tsurfの機械設計研究室

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ファイバーセンサーによるタンク液面検知のライトON/ダークONの例

本ブログの御訪問ありがとうございます。
機械設計歴20年以上T.surfと言います。

今回は以下に関する記事です。

 

ファイバーセンサーによる
タンク液面検知の
ライトON/ダークONの例

  

⇩本記事は以下の方にオススメです⇩

機械設計初心者

ファイバーセンサーなどの
液面検知における
ライトON/ダークONって?

 

⇩本記事を読むと以下が わかります⇩

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管理人T.surf

ヒーター付きタンクを
例に解説します。

 

光電センサーやファイバーセンサーに
ついては、
以下の記事を御参照願います。

 

光電センサーやファイバセンサーにおける
検出方式については、
以下の記事を御参照お願いします。

 

 

①光電センサーのライトON/ダークON

光電センサーやファイバセンサーにおける
ライトON/ダークONの設定について
以下の記事を御参照お願いします。

 

 

②薬液昇温供給タンクの概要

システム

工場から薬液をタンク内に供給します。
一旦タンクに貯める理由はヒーターで昇温するためです。

規定温度に昇温された薬液は、
マグネットポンプによって処理ステージ(プロセス供給)
として、送液されます。

 

そして、液面がセンサーLを下回った時に
工場から薬液をタイマーで供給します。

安全スイッチとして、万が一センサーHHまで
液が到達したら、供給停止とアラーム発報と
電磁弁Bが開き廃液します。

 

エアバルブA 工場よりタンクに液を
供給ON/OFF
ヒーター 液を昇温する
エアバルブB タンク内液廃液ON/OFF
エアバルブC プロセス(処理)ステージに
供給ON/OFF
透明パイプ 透明パイプをタンクに接続します。 
配管内液面高さはタンクと
同じになるので
そこにセンサーを配置していきます。

 

液面検知のセンサーについて

パイプに以下のように取り付ける
反射型液面センサーがあります。

 

液面検知の原理ですが、以下となります。

液無し   液有り
 
この状態の時で
信号ONする設定は
ライトON
  この状態の時で
信号ONする設定は
ダークON

透過型の液面センサーもありますが
原理によって 検知に違いがありますので割愛します。

 

 

③上記タンクシステムの厳守点

ヒーター発熱部は常に浸水

ヒーターには発熱部があり、
発熱部は空焚き禁止です。

ヒーター発熱部は、
常に液浸していなくてはなりません。

 

マグネットポンプは空運転禁止

マグネットポンプは液無し状態で
動作させてはダメです。

熱の関係で動作中は常に液移送していなくては
なりません。

 

つまり・・・

今回の場合 マグネットポンプは
ヒーターの下にあります。

ヒーターの発熱部さえ液浸していれば
マグネットポンプも薬液があるということです。

 

つまりヒーターの発熱部が
液浸されていることが

運用の絶対条件となります。

 

 

④センサーLLについて

センサーLLの
役割と動作例 設置位置、

センサーLLの役割は

  • ヒーター保護
  • マグネットポンプ保護

上記です。

 

ただし上述のように、ヒーター保護さえ
できていれば、マグネットポンプも保護されて
いることになるので、

ヒーター保護がメインです。

 

従って、センサーLLは以下のように設置します。


ヒーター発熱部が薬液に完全に浸かり
かつ、安全をみて 10~20mm程度上くらいです。

 

センサーLLの動作例としては
センサーLLで液面を下回ると
ヒーター保護のために緊急停止となります。

 

ただし、センサーLLより液面が上でというだけでは、
ヒーターが保護されているというだけで運転とはなりません。

運転が開始されるには後述する
センサーLが検知していることが条件です。

 

断線検知を考慮した
センサーLLの設定

このセンサーLLは、ヒーター保護のために
そこに液がありることを確認します。

 

ですので
液を検知した場合=反射型の場合 遮光状態
で信号ONとなるようにします。

つまり、
反射型の液有り時信号ON
は、
ダークONです。

 

