本ブログの御訪問ありがとうございます
機械設計歴20年以上のtsurfと言います
今回は以下に関する記事です
機械設計に使う 近接センサや静電容量センサーのA接 B接
(例 静電容量センサーを使った液面検知)
⇩本記事は以下の方にオススメです⇩

未経験機械設計者
近接センサーや静電容量センサーで
A接とかB接とかって何だよ?
⇩本記事を読むと以下が わかります⇩
今回は静電容量センサーを例に
A接とB接を解説します
光を使わないセンサー
光電センサーやファイバーセンサーは光を使ったセンサーです
しかし センサーの中には光を使わず
電界の変化や静電容量の変化で検知するセンサーがあります
例としては 近接センサーや静電容量センサーです
これらのセンサーで注意すべき点としては
購入時にA接 B接を型式で指定しなくてはいけないことです
また 近接センサーや静電容量センサーは 後から設定で変更できません
では A接 B接とは何か 次の章で解説します
A接点 B接点 結論
❑A接点 B接点とは
光を使ったセンサーで紹介した ライトON ダークONに相当するものです
検知時 | 被検知時 | ||
---|---|---|---|
A接点 | ➡ | 信号ON | 信号OFF |
B接点 | ➡ | 信号OFF | 信号ON |
❑断線検知を考慮した使い分け
確認内容 | 使用事例 | ||
---|---|---|---|
A接点 | ➡ | 有ることを確認 | ワーク確認 液面検知など |
B接点 | ➡ | 無いことを確認 | 安全関連 インターロックなど |
<注意>
参考で 詳細や使い分けを後述しますが
会社によって考え方がちがいますので
新規で設置の場合 必ず自社の電気設計担当に確認してください
❑近接センサー 静電容量センサー選定時の注意
前述しましたが
光電センサーなど 光を使ったセンサーが
ライトON ダークONを後から設定により変更できるのに対し
近接センサーや 静電容量センサーは 後から設定で変更ができません
購入時点でA接/B接を決定しなくてはいけません
だいたい 型式織り込みとなっています
A接点 B接点 解説手順
次章以降 A接点とB接点を 静電容量を例に解説します
それにあたり 以下の手順で解説しようと思います
静電容量センサーの概要
⇩
静電容量を使う場合の事例:通いタンクの液面検知
⇩
通いタンクの液面検知に関する A接点 B接点
静電容量センサー概要と通いタンクの概要
❑静電容量センサーの概要
物体とセンサーの間の静電容量の変化を検知するセンサーです
特徴としては 金属製以外であれば
不透明タンクの中の液面を検知できます
まず前提として 不透明タンクでも
装置内でタンクへの供給 廃液が行われるのであれば
以下のような 構造にして ファイバーセンサーを使えます
図1 装置内据え置き 不透明タンク
しかし 透明でない色付きタンクで かつ 通いタンクの場合
(通いタンク:作業者がタンクを取り外して 液の供給や廃液を行う)
上記の構造にしてしまうと
人が液の供給や廃液のために タンクを外すのですが
その際に センサーも外さなくてはいけません
このような場合に 静電容量センサーを用います
静電容量センサーは
非接触で液面を検知でき 以下の図のようになります
図2 通い式 不透明タンク
静電容量センサーは非接触で 液面を検知できるので
これであれば 通いタンクは成り立ちますね
ただし 静電容量センサーで液面検知するには条件があり
タンク材質は 金属はNGです
❑通い供給タンク 通い廃液タンクの概要
今回 A接点 B接点を解説するにあたり
通い供給タンクと 通い廃液タンクを簡単に解説します
ある装置の ある処理にて
特殊な液体が必要でタンクを必要とし 以下を想定します
では 通いタンクの場合
供給タンクと廃液タンクの各液量を
静電容量センサーで監視する場合のA接点 B接点を次の章で見ていきましょう
通い供給タンクの液面検知
静電容量センサーのA接点 B接点
❑静電容量センサー設置例 センサーL(low)
『👉通い供給タンクのセンサーL(LOW) 』
LOW検知センサーとして
一回の処理に必要な液量を検知する位置に設置します
理由は 後述します
『👉センサーLの役割 』
このセンサーLは
処理が始まる前に
一回の処理に最低限 必要な液量があるかを確認します
処理が始まる前 このセンサーLより
液面が下の場合に 液量不足のアラーム発報をし
処理をスタートさせないようにします
『👉センサーLの特徴 』
処理の前に以下のように 液面が
ぎりぎり センサーLが検知しない液面位置の液量でも処理がスタートします
一回の処理に必要な液量は確保しているからです
従って 今回の処理の途中で液が失くなり
センサーL以下まで液面が低下し 液量なしになった場合でも
事前に一回の処理に必要な液量は 確認済なので 処理に影響ありません
従って処理の途中で 液量不足アラームは発報しません
いつ アラーム発報するかと言うと
処理が終了し 次の処理前に 液量不足アラームを発報します
❑断線検知を考慮した センサーLの接点は?
