本ブログの御訪問ありがとうございます
機械設計歴20年以上のtsurfと言います
今回は以下に関する記事です
ボールネジを使ったモーターによる直動機構の仕組み
⇩本記事は機械設計初心者の方で以下の方にオススメです⇩

初心者機械設計者
なんでモーターとボールネジ
の組み合わせで直動するんだろう
⇩本記事を読むと以下が わかります⇩
以下を なるべく
わかりやすく説明します
- ボールネジを使うと なぜモーターで直動運動するのか?
- 同じ直動運動するエアシリンダーと何が違うのか?
- モーターで直動させるための部品の概要
①結論
⇩ボールネジ機構の例です⇩
原理としては 単純で以下となります
右手にボルト 左手にナットを持ちます
この時にナットを回転させないようにして ボルトを回すと ナットが前後します
では 今の動きを 実際の機構に置き換えます
ボルトを廻す右手 | ➡ | モーター |
---|---|---|
ボルトとナット | ➡ | ボールネジ |
ナットの回転を止め ナットを前後にスライド させる左手 |
➡ | LMガイド |
では エアシリンダーの直動機構と何が違うのか?
モーターとエアシリンダーの使いわけはあるのか?
上記を次章で解説します
②直動機構としての
エアシリンダーとの違いと使い分け
エアシリンダー
エアシリンダーはエア圧で直接直動する駆動機器です。
原則として単なる2点間距離の搬送であれば
エアシリンダーを使います
単なる2点間搬送とは言いますが 実際の装置において
こういった駆動は 意外と多いです
エアシリンダー自体安いことと
駆動させるためのシステムが安いことから需要は多いです
エアシリンダーの解説をしますが
⇩エアシリンダーについては 以下の記事を御参照ください⇩
エアシリンダは空気圧で動作をさせるので 以下の特徴があります
- エアシリンダーはシリンダー内部の端面による
当て止めがあるので端点位置でのみ停止位置精度が出ます
- 原則的には中間で止めることはできません
- 特殊な制御をすれば 中間で停止することは可能ですが
停止の精度はありません
⇩エアシリンダーの中間停止は以下の記事を御参照ください⇩ - 速度はスピコンによる手動調整で 速度を精度よく管理できません
- 加速度や速度を任意で変更したりすることができません
モーター
モーターは空気圧ではなく 電気で制御する回転駆動機器です。
本記事で解説しますが、回転運動を直動に変換します。
原則として 以下であればモーターを使います
- 複数点の停止位置があり 精度が必要
- 加速度や速度の数値管理が必要
- 駆動途中で 速度を変更させる
電気で制御する駆動機器なので
エアシリンダと違い 以下の様々な運用が可能となります
- 中間停止したい場合は 回転を止めれば簡単にできます
- しかも サーボモーターやステッピングモーターを使えば
複数点の停止位置も精度が出せます - ⇩各モーターの位置決めの原理は以下の記事を御参照ください⇩
- 速度や加速度の制御や管理やもちろん
任意位置で速度を変更させたりと 様々な運用が可能です
③モーターによる直動機構要素
ボールネジ
概要
ボールネジは 主に以下で構成されます
モーターによる回転をナットを通じ
後述のLMガイドに伝え直動運動に変換する部品です
ナット部に循環するボールが内蔵されており
これで回転動作をスムーズにさせています
選定について
ボールネジは購入品となります
以下が 主な選定要素となります
伝えるトルク | ➡ | ネジやナットの太さの指定 |
---|---|---|
直動スピード | ➡ |
リードピッチの指定 リードピッチが大きくなると スピードが上がりますが 必要トルクが大きくなります |
ストローク | ➡ |
ネジの長さの指定 |
取り付け方法 | ➡ |
端面の形状の指定 仕様図を提示すれば特注品も対応してくれます |
④モーターによる直動機構要素
LMガイド
概要
LMガイドは 主に以下で構成されます
LMレールの上を スライドブロックがスライドする
直動精度がある部品です
ナット部に循環するボールが内蔵されており
これで直動動作をスムーズにさせています
ボールネジによる回転に対して
ナットの回転を止めて LMブロックの直動移動に変換します。
ですので ボールネジのナットと、この部品を連結します
選定について
LMガイドは 購入品です
以下が 主な選定要素となります
耐荷重 耐モーメント |
➡ | サイズの大きさ |
---|---|---|
移動量 | ➡ | レールの長さ |
⑤モーターによる直動機構要素
モーター
回転運動の動力源となるものです
モーター当然購入品です
必要トルクによって 様々なサイズがラインナップされています
⇩サーボモーターのトルク計算については 以下の記事を御参照ください⇩
⑥まとめ
- モーターとボールネジを組み合わせることにより 直動運動ができます
- モーター回転の電気による制御なので 停止位置 速度制御などが自由にでき
動作の自由度の幅が広がります - また サーボモーターやステッピングモーターにすれば
停止位置の精度をだせます - 直動させる原理は簡単で
ネジを回して ナットを回り止めさせればナットはスライドさせます - ネジとナットを ボールネジに置き換えます
- ネジを回す手を モーターに置き換えます
- ナットを回りどめさせ スライドさせる左手をLMガイドに置き換えます
本記事は以上です
最後までお読みいただき ありがとうございます