そして PLCで 以下のように認識させます。

  • 信号ON正常
  • 信号OFF異常

 

これにより、
センサーLL検知の場合
センサー正常とセンサー断線で以下のようになります 。

センサーが正常

信号ON=液有り正常
ただし、1回のプロセスに必要な
液量の保証はできていません。

センサーが断線 信号OFF=断線
となりアラーム発報

このことから 信号OFFの場合
断線の疑いを認識できます

 

 

⑤センサーLについて

センサーL概要

L検知センサーとして
一回の処理に必要な液量を検知できる位置に
設置します。

このセンサーLは
処理が始まる前に一回の処理に最低限 
必要な液量があるかを確認します。

ただし、必要な液量は
センサーLLからセンサーLまでの
間液量となります。

センサーLLは、決して下回らないようにします。

 

処理が始まる前 かつ 
このセンサーLより液面が下の場合に限り、
液量不足のアラーム発報をし 
処理をスタートさせないようにします。

 

センサーLの動作 

プロセス供給の前に以下のように 液面高さが
センサーLが液有検知する液面位置のぎりぎり上
の液面位置の液量でも処理がスタートします。

センサーLで液有になっている
ということは
一回の処理に必要な液量は確保しているからです。

 

従って、今回の処理の途中で液が失くなり
センサーL以下まで液面が低下 『液量なし』
になったとします。

その場合でも、事前に一回の処理に必要な液量は、
確認済なので処理に影響ありません。

 従って処理の途中で、
液量不足アラームは発報しません。

いつ アラーム発報するかと言うと

処理が終了し 次の処理前に 
液量不足アラームを発報します。

 断線検知を考慮した
センサーLの接点は?

このセンサーLは、
処理前に一回の処理に必要な液量が有ることを確認します。

ですので
液を検知した場合=反射型の場合 遮光状態
で信号ONとなるようにします。

つまり、
反射型の液有り時信号ON
は、
ダークONです。

 

そして PLCで 以下のように認識させます。

  • 信号ON正常
  • 信号OFF異常

 

これにより、
センサーLL検知の場合
センサー正常とセンサー断線で以下のようになります 。

センサーが正常

信号ON=液有り正常
運転開始

センサーが断線 信号OFF=断線
となりアラーム発報

このことから 信号OFFの場合
断線の疑いを認識できます

 

⑥センサーHHについて

センサー

HH検知センサーは、このラインまで来たら
タンクから液が溢れる危険性があるので
タンクから液があふれる手前くらいに設置します

つまり、今回の例では
工場から常温薬液が供給されすぎた場合に

センサーHHで液面を上回ると

  • 工場からの薬液供給停止
  • 電磁弁Bを開き廃液開始

となります。

 

断線検知を考慮した
センサーHH接点は?

このセンサーHHと
そこまで液がないことの確認です

ですので
液を検知した場合=反射型の場合 遮光状態
で信号ONとなるようにします。

つまり、
反射型の液無し時信号ON
は、
ライトONです。

 

そして、PLCで以下のように認識させます。

  • 信号ON正常
  • 信号OFF異常

 

これにより、
センサーHH検知の場合
センサー正常とセンサー断線で以下のようになります 。

センサーが正常 信号ON=液無し正常
運転開始
センサーが断線 信号OFF=液あり
となりアラーム発報

このことから 信号OFFの場合
断線の疑いを認識できます。

 

 

⑦まとめ

  • ヒーター付きの供給タンクは機器の保護が必要
  • ヒーターの発熱部を液浸することにより保護
  • マグネットポンプも液有で運転することにより保護
  • 従ってセンサーは液があることを確認
  • そのためにセンサーを液有り信号ONの設定しておく
  • こうすれば、センサー断線時にアラームとして処理される
  • 満水センサーに関しては、液がないことの確認
  • そのためにセンサーを液無し信号ONの設定しておく
  • こうすれば、センサー断線時にアラームとして処理される

 

本記事は以上です。
最後までお読み頂きありがとうございます。

 

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