tsurfの機械設計研究室

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静電容量センサーによるタンク液面検知とA接/B接の例

本ブログの御訪問ありがとうございます。
機械設計歴20年以上T.surfと言います。

今回は以下に関する記事です。

 

静電容量センサーによる
タンク液面検知とA接/B接の例

  

⇩本記事は以下の方にオススメです⇩

機械設計初心者

静電容量センサーなどの
液面検知における
A接やB接って?

 

⇩本記事を読むと以下が わかります⇩

f:id:tsurf:20210611183707p:plain

管理人TSURF

通いタンクを例に
解説します。

 

 

①A接点/B接点とは?

近接センサーや静電容量センサーにおける
A接点/B設定について
以下の記事を御参照お願いします。

 

 

②静電容量センサー概要

物体とセンサーの間の静電容量の変化を
検知するセンサーです。

特徴としては、タンクの材質が金属製以外であれば
不透明タンクの中の液面を以下のように検知できます。

f:id:tsurf:20210725094653p:plain

 

 

③通いタンクの概要

まず前提として 不透明タンクでも
タンクを外さないのであれば
以下のような構造にして、ファイバーセンサーを
使えます。

 

f:id:tsurf:20210725093604p:plain

しかし 透明でない色付きタンクで
作業者がタンクを取り外して液の供給や廃液を行う場合
(以後 通いタンク)

上記の構造にしてしまうと
人が液の供給や廃液のためにタンクを外すのですが
その際に、センサーも外さなくてはいけません。

 

 

このような場合、静電容量センサーを用います

 静電容量センサーは 
非接触で液面を検知でき 以下の図のようになります。

   f:id:tsurf:20210725094653p:plain

これであれば、作業者が取り外して使える
通いタンクは成り立ちますね。

 

ただし、
静電容量センサーで液面検知するには条件があり 
タンク材質は 金属はNGです

 

 

④通い供給タンクと通い廃液タンク

今回 A接点 B接点を解説するにあたり
通い供給タンクと 通い廃液タンクを
簡単に解説します。

 

ある装置の ある処理にて 
特殊な液体が必要でタンクを必要とし、
以下を想定します。

 

f:id:tsurf:20210727095601p:plain

では、次の章で

  • 通い供給タンク
  • 通い廃液タンク

の各液量を静電容量センサーで監視する場合の
A接点/B接点を見ていきましょう。

 

 

⑤通い供給タンクの液面検知とA接点/B接点

センサーL(low)概要

LOW検知センサーとして
一回の処理に必要な液量を検知できる位置に
設置します。

f:id:tsurf:20210727090705p:plain

このセンサーLは
処理が始まる前に一回の処理に最低限 
必要な液量があるかを確認します。

 

―処理が始まる前―
このセンサーLより液面が下の場合に限り、
液量不足のアラーム発報をし 
処理をスタートさせないようにします。

 

センサーLの動作 

処理供給の前に以下のように 液面高さが
センサーLが液有り検知する液面位置のぎりぎり上
液面位置の液量でも処理がスタートします。

センサーLで液有になっている
ということは
一回の処理に必要な液量は確保しているからです。

f:id:tsurf:20210727100729p:plain

従って、今回の処理の途中で液が失くなり
センサーL以下まで液面が低下 『液量なし』
になったとします。

その場合でも、事前に一回の処理に必要な液量は、
確認済なので処理に影響ありません。

 

 従って処理の途中で、
液量不足アラームは発報しません。

f:id:tsurf:20210727090956p:plain

 

いつ アラーム発報するかと言うと

処理が終了し 次の処理前に 
液量不足アラームを発報します。

f:id:tsurf:20210727091028p:plain


 断線検知を考慮した
センサーLの接点は?

