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機械設計歴20年以上のtsurfと言います
今回は以下に関する記事です
機械設計に使う 光電センサーやファイバーセンサー概要(捕捉説明 ライトON ダークON)
本記事を読むと⇩以下⇩がわかります
今回は
機械設計初心者の方に向けて 光を使ったセンサーの概要を解説します
詳細は別記事で解説します
注意点としては 記事のボリュームの関係から以下のみを解説します
●光電センサーとファイバーセンサーの違いを解説します
透過型や反射型などの派生分岐がありますが 別記事にて解説します
●信号出力方式であるダークON ライトONについても解説し
設定の使い分けを解説します
目次
- ①結論 光を使ったセンサーの基礎的な使い分け
- ②光を使ったセンサー概要
- ③アンプ内蔵型光電センサー
- ④アンプ分離型光電センサー
- ⑤ファイバーセンサー
- ⑥光を使ったセンサーのライトオン ダークオン概要
- ⑦ライトON ダークON使い分け
- ⑧まとめ
①結論 光を使ったセンサーの基礎的な使い分け
『👉光を使ったセンサー 主な種類』
●光電センサー(アンプ内蔵型)
●光電センサー(アンプ分離型)
●ファイバーセンサー
『👉一番最初に検討すべきセンサー』
一番最初に検討すべきは アンプ内蔵型光電センサーです
理由は 値段が一番安いからです
しかし センサーの設置場所は 駆動機構などが入り組んでいる場合があるため
アンプ内蔵型光電センサーでは 以下のデメリットもあります
●センサーヘッドの大きさが そこそこある
⇒スペース的に入らない場合もある
●調整 設定するアンプが内蔵されてしまっている
⇒周囲に機構が入り組んでいる場合 アンプ部にて調整 設定が難しい
『👉設置場所の環境で センサー設置や アンプ調整が難しい場合』
以下を検討となります
●アンプ分離型の光電センサー
●ファイバーセンサー
『👉後述する防爆配慮が必要などの特別な環境下では』
●ファイバーセンサーの検討となります
⇩※参考 防爆とは⇩
爆発の危険のある気体雰囲気中で の機構など
爆発させる要因を 極力 取り除く設計配慮のこと
防爆配慮の例
・静電気の起こる樹脂製品を使用しない
・電気を通るものを なるべく使用しない
・やむを得ず 電気の通る製品を使う場合は 付近を窒素パージする
②光を使ったセンサー概要
『👉概要説明』
検知原理は 光を受光しているか 遮光しているかどうかとなります
以下 透過型センサーを例に上げます
投光側センサーヘッドから 光を投光します
受光側センサーヘッドは 光が投光されているか 遮光されているかを
検知します
受光 遮光の どちらの状態の時に信号出力をするか ですが
詳しくは⑥⑦にて後述しますが 信号出力の方式には以下があります
これは センサーの設定で変更可能です
光を受光しているときに信号ON ⇒ ライトON
光を遮光しているときに信号ON ⇒ ダークON
『👉光を使ってることによるメリット』
●非検知物に対して非接触のため 被検知物の検知構造を簡単にできる
●メカニカルスイッチに比べで 駆動機構がないため小型
『👉光を使ったセンサーの機械的構成』
主に以下で構成されています
投光部・・・・・光の投光を行います
受光部・・・・・光の受光や遮断を検知し 信号を送ります
アンプ部・・・・受光感度やダークON ライトONの設定などを行います
③アンプ内蔵型光電センサー
『👉特徴概要』
センサーヘッドに投光機能と受光機能があり 直接設置します
また
センサーヘッドに調整 設定するアンプも内蔵されています
その分 センサーヘッドが大きくなります
図1 アンプ内蔵型光電センサー
バリエーションとして 透過型や反射型があります
(別記事にて解説)
『👉メリット』
●価格が安い
『👉デメリット』
●設置に少し不利
センサーヘッドに投受光機能及びアンプを内蔵しているため
センサーヘッドにある程度の大きさがあり 設置場所にスペースが必要
また アンプがセンサーヘッドに内蔵されているため
設定 調整の操作がしやすい場所でなくてはいけない
●防爆配慮が必要な箇所や 液中などは不可
センサーヘッドに直に電流が通っているため
④アンプ分離型光電センサー
『👉特徴概要』
センサーヘッドに投光機能と受光機能があり 直接設置します
また
調整 設定するアンプは別置きのものになっており
その分 センサーヘッドがアンプ内蔵型よりは小さくなります
図2 アンプ分離型光電センサー
『👉メリット』
●設置に対しては アンプ内蔵型より有利
センサーヘッドにアンプを内蔵していなため その分小さくなり設置に有利
●調整 設定がしやすい
アンプが別体なので アンプを調整 設定がしやすい位置に設置できる
『👉デメリット』
●アンプ内蔵型より高額
アンプが別体となるためです
●防爆配慮が必要な箇所や 液中などは不可
センサーヘッドに直に電流が通っているため
⑤ファイバーセンサー
『👉概要説明』
本体にアンプ 投光器 受光器を内蔵しており
