tsurfの機械設計研究室

サーボモーターやエアシリンダの選定計算なども扱っている技術ブログです

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エアシリンダーの種類の基礎 (ロッド付き、ロッドレス、ガイド付き、ガイド無しなど)

本ブログの御訪問ありがとうございます。
機械設計歴20年以上のtsurfと言います。

 

今回は以下に関する記事です。

エアシリンダーの種類の基礎
(ロッド付き、ロッドレス、ガイド付き、ガイド無しなど)

  

⇩本記事は機械設計初心者の方で以下の方にオススメです⇩

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とある
初心者機械設計者

エアシリンダーって
いろいろな種類が
あってわからないよ

 

⇩本記事を読むと以下が わかります⇩

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管理人TSURF

エアシリンダの
基本的なラインアップ(種類)
と、その使い分けが分かります

 

 

①結論

結論として、
どのメーカーも以下を基本のラインナップとしています。

  • ロッド付きシリンダ
  • ガイド付きロッド付きシリンダ
  • ロッドレスシリンダ
  • ガイド付きロッドレスシリンダ

基本的なエアシリンダーの構造と原理については、
以下を御参照ください。

 

 

②ロッド付きシリンダ

解説

以下の図1をご覧ください。

f:id:tsurf:20200731102637p:plain

シリンダの端面から ロッドが出ています。
そのロッドがエアによって駆動します。

 

メリット/デメリット

メリット

  • 構造が単純で低コスト

  • 搬送物の大きさで、
    外部ガイドを自由に設計可能

 

デメリット

 

 

③ロッドレスシリンダ

解説

以下の図2をご覧ください。

f:id:tsurf:20200731104816p:plain

ロッドレスシリンダは、シリンダのボディの上で 
スライドテーブルが動作します。

 

ロッド付きシリンダは、シリンダ端面から
ロッドがでて動作しますので

ロッドが端面から突き出ないので、省スペースと
言えます。

 

メリット/デメリット

メリット

  • 省スペース
    ロッドレスは省スペースということですが
    実際の設計においての省スペースは
    ケースバイケースとなります。
    ロッド付きとロッドレスの使い分けで解説します。

  • ロッド付きエアシリンダーのような
    方向による出力低下がない

  • 搬送物の大きさで、
    外部ガイドを自由に設計可能

 

デメリット

 

 

④ガイド付きシリンダ(ロッド付きシリンダ)

解説

以下の図3をご覧ください。

f:id:tsurf:20200731110206p:plain

ロッド付きシリンダの派生のもので
最初からリニアシャフトタイプのガイドがついています。

 

小型の搬送物の場合の場合、これ1ヶで全てが済むので
非常に便利です。

 

メリット/デメリット

ガイドが付いていない
通常のロッド付きエアシリンダと比較すると・・・

 

メリット

  • 小型の搬送物であれば、ガイドがいらない

  • ロッド付きエアシリンダに、ガイドがついた分
    単価自体は高いが 搬送物が小さい場合ガイドが
    いらない分トータルで安くなる

 

デメリット

  • 大きいモーメントの負荷がかけられない。
    内蔵ガイドのブッシュは、
    エアシリンダー本体と一体型です。
    エアシリンダー本体は、生産性の都合で
    アルミなどを使っており、あまり丈夫では
    ありません。

  • 搬送物の大きさが限られる。

ガイド付きエアシリンダは、
ガイドのピッチが型式(出力径)によって決定されます。
こちらで自由に決定できません。

なので、(重量ではなく)大きい者を搬送しよう
とすると搬送物に対して、ガイドのピッチが小さい
というとになります。

以下のような設計ならいいですが・・・

 

以下のような設計ではどうでしょう。

設計としては、不釣り合いですよね。

 

この場合の解決策は以下の2つあります。

  • 通常のエアシリンダとガイドの組み合わせにする


  • ガイド付きエアシリンダのサイズを大きくする

ガイドのピッチを広げようとすると、出力径が大きいものを
選定せざるをえません。

しかし、出力径が大きいもので済むのであれば
そちらのほうが安い場合もあるので、それも選択肢の一つです。

 

 

⑤ガイド付きシリンダ(ロッドレスシリンダ)

以下の図4をご覧ください。

 f:id:tsurf:20200731111228p:plain

ロッドレスシリンダの派生のもので
最初からリLMガイドがついています。

小型の搬送物の場合の場合、
これ1ヶで全てが済むので非常に便利です。

 

この内蔵のLMガイドは、
ガイドメーカーからの購入品を使用
しているタイプ
が多いです。

 

メリット/デメリット

ガイドが付いていない
通常のロッドレスエアシリンダと比較すると・・・

 

メリット

  • 小型の搬送物であれば、ガイドがいらない

  • ロッド付きエアシリンダに、ガイドがついた分
    単価自体は高いが 搬送物が小さい場合ガイドが
    いらない分トータルで安くなる

 

デメリット

  • 大きいモーメントの負荷がかけられない。
    確かにガイド自体はメーカーのものなので丈夫ですが、
    結局スライダーなどの強度や
    ガイドのベースがエアシリンダのボディなので
    それほど、大きなモーメントが掛けられません。

  • 搬送物の大きさが限られる。

 

 

⑥ロッド付シリンダとロッドレスシリンダの使い分け

ロッド付きシリンダとロッドレスシリンダを使った
搬送機構を例に挙げて説明します。

  • 図5はロッド付きシリンダを使用した搬送機構の例
  • 図6はロッド付きシリンダを使用した搬送機構の例

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こうして比較してみますと、

ロッド付きシリンダは寸法B部が大きくなってしまいますが
設計やワークによっては寸法Aが、狭くできます。

 

しかし、
ロッドレスシリンダでも、寸法Bは短くなりますが
設計やワークによっては、寸法A部が広くなって
しまうこともあります。

 

ですので 使い分けとしては 以下となります

寸法B部に余裕がある

値段の安い
ロッド付きシリンダー

寸法B余裕がないが

寸法Aにある
程度の余裕がある

値段は高いが
ロッドレスシリンダー

 

 

⑦まとめ

エアシリンダの使い分けですが
おおまかに分けると、以下となります。

  • ロッド付きシリンダ
  • ガイド付きロッド付きシリンダ
  • ロッドレスシリンダ
  • ガイド付きロッドレスシリンダ
  • ロッド付きシリンダーとロッドレスシリンダーは
    設置状況により 使い分けます
  • ガイド付きシリンダーはワークの大きさによって
    選定すれば、省スペース 低コストとなります

 

本記事は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございます。

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