このセンサーLは 処理前に一回の処理に必要な液量が有ることを確認します
ですので
液を検知した場合信号ONとなるA接点にします
そして PLCで 以下のように認識させます
信号ON正常
信号OFF異常
これにより 通い供給タンクを満タンにして設置した場合
センサー正常とセンサー断線で以下のようになります
センサーが正常 | ➡ | 信号ON=液有り正常 となり通常通り処理開始 |
センサーが断線 | ➡ | 信号OFF=液なし となりアラーム発報 |
このことから 断線の疑いを認識できます
通い廃液タンクの液面検知
静電容量センサーのA接点 B接点
『👉通い廃液タンクの センサーHH(HIGH HIGH) センサーH(HIGH) 』
HIGH HIGH検知センサーとして
タンクから液があふれる手前くらいに設置します
(理由は後述します)
HIGH検知センサーとして
液量がセンサーHが検知する量より わずかに下であるならば
一回の処理分の廃液を受けてもHIGH HIGH検知センサーに検知しない
位置に設置します
(理由は 後述します)
『👉センサーHHの役割 』
このセンサーが検知するまで液面が上昇した場合
タンクから液が溢れる可能性があるとして
これ以上廃液タンクに廃液させないように処理を強制停止します
『👉センサーHの役割 』
このセンサーHは
処理が始まる前に センサーHが液面検知する位置に
廃液がないことを確認します
なぜなら 処理前に このセンサーH以上に液量がある場合
次の処理中に センサーHHまで液面が到達し
処理を強制停止してしまう可能性があるからです
すると
その処理中に処理されていたワークは場合によっては排気処分になります
ですので 処理が始まる前 このセンサーHより
液面が上の場合に 満水可能性有りのアラームを発報し
処理をスタートさせないようにします
『👉センサーHの特徴 』
処理の前に以下のように 液面が
センサーHが ぎりぎり検知しない液面位置の液量でも処理がスタートします
なぜなら このセンサーHで 一回の処理なら
センサーHHまで到達し
強制停止させない液量であることを確認しているからです
従って 今回の処理の途中で液が増水し
センサーH以上まで液面が上昇し 液量有りになった場合でも
事前に一回の処理分の廃液ならセンサーHHに到達しない液量は
確認済なので 処理に影響ありません
従って処理の途中で 液面上昇アラームは発報しません
いつ アラーム発報するかと言うと
処理が終了し 次の処理前に 液面上昇アラームを発報します
❑断線検知を考慮した センサーHHとセンサーHの接点は?
このセンサーHHと センサーHは そこまで液がないことの確認です
ですので
液を検知した場合信号OFFとなるB接点にします
そして PLCで 以下のように認識させます
信号ON正常
信号OFF異常
これにより 通い廃液タンクをカラにして設置した場合
センサー正常とセンサー断線で以下のようになります
センサーが正常 | ➡ | 信号ON=液無し正常 となり通常通り処理開始 |
センサーが断線 | ➡ | 信号OFF=液あり となりアラーム発報 |
このことから 断線の疑いを認識できます
まとめ
●近接センサーや静電容量センサーは A接 B設を後から変更できない
●断線検知を考慮した場合
液面有り確認など 有ることの確認はA接
液面上昇検知など 無いことの確認はB設
本記事は以上です
最後までお読み頂きありがとうございます