tsurfの機械設計研究室

サーボモーターやエアシリンダの選定計算なども扱っている技術ブログです

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【強度計算の基礎】曲げに対する断面の強さ 断面2次モーメント

本ブログの御訪問ありがとうございます。
機械設計歴20年以上のtsurfと言います。

 

今回は以下に関する記事です。

【強度計算の基礎】
曲げに対する断面の強さ 
断面2次モーメント

 

  

⇩本記事は以下の方にオススメです⇩

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とある
未経験機械設計者

曲げの計算を調べたら
断面2次モーメントって出てきたよ
それって何だよ

 

 

⇩本記事を読むと以下が わかります⇩

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管理人TSURF

曲げとは何なのか?
断面2次モーメントとはなんなのか?
わかりやすく説明します

 

 

 

 

①結論

断面2次モーメントは、曲げの撓み量の計算などに使われる
曲げに対する断面的強さです

 

よく 勘違いされていますが、
曲げの強さは断面積の大きさではありません。

 

断面2次モーメントを使った計算例は、
以下の記事を御参照ください

【機械設計の物理】力の分解(例題1:斜めに荷重の掛かるブラケットの強度計算)

 

また 曲げに対する強さについて、よくある誤解があります。
そのよくある誤解については以下の記事を御参照ください。

 

 

 

 

 

②曲げの実験をしてみましょう

👉用意するもの』

まず下の写真のようなステンレス製の定規を用意してみましょう

f:id:tsurf:20200724082250p:plain

 

👉板厚方向曲げ』

では 下の写真のように板厚方向を曲げてみましょう

f:id:tsurf:20200724091251p:plain

いくらステンレスでも、板厚が薄いので人の手でも簡単に曲げれます。

 

👉長手方向曲げ』

では今度は、下の写真のように長手方向を曲げてみましょう

f:id:tsurf:20200724084134p:plain

曲がりません。

向きを変えただけです。
板厚も長手方向の寸法も、変わっていないにも関わらずです。

 

③曲げの実験結果を受けて考察

前段階知識 曲げとは

曲げとはどういった現象なのかを説明します。

まず図1のように、棒みたいなものを曲げたと仮定します
図2は矢印部の断面です。

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上の図を見るとわかると思いますが、曲がっている状態で
受けている力は以下の通りとなります。

曲げの内側である面A 圧縮を受けている
曲げの外側である面B 引張を受けている
図心 受けている力はない

これが曲げという現象です。

 

曲げの原理から見る実験結果の理由

同じ断面形状で、同じ曲げの量であっても
曲げの向きを変えただけで、曲げに対する強度が違うのは 、
曲げの向きにより、図心から端面までの距離が違うからです。

 

例えば、実験でのケースのように長手方向曲げの場合を考えます。

f:id:tsurf:20200724084134p:plain

 

以下の図3をご参照ください 

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図心は力を受けず 図心より距離があればある微小面積部がより

大きな圧縮と引っ張りを受けている様子がわかります

 

つまり 実験のケースの場合
長手方向曲げは、板厚方向曲げと比較して

図心から 上面と下面に対して
より大きな圧縮量と引っ張り力が、必要になっていくるわけです。
そのためには、より大きな曲げる力が必要となります。

 

 

④断面2次モーメントの概念

断面積と断面形状が同じでも
断面の向きによって、曲がりやすかったり曲がりにくかったりします。

  

断面2次モーメントとは曲げに対する断面的な強さです

 

つまり図3のアイソメ図にたとえると 
図3の断面に、ある微小面積をとります。

 

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図3では微小面積としてA~Dがありますが
この微小断面積A~Dは、部材本体が曲げを受けた時に 
図心からの距離に応じた圧縮と引っ張りを受けます。

 

言い換えると 
断面積A~Dは図心からの距離に応じた
圧縮 引っ張りに対抗する力があり、その強さの積分となります。

 

一例として長方形断面の断面2次モーメントの計算式を紹介します。

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このように、高さの3乗に比例するので、重量物に対する曲げ強度を
確保したいのであれば、B面に重量物を置くようにしたほうが
効率がいいことになります。

曲げの強さだけで言えばB面を伸ばしてもあまり強くなりません。

 

 

⑤断面2次モーメントの身近な応用

リブなどがそうなのですが

例えば ダイニングテーブルなどの下を見ると
補強材があてがわれています。

 

断面2次モーメントの式を見るとわかるのですが 、
高さの3乗に比例するので、横の幅を伸ばしてもあまり意味がなく
高さを高くするために図4のように、補強材が設置されていますね。

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⑥まとめ

  • 曲げに対する断面的な強さは、断面積の大きさではない
  • 曲げに対する断面的な強さは、断面2次モーメントの大きさ
  • 曲げに対して強くするには、高さを高くしたほうが効果的

 

本記事は以上です

最後までお読み頂きありがとうございます

 

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