投光と受光は 本体から行いますが
光ファイバーを接続してファイバー線端末まで光を伝え
そこからの投光 受光となります
そのため 設置に関しては 省スペースでかなり有利です
バリエーションとして 透過型や反射型があります
(別記事にて解説)
図3 ファイバーセンサー
『👉メリット』
●ファイバー線端末のみの設置により省スペース
センサー設置場所には 光ファイバーの端末部を設置することになるため
アンプ分離型の光電センサーよりも省スペースです
●調整の設定がしやすい
あくまで 検知のための投光 受光自体は ファイバー線の端末から行います
そのため
ファイバーにより光を伝えられ投光 受光するアンプ内蔵型の本体は
離れた場所でかつ調整の設定をしやすい場所におけます
●仕様によっては液中や 防爆配慮が必要な箇所にも使用可
光ファイバー線端末を設置するので 通っているのは光であって
電気が通っていないため
『👉デメリット』
●価格が高い
●駆動する箇所には 使用したくない
以下のように設計をすると ケーブルベアの中で ファイバー線が屈曲運動します
すると ファイバー線が折れる可能性があります
図4 ファイバ線を駆動させてしまう設計
●駆動する箇所に使用す場合 工夫が必要
やむを得ず 駆動する場所に使用する際の工夫の例として
アンプも一緒に駆動させると言う方法があります
以下の方法だとファイバーを 屈曲駆動させず
電源や信号線をロボットケーブルなどにして屈曲駆動させることができます
その場合 アンプは親機を使用しなくてはなりません
図5 ファイバ線を駆動させない設計
⑥光を使ったセンサーのライトオン ダークオン概要
信号出力の方法により 以下があります
『👉ライトオン』
受光部に光が入光したら 信号出力がONします
図6 ライトON設定
『👉ダークオン』
受光部への光が遮光されたら 信号出力ONします
図7 ダークON設定
⑦ライトON ダークON使い分け
注意
ここからは 光電センサーや ファイバーセンサーの設定の話になります
基本的に このライトON ダークONの設定は
電気屋さんや制御屋さんが
自社の会社の安全関連の規定や お客様の要求仕様に基づき設定します
機械設計者も知っておいたほうがいいので 一応 紹介します
ただし 会社によって考え方が かなり違います
あくまで一例として参考にしてください
使い分けの例(安全関連センサー)
『👉安全関連のセンサーの場合』
人の手が入ってきた時に装置を緊急停止したい場合
透過型にして ライトオンにします
安全関連のセンサーの場合 人や人の手がないことを確認します
ないことの確認の場合は
ないことが確認できている状態で信号ONにします
『👉理由』
PLCのほうで 以下のようにします
ライトONの受光状態である信号ON状態⇒安全
ライトONの遮光状態である信号OFF状態⇒異常
すると以下の状態で装置が非常停止し アラーム発報します
●人の手で遮光された場合 斜光状態である信号OFF
●センサーの信号線やセンサーの電源線等が断線した場合 信号がoff
『👉安全関連センサーの断線アラームという考え』
確かに この場合ダークONにして
以下のようにすれば 消費電力が少なくて済むように見えます
ダークONの受光状態である信号OFF状態⇒安全
ダークONの遮光状態である信号ON状態⇒異常
しかし 安全関連のセンサーの場合
このダークONでは
電源線や信号線が断線した時にも信号がOFFとなり 安全と判断されてしまいます
このように 各装置メーカーの安全に関する考えは異なりますが
安全関連のセンサーは常に断線した場合に
安全に働くように 配慮することが多いです
使い分けの例(ワーク有り無し検知センサー)
『👉ワーク有り無し検知センサーの場合』
ワークがあることを確認する場合は 透過型の場合 ダークオンにします
(反射型などは 逆になりますが 別記事で解説します)
ワーク有り無し検知センサーの場合 ワークがあることを確認します
あることの確認の場合は
あることが確認できている状態で信号ONにします
『👉理由』
PLCのほうで 以下のようにします
ダークONの遮光状態である信号ON状態⇒ワークあり
ダークONの受光状態である信号OFF状態⇒ワークなし
すると以下の状態で装置がワークがなしの アラーム発報をします
●ワークがないことにより受光された場合 受光状態である信号OFF
●センサーの信号線やセンサーの電源線等が断線した場合 信号がoff
この場合も 断線により 異常が確認できますね
⑧まとめ
●現在は ワーク検知など 光を使ったセンサーが主流
●センサーも使い分けが必要で スペースが許せるのであれば
安価なアンプ内蔵型 光電センサーを検討する
●液中や防爆配慮が必要な場合は ファイバーセンサーを検討する
●安全に関するセンサーは 断線アラームを考慮する場合が多い
⇩光電センサーや ファイバーセンサーの解説記事です⇩
⇩近接センサーや静電容量センサーのA接 B接に関する記事です⇩
本記事は以上です
最後までお読みいただきありがとうございます。