
基本的に大口径の2ポート弁は少ないです。
なぜなら2ポート弁は直動式なため
(弁体を直にソレノイドとスプリングで操作)
大口径の2ポート弁となると
プランジャーも大きくなり、
それに伴いソレノイドも大きくなります。
従って
- 大電流が必要となる
- 電磁弁自体が大きくなる
となってしまいます。
3ポート弁では・・
3ポート弁は排気があります。
従って内部パイロットでの運用が可能です。
内部パイロットはエアブローで使う流体を
一部分岐してスプールを動かすことに使います。
つまり、以下となります。
- スプールを動かすのは強大なエアー
- 電磁弁自体はスプールの動作に必要な
エアーの吸排気にしか使用しない
ということは、
非常に省電力
であることが挙げられます。
そして、
スプールの動作自体は強大なエアーであるため
大きなソレノイドコイルを搭載する必要がなく
大口径でありながら
電磁弁自体が小さい
と言ったメリットもあります。
④場合によっては長期通電も可
2ポート弁では・・
2ポート弁は直動式です。
弁体を直接ソレノイドで動かしています。
弁体を直接動かすので大電流が必要で
長期通電となると、ソレノイドコイルが焼き切れたり
などの可能性が出てきます。
3ポート弁では・・
先ほども説明したましたが
内部パイロット方式であるため
メインのスプールを動かすのはあくまでエアです。
内蔵の電磁弁はエアの出入りのみに使用します。
ですのでソレノイドも小さく済みます。
なのであまり電力も使用せず
長期通電してもソレノイドが焼き切れる
というリスクも小さくなります。
⑤エアブロー用3ポート電磁弁の注意
選定上の注意
省電力仕様について
長期通電するエアブロー用の電磁弁選定の
注意点としては、
基本的に省電力仕様にする
ということです。
省電力仕様は応答性が悪くなるかわりに
さらなる長期通電が可能となります。
基本的に長期通電が必要なエアブローに
応答性は重要ではありません。
長期通電によるコイルの温度上昇を防ぐこと
のほうが重要です。
ただし、
エアブローを特定タイミングで使用する場合
に゙関しては応答性の悪さでタイミング通りにエアブローできない
可能性があるので省電力仕様はNGです。
そもそも 特定タイミングで使用する場合
長期通電ならではの危険性がないため省電力仕様は
必要ありません。
また
エアシリンダーで使用する5ポートダブルソレノイド電磁弁
についても、応答性がサイクル時間に関係してくるため
省電力仕様はNGです。
使用上の注意
排気は必ず接続
よく勘違いしがちなのですが
3ポート弁を
2ポート弁として
使ってんだから
排気ポートは
プラグだな
これはNGです。
排気はとります。
なぜならパイロットエアの排気のため
だからです。
内部パイロットはエアの力でスプールを動かす
と言いました。
であれば通電offにしただけでは
スプリングリターンでも戻りません。
なぜならパイロットエアが排気されていないからです。
パイロットエアの排気は
メインの排気ポートから排気されます。
ですので、排気ポートは
- 大気開放
- サイレンサー
- フィルター
- 排気ダクトに接続
のいずれかの対応をして
くれぐれもプラグで封止しては
いけません。
―サイレンサーはー
排気音を小さくするためですが
パイロットエアの排気程度では
あまり気にする必要はないかもしれません。
―フィルターはー
クリーンルームでの使用に
いいでしょう。
―排気ダクトへの接続―
クリーンルームでは
配管を使い排気ダクトへ接続すれば
- 音も防ぐことができ、
- 細かな粉塵も排気ダクトに吸い込まれる
のでおススメです。
本記事は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございます。