tsurfの機械設計研究室

サーボモーターやエアシリンダの選定計算なども扱っている技術ブログです

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液体を扱う装置設計の基礎解説(槽やタンク)

本ブログの御訪問ありがとうございます。
機械設計歴20年以上のT.surfと言います。

 

今回は以下に関する記事です。
液体を扱う
装置設計の基礎解説

 

管理人T.Surf

装置設計において
液体を扱う場合が
あります。
今回は基礎部分を
解説します。

 

今回の記事で挙げるシステムは、あくまで一例であり
業界や装置の種類、会社の考えによって相違があります。

 

 

①結論

装置で液体を扱う場合
槽とタンクを搭載するケースが一般的です。

槽の液体が無くなったら自動でタンクから補充
という流れとなります。

わざわざタンクを搭載する理由は

槽だけだと 槽の液が無くなった場合
わざわざ装置を停止して補充しなくてなりません。

 

ですが、タンクがあることによって

  • 槽の液体が無くなっただけなら
    装置運転状態のまま
    タンクから補充すればいいのです。
  • そしてタンクの液体が無くなった場合
    装置運転状態のまま
    補充可能です

 

つまり、タンクへの補充さえ気を付ければ
サイクル停止にせずに済みます。

 

 

②自動供給システム

液がなくなった場合、自動供給すると言いました。
それを可能にするのが

  • 液圧送システム
  • 自動弁

となります。


液圧送システム
については
ポンプやN2圧送となります。

例として示した図ではポンプですね。
以下の記事を御参照願います。

 

自動弁はポンプで送られてくる液を
流したり/止めたりを自動で行う役割があります。

電磁弁やエアオペレートバルブなどが
ありますが、特に液を扱う場合
エアオペレートバルブが好ましいです。

 

なぜなら

  • 基本的に液に対して適性が高い
  • エアオペレートバルブ自体が丈夫
  • 結果的に省電力となる

と3拍子揃った利点を兼ね備えています。

 

 

③オーバフロー

槽やタンクの設計の際に気をつけることは
基本的には、自動供給の場合 
必ずオーバーフロー回路をつけましょう。


図の例では

  • 槽にはオーバーフロー回路が付いています。
  • タンクにはオーバーフローがついていません。

理由は、今回の例では
槽へはタンクから液を自動供給しますが
タンク自体は作業者が行います。

 

今回のタンクの場合のように
★作業者が直接 液の補充を行う分には―
基本的にオーバーフローは必要ありません。

理由ですが
人が あえてタンクから溢れ指すような
液の入れ方をするとは考えにくいからです。

 

ですが、槽は自動供給です。
★自動供給によって液を補充する場合は
オーバーフロー回路をつけます。

 

理由ですが、何らかの異常により
供給が止まらなくなった場合
自動排出させるためです。

当然 センサーや制御で槽から溢れないように
するのですが、

もし何らかの異常により
供給が止まらなくなった場合が想定されます。

 

そして、
オーバーフローは必ず
排出バルブの後につけます。

 

⇩オーバーフローのNG例⇩

このバルブは通常閉じています。
閉じた状態では自動排出ができなくなって
しまいます。

 

 

④レベルセンサーの概要

槽の液量を液面の高さによってみています。
図のように透明の配管をくみます。

この透明配管の液面とタンクの液面は等しくなるので
センサーを設置します。

 

レベルセンサーはファイバーセンサーがメインです。
役割に応じてライトオンとダークオンを
うまく使い分けましょう。

 

ファイバーセンサーのライトON/ダークONについては
以下となります。

液面検知用のレベルセンサーについては、以下の
記事を御参照ねがいます。

 

 

⑤槽のセンサー

概要

槽のセンサーについては、以下のように
槽に透明配管を組んでセンサーを設置します。


槽のセンサーLL

槽の液面がセンサーLLまで液面が低下した場合
サイクル停止となります。

ワークを処理できる液量を確保できないからです。
図でも ワークが全部浸水できる限界に対して
多少余裕のある位置に設置してありますよね。

ですが、
通常はLLまで液面が下がることは稀となります。

なぜなら、
事項で紹介するLセンサーがあるためです。

 

このセンサーは、
そこに液面があることを確認するため 
液有りONとなります。

 

槽のセンサーL

槽の液面がセンサーLまで液面が下がると
液圧送システムからの液補充を
促します。

 

タンクの液が充分であるならば
タンクから液が槽に補充されます。

センサーLを検知しただけでは
サイクル停止となりません。

 

なぜならば、図でもわかるとおり
LLまで数回処理できる液量を確保
しているためです。

 

このセンサーは、
そこに液面があることを確認するため 
液有りONとなります。

 

槽のセンサーHH

槽の液面がセンサーHHまで液面が上昇した場合
槽から液が溢れる可能性があります。
なので、サイクル停止となります。

 

とは言っても 

  • オーバーフロー回路があること
  • オーバーフローの手前にHHセンサーがあること

以上の理由から、HHセンサーより液面が
上昇し槽から液が溢れそうになっても
オーバーフローから液が排出されるのですが、

オーバーフロー回路に液を捨てることがないように
することに越したことはありません。

 

ですが、
通常はHHまで液面が上昇することは稀となります。

なぜなら、
事項で紹介するHセンサーがあるためです。

 

このセンサーは、
そこに液面が無いことを確認するため 
液無しONとなります。

 

槽のセンサーH

槽の液面がセンサーHまで液面が上昇した場合
槽から液が溢れる可能性があります。
なので、アラーム発砲となります。

 

この時点では、(運用にもよりますが)
センサーHHまで到達していないので
作業者により なるべく、サイクル停止をせずに
対処できれることが望まれます。

 

このセンサーは、
そこに液面が無いことを確認するため 
液無しONとなります。

 

槽のセンサーM

このセンサーは、
センサーLまで液面が低下した時に
タンクから液を補充するのですが

その際に、センサーMまで液面が上昇したら
供給を止めます。
(供給バルブの自動弁を閉じる)

このセンサーは、
そこに液面が来たこと(あること)を確認するため 
液有りONとなります。

 

 

⑥タンクのセンサー

概要

タンクのセンサーについては、以下のように
槽に透明配管を組んでセンサーを設置します。

 

タンクのセンサーLL

タンクの液面がセンサーLLまで液面が低下した場合
サイクル停止となります。

槽から液補充の信号が来ても
必要量の液供給ができない可能性があるからです。

ですが、
通常はLLまで液面が下がることは稀となります。

なぜなら、
事項で紹介するLセンサーがあるためです。

 

このセンサーは、
そこに液面があることを確認するため 
液有りONとなります。

 

タンクのセンサーL

タンクの液面がセンサーLまで液面が低下した場合
アラーム発砲となり
作業者に液補充を促します。

 

このタンクは槽への液補充の役割があるのですが
液補充の役割ができなくなるセンサーLLまで
液面が低下する危険性があります。

 

ですので、
槽のセンサーLLからMまでの液量+α分の液量
つまり、一回分の液補充量を確保されています。

このセンサーは、
そこに液面があることを確認するため 
液有りONとなります。

 

その他のセンサーは?

このタンクは作業者が直接補充する想定ですので
センサーM、H、HHは必要ありません。

作業者が見れば、液が溢れる必要もないし
充分な補充量も見ればわかります。

 

 

⑦注意点

今回の記事で挙げたシステムは、あくまで一例であり
業界や装置の種類、会社の考えによって相違があります。

 

ですが根本的なところでは

  • なるべくサイクル停止しない配慮
  • 自動で供給、廃液する配慮
  • それらが安全に運用されているように
    監視するシステム
  • 機械的に安全を確保するシステム

上記が必要になってきます。

 

 

本記事は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございます。

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