このセンサーLは、
処理前に一回の処理に必要な液量が有ることを確認します。

 

ですので
液を検知した場合信号ONとなるA接点にします。

そして PLCで 以下のように認識させます。

  • 信号ON正常
  • 信号OFF異常

 

これにより、
通い供給タンクを満タンにして設置した場合
センサー正常とセンサー断線で以下のようになります 。

センサーが正常 検知有信号ON=液有り正常
となり通常通り処理開始
センサーが断線 信号OFF=異常
となりアラーム発報

 

このことから 信号OFFの場合
断線の疑いを認識できます

 

 

⑥通い廃液タンクの液面検知とA接点/B接点

センサーHH(HIGH HIGH)

HIGH HIGH検知センサーは、このラインまで来たら
タンクから液が溢れる危険性があるので
タンクから液があふれる手前くらいに設置します

f:id:tsurf:20210727100853p:plain

このセンサーが検知するまで液面が
上昇した場合、これ以上廃液タンクに廃液
させないように処理を強制停止します。

 

断線検知を考慮した
センサーHH接点は?

このセンサーHHと
そこまで液がないことの確認です

 

ですので
液を検知した場合信号OFFとなるB接点にします。

そして、PLCで以下のように認識させます。

  • 信号ON正常
  • 信号OFF異常

 

これにより 
センサーHが検知していない状態で
センサー正常とセンサー断線で以下のようになります 。

センサーが正常 検知無信号ON=液無し正常
となり通常通り処理開始
センサーが断線 信号OFF=異常
となりアラーム発報

 

このことから 信号OFFの場合
断線の疑いを認識できます

 

 

⑦通い廃液タンクの液面検知とA接点/B接点

センサーH(HIGH)概要

HIGH検知センサーは
一回の処理分の廃液を受けても
HIGH HIGH検知センサー(強制停止)
に検知しない位置に設置します。

 

f:id:tsurf:20210727095756p:plain

 

このセンサーHは、処理が始まる前に 
センサーHが液面検知する位置に
廃液がないことを確認します。

 

なぜなら 処理前に、このセンサーH以上に
液量がある場合、次の処理中にセンサーHHまで
液面が到達し処理を強制停止してしまう可能性が
あるからです。

 

すると
その処理中に処理されていたワークは
処理未未完品=不良品として
排気処分になります。

 

ですので、

―処理が始まる前に、―
このセンサーHより液面が上の場合に限り、
満水可能性有りのアラームを発報し 
処理をスタートさせないようにします。

 

センサーHの動作

処理の前に以下のように 液面高さが
センサーHが液無し検知する液面位置のぎりぎり下
の液面位置でも処理がスタートします。

 

なぜなら このセンサーHで 一回の処理なら 
センサーHHまで到達し、
強制停止させない液量であることを確認しているからです。

 f:id:tsurf:20210727100853p:plain

 

従って、今回の処理の途中で液が増水し
センサーH以上まで液面が上昇し、
液量有りになった場合でも
事前に一回の処理分の廃液ならセンサーHHに
到達しない液量は確認済なので、処理に影響ありません。

 

 従って処理の途中で 液面上昇アラームは発報しません

f:id:tsurf:20210727101333p:plain

いつ アラーム発報するかと言うと

処理が終了し 次の処理前に 
液面上昇アラームを発報します。

 

f:id:tsurf:20210727101808p:plain

 

断線検知を考慮した
センサーHの接点は?

このセンサーHHと センサーHは 
そこまで液がないことの確認です

 

ですので
液を検知した場合信号OFFとなるB接点にします。

そして、PLCで以下のように認識させます。

  • 信号ON正常
  • 信号OFF異常

 

これにより 
センサーHHが液面を検知していない状態で
センサー正常とセンサー断線で以下のようになります 。

センサーが正常 検知無信号ON=液無し正常
となり通常通り処理開始
センサーが断線 信号OFF=異常
となりアラーム発報

 

このことから 信号OFFの場合
断線の疑いを認識できます

 

 

⑦まとめ

  • 近接センサーや静電容量センサーは、
    A接/B設を後から変更できない
  • 断線検知を考慮した場合
    液面有り確認など、有ることの確認はA接
    液面上昇検知など、無いことの確認はB設

 

本記事は以上です。
最後までお読み頂きありがとうございます。

 

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