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機械設計歴20年以上のtsurfと言います。
今回は以下に関する記事です。
エアシリンダーの種類の基礎
(ロッド付き、ロッドレス、ガイド付き、ガイド無しなど)
⇩本記事は機械設計初心者の方で以下の方にオススメです⇩
エアシリンダーって
いろいろな種類が
あってわからないよ
⇩本記事を読むと以下が わかります⇩
エアシリンダの
基本的なラインアップ(種類)
と、その使い分けが分かります
①結論
結論として、
どのメーカーも以下を基本のラインナップとしています。
- ロッド付きシリンダ
- ガイド付きロッド付きシリンダ
- ロッドレスシリンダ
- ガイド付きロッドレスシリンダ
基本的なエアシリンダーの構造と原理については、
以下を御参照ください。
②ロッド付きシリンダ
解説
以下の図1をご覧ください。
シリンダの端面から ロッドが出ています。
そのロッドがエアによって駆動します。
メリット/デメリット
メリット
- 構造が単純で低コスト
- 搬送物の大きさで、
外部ガイドを自由に設計可能
デメリット
- 構造上引っ込む方向時に出力が低下します。
先述のの記事を御参照ください。
- フローティング機構と外部ガイドが必要です。
以下の記事を御参照ください。
③ロッドレスシリンダ
解説
以下の図2をご覧ください。
ロッドレスシリンダは、シリンダのボディの上で
スライドテーブルが動作します。
ロッド付きシリンダは、シリンダ端面から
ロッドがでて動作しますので
ロッドが端面から突き出ないので、省スペースと
言えます。
メリット/デメリット
メリット
- 省スペース
ロッドレスは省スペースということですが
実際の設計においての省スペースは
ケースバイケースとなります。
ロッド付きとロッドレスの使い分けで解説します。 - ロッド付きエアシリンダーのような
方向による出力低下がない - 搬送物の大きさで、
外部ガイドを自由に設計可能
デメリット
- 内部の摺動抵抗が大きくなるので、
選定計算時注意です。 - フローティング機構と外部ガイドが必要です。
先述の記事を御参照ください。
④ガイド付きシリンダ(ロッド付きシリンダ)
解説
以下の図3をご覧ください。
ロッド付きシリンダの派生のもので
最初からリニアシャフトタイプのガイドがついています。
小型の搬送物の場合の場合、これ1ヶで全てが済むので
非常に便利です。
メリット/デメリット
ガイドが付いていない
通常のロッド付きエアシリンダと比較すると・・・
メリット
- 小型の搬送物であれば、ガイドがいらない
- ロッド付きエアシリンダに、ガイドがついた分
単価自体は高いが 搬送物が小さい場合ガイドが
いらない分トータルで安くなる
デメリット
- 大きいモーメントの負荷がかけられない。
内蔵ガイドのブッシュは、
エアシリンダー本体と一体型です。
エアシリンダー本体は、生産性の都合で
アルミなどを使っており、あまり丈夫では
ありません。 - 搬送物の大きさが限られる。
ガイド付きエアシリンダは、
ガイドのピッチが型式(出力径)によって決定されます。
こちらで自由に決定できません。
なので、(重量ではなく)大きい者を搬送しよう
とすると搬送物に対して、ガイドのピッチが小さい
というとになります。
以下のような設計ならいいですが・・・
以下のような設計ではどうでしょう。
設計としては、不釣り合いですよね。
この場合の解決策は以下の2つあります。
- 通常のエアシリンダとガイドの組み合わせにする
- ガイド付きエアシリンダのサイズを大きくする
ガイドのピッチを広げようとすると、出力径が大きいものを
選定せざるをえません。
しかし、出力径が大きいもので済むのであれば
そちらのほうが安い場合もあるので、それも選択肢の一つです。
⑤ガイド付きシリンダ(ロッドレスシリンダ)
以下の図4をご覧ください。
ロッドレスシリンダの派生のもので
最初からリLMガイドがついています。
小型の搬送物の場合の場合、
これ1ヶで全てが済むので非常に便利です。
この内蔵のLMガイドは、
ガイドメーカーからの購入品を使用
しているタイプが多いです。
メリット/デメリット
ガイドが付いていない
通常のロッドレスエアシリンダと比較すると・・・
メリット
- 小型の搬送物であれば、ガイドがいらない
- ロッド付きエアシリンダに、ガイドがついた分
単価自体は高いが 搬送物が小さい場合ガイドが
いらない分トータルで安くなる
デメリット
- 大きいモーメントの負荷がかけられない。
確かにガイド自体はメーカーのものなので丈夫ですが、
結局スライダーなどの強度や
ガイドのベースがエアシリンダのボディなので
それほど、大きなモーメントが掛けられません。 - 搬送物の大きさが限られる。
⑥ロッド付シリンダとロッドレスシリンダの使い分け
ロッド付きシリンダとロッドレスシリンダを使った
搬送機構を例に挙げて説明します。
- 図5はロッド付きシリンダを使用した搬送機構の例
- 図6はロッド付きシリンダを使用した搬送機構の例
こうして比較してみますと、
ロッド付きシリンダは寸法B部が大きくなってしまいますが
設計やワークによっては寸法Aが、狭くできます。
しかし、
ロッドレスシリンダでも、寸法Bは短くなりますが
設計やワークによっては、寸法A部が広くなって
しまうこともあります。
ですので 使い分けとしては 以下となります
寸法B部に余裕がある |
値段の安い |
---|---|
寸法B余裕がないが 寸法Aにある |
値段は高いが |
⑦まとめ
エアシリンダの使い分けですが
おおまかに分けると、以下となります。
- ロッド付きシリンダ
- ガイド付きロッド付きシリンダ
- ロッドレスシリンダ
- ガイド付きロッドレスシリンダ
- ロッド付きシリンダーとロッドレスシリンダーは
設置状況により 使い分けます - ガイド付きシリンダーはワークの大きさによって
選定すれば、省スペース 低コストとなります
本記事は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございます。