tsurfの機械設計研究室

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機械設計に使う 近接センサや静電容量センサーのA接/B接

本ブログの御訪問ありがとうございます。
機械設計歴20年以上のtsurfと言います。

 

今回は以下に関する記事です。

機械設計に使う 
近接センサや静電容量センサー
のA接/B接

 

⇩本記事は以下の方にオススメです⇩

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とある
未経験機械設計者

近接センサーや静電容量センサーで
A接とかB接とかって何だよ?

 

⇩本記事を読むと以下が わかります⇩

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管理人TSURF

今回は静電容量センサーを例に
A接とB接を解説します

 

 

①光を使わないセンサー

光電センサーやファイバーセンサーは、
光を使ったセンサーです。

 

しかし センサーの中には光を使わず 
電界の変化や静電容量の変化で検知するセンサーがあります。

例としては、以下です。

  • 近接センサー
  • 静電容量センサー

 

これらのセンサーで注意すべき点としては、
購入時にA接/B接を型式で指定しなくてはいけない
ことです。

なぜなら、近接センサーや静電容量センサーは 
後から設定で変更できません。

 

では、『A接/B接とは何か?』 
次の章で解説します.

 

 

②A接点/B接点とは

A接点 B接点概要

光を使ったセンサーで紹介した 
ライトON  ダークONに相当するものです

 

    検知時 非検知時
A接点 信号ON 信号OFF
B接点 信号OFF 信号ON

 

参考としてライトON ダークONについては
以下の記事を御参照ください。

 

A接点とは

以下のように、近接時に被検知物を検知した時に
出力信号をONします。

 

 

逆に以下のように、被検知物を検知していない時は
出力信号をOFFします。

 

B接点とは

以下のように、被検知物を検知していない時に
出力信号をONします。

 

 

逆に 以下のように、近接時に被検知物を検知した時に
出力信号をOFFします。

 

 

③センサーの出力設定は、断線検知を考慮する

断線検知とは

センサーが断線などで破損した場合に
外部にわかるようにすることです。

特に近接センサーなどでインターロックに
使用する場合は注意が必要です。

詳しくは後述しますが設定法としては、以下となります。

    使用法 使用事例
A接点 ワーク等の確認 有ることを確認
B接点 無いことを確認 インターロックなど

 

<注意>
参考で 詳細や使い分けを後述しますが
会社によって考え方がちがいますので
新規で設置の場合 必ず自社の電気設計担当に確認してください

 

 

④A接点を使う場合の例

ワーク有を検知する場合

ワーク検知センサーはワークの有り無しを識別
するものですが、
以下の用途のセンサーの場合

ワークがある時⇒次の工程に進むのを許可


ワーク検知センサーの場合の特徴は
『ワーク等があることを確認します。

あることの確認の時は、
あることが確認できている
近接検出時に信号ONにします。

つまりA接点のものを選定します。

 

A接点の理由

PLCのほうで、

  • 信号ONが正常
  • 信号OFFが異常

と設定させると以下となります。

A接点にして



近接検出時:信号ON
⇒ワークがある正常時
非検出時:信号OFF
⇒ワークがない異常時

すると以下の条件で、
信号OFFとなり、装置が非常停止&アラーム発報します。

  • ワークがない異常の場合
  • センサーの信号線や電源線等が断線した場合

つまり、センサーが破損した状態も
異常と判断され検知することができ
ます。

 

逆に設定してしまうと・・・

  • PLCでは信号ONで異常
  • センサーはワーク有りで信号OFF
B接点にして



近接検出時:信号OFF
⇒ワークがある正常時
非検出時:信号ON
⇒ワークがない異常時

上記のようにしてしまうと

以下の状態でも信号OFFなので

  • 電源線や信号線が断線した状態
  • 電源線や信号線が断線した状態で
    かつ、ワークがない状態

ワーク有りと判断されてしまいます。

 

つまり、断線してしまうと常に信号OFFで正常判断され

  • 断線自体もわからない
  • ワークがない時でもワーク有りと誤判定される

となってしまいます。

 

 

⑤B接点を使う場合の例

搬送ジグ検知センサーの場合

イレギュラーなセンサーですが、クラッシュ回避のため
搬送ジグや搬送アームなどの搬送機構Aが、
安全地帯に回避を確認した後に 別の搬送機構Bが通る場合

クラッシュ回避のため
搬送機構Aがない時
⇒別の搬送機構Bが進むのを許可


搬送ジグ検知センサーの場合の特徴は
『搬送機構Aがないことを確認します。

ないことの確認の時は、

あることが確認できている
非検出時に信号ONにします。

つまり接点のものを選定します。

 

B接点の理由

PLCのほうで、

  • 信号ONが正常
  • 信号OFFが異常

と認識させると、以下となります。

B接点にして

非検出時:信号ON
⇒搬送機構Aがない正常時
近接検出時:信号OFF
⇒搬送機構Aがある異常時

すると以下の条件で、
信号OFFとなり、装置が非常停止&アラーム発報します。

  • 搬送機構Bを動かすタイミングで
    搬送機構Aがある異常の場合
  • センサーの信号線や電源線等が断線した場合

つまり、センサーが破損した状態も
異常と判断され検知することができ
ます。

 

逆に設定してしまうと・・・

  • PLCでは信号ONで異常
  • センサーは搬送機構A有りで信号ON
A接点にして

非検出時:信号OFF
⇒送機構Aがない正常時
近接検出時:信号ON
⇒送機構Aがある異常時

上記のようにしてしまうと

以下の状態でも信号OFFなので

  • 電源線や信号線が断線した状態
  • 電源線や信号線が断線した状態で
    かつ、搬送機構Bが動作する時に
    搬送機構Aがある状態

搬送機構Aが回避したから
搬送機構Bが動作OKと判断されてしまいます。

 

つまり、断線してしまうと常に信号OFFで正常判断され

  • 断線自体もわからない
  • 搬送機構Aが回避移動されたと誤判定される

となってしまいます。

 

 

⑥まとめ

  • 近接センサーや静電容量センサーは、
    A接/B設を後から変更できないものが
    ほとんど

  • A接点とは、近接検知時に信号出力ON
    断線検知を考慮すると
    あることを確認したい場合に選定

  • B接点とは、非検出時に信号出力ON
    断線検知を考慮すると
    ないことを確認したい場合に選定

 

本記事は以上です。
最後までお読み頂きありがとうございます。

 

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