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機械設計歴20年以上T.surfと言います。
今回は以下に関する記事です。
静電容量センサーによる
タンク液面検知とA接/B接の例
⇩本記事は以下の方にオススメです⇩
静電容量センサーなどの
液面検知における
A接やB接って?
⇩本記事を読むと以下が わかります⇩
通いタンクを例に
解説します。
- ①A接点/B接点とは?
- ②静電容量センサー概要
- ③通いタンクの概要
- ④通い供給タンクと通い廃液タンク
- ⑤通い供給タンクの液面検知とA接点/B接点
- ⑥通い廃液タンクの液面検知とA接点/B接点
- ⑦通い廃液タンクの液面検知とA接点/B接点
- ⑦まとめ
①A接点/B接点とは?
近接センサーや静電容量センサーにおける
A接点/B設定について
以下の記事を御参照お願いします。
②静電容量センサー概要
物体とセンサーの間の静電容量の変化を
検知するセンサーです。
特徴としては、タンクの材質が金属製以外であれば
不透明タンクの中の液面を以下のように検知できます。
③通いタンクの概要
まず前提として 不透明タンクでも
タンクを外さないのであれば
以下のような構造にして、ファイバーセンサーを
使えます。
しかし 透明でない色付きタンクで
作業者がタンクを取り外して液の供給や廃液を行う場合
(以後 通いタンク)
上記の構造にしてしまうと
人が液の供給や廃液のためにタンクを外すのですが
その際に、センサーも外さなくてはいけません。
このような場合、静電容量センサーを用います
静電容量センサーは
非接触で液面を検知でき 以下の図のようになります。
これであれば、作業者が取り外して使える
通いタンクは成り立ちますね。
ただし、
静電容量センサーで液面検知するには条件があり
タンク材質は 金属はNGです
④通い供給タンクと通い廃液タンク
今回 A接点 B接点を解説するにあたり
通い供給タンクと 通い廃液タンクを
簡単に解説します。
ある装置の ある処理にて
特殊な液体が必要でタンクを必要とし、
以下を想定します。
では、次の章で
- 通い供給タンク
- 通い廃液タンク
の各液量を静電容量センサーで監視する場合の
A接点/B接点を見ていきましょう。
⑤通い供給タンクの液面検知とA接点/B接点
センサーL(low)概要
LOW検知センサーとして
一回の処理に必要な液量を検知できる位置に
設置します。
このセンサーLは
処理が始まる前に一回の処理に最低限
必要な液量があるかを確認します。
―処理が始まる前―
このセンサーLより液面が下の場合に限り、
液量不足のアラーム発報をし
処理をスタートさせないようにします。
センサーLの動作
処理供給の前に以下のように 液面高さが
センサーLが液有り検知する液面位置のぎりぎり上の
液面位置の液量でも処理がスタートします。
センサーLで液有になっている
ということは
一回の処理に必要な液量は確保しているからです。
従って、今回の処理の途中で液が失くなり
センサーL以下まで液面が低下 『液量なし』
になったとします。
その場合でも、事前に一回の処理に必要な液量は、
確認済なので処理に影響ありません。
従って処理の途中で、
液量不足アラームは発報しません。
いつ アラーム発報するかと言うと
処理が終了し 次の処理前に
液量不足アラームを発報します。
断線検知を考慮した
センサーLの接点は?
このセンサーLは、
処理前に一回の処理に必要な液量が有ることを確認します。
ですので
液を検知した場合信号ONとなるA接点にします。
そして PLCで 以下のように認識させます。
- 信号ON正常
- 信号OFF異常
これにより、
通い供給タンクを満タンにして設置した場合
センサー正常とセンサー断線で以下のようになります 。
センサーが正常 | ➡ | 検知有信号ON=液有り正常 となり通常通り処理開始 |
センサーが断線 | ➡ | 信号OFF=異常 となりアラーム発報 |
このことから 信号OFFの場合
断線の疑いを認識できます
⑥通い廃液タンクの液面検知とA接点/B接点
センサーHH(HIGH HIGH)
HIGH HIGH検知センサーは、このラインまで来たら
タンクから液が溢れる危険性があるので
タンクから液があふれる手前くらいに設置します
このセンサーが検知するまで液面が
上昇した場合、これ以上廃液タンクに廃液
させないように処理を強制停止します。
断線検知を考慮した
センサーHH接点は?
このセンサーHHと
そこまで液がないことの確認です
ですので
液を検知した場合信号OFFとなるB接点にします。
そして、PLCで以下のように認識させます。
- 信号ON正常
- 信号OFF異常
これにより
センサーHが検知していない状態で
センサー正常とセンサー断線で以下のようになります 。
センサーが正常 | ➡ | 検知無信号ON=液無し正常 となり通常通り処理開始 |
センサーが断線 | ➡ | 信号OFF=異常 となりアラーム発報 |
このことから 信号OFFの場合
断線の疑いを認識できます
⑦通い廃液タンクの液面検知とA接点/B接点
センサーH(HIGH)概要
HIGH検知センサーは
一回の処理分の廃液を受けても
HIGH HIGH検知センサー(強制停止)
に検知しない位置に設置します。
このセンサーHは、処理が始まる前に
センサーHが液面検知する位置に
廃液がないことを確認します。
なぜなら 処理前に、このセンサーH以上に
液量がある場合、次の処理中にセンサーHHまで
液面が到達し処理を強制停止してしまう可能性が
あるからです。
すると
その処理中に処理されていたワークは
処理未未完品=不良品として
排気処分になります。
ですので、
―処理が始まる前に、―
このセンサーHより液面が上の場合に限り、
満水可能性有りのアラームを発報し
処理をスタートさせないようにします。
センサーHの動作
処理の前に以下のように 液面高さが
センサーHが液無し検知する液面位置のぎりぎり下
の液面位置でも処理がスタートします。
なぜなら このセンサーHで 一回の処理なら
センサーHHまで到達し、
強制停止させない液量であることを確認しているからです。
従って、今回の処理の途中で液が増水し
センサーH以上まで液面が上昇し、
液量有りになった場合でも
事前に一回の処理分の廃液ならセンサーHHに
到達しない液量は確認済なので、処理に影響ありません。
従って処理の途中で 液面上昇アラームは発報しません
いつ アラーム発報するかと言うと
処理が終了し 次の処理前に
液面上昇アラームを発報します。
断線検知を考慮した
センサーHの接点は?
このセンサーHHと センサーHは
そこまで液がないことの確認です
ですので
液を検知した場合信号OFFとなるB接点にします。
そして、PLCで以下のように認識させます。
- 信号ON正常
- 信号OFF異常
これにより
センサーHHが液面を検知していない状態で
センサー正常とセンサー断線で以下のようになります 。
センサーが正常 | ➡ | 検知無信号ON=液無し正常 となり通常通り処理開始 |
センサーが断線 | ➡ | 信号OFF=異常 となりアラーム発報 |
このことから 信号OFFの場合
断線の疑いを認識できます
⑦まとめ
- 近接センサーや静電容量センサーは、
A接/B設を後から変更できない
- 断線検知を考慮した場合
液面有り確認など、有ることの確認はA接
液面上昇検知など、無いことの確認はB設
本記事は以上です。
最後までお読み頂きありがとうございます。