本ブログの御訪問ありがとうございます。
機械設計歴20年以上のT.surfと言います。
今回は以下に関する記事です。
【中小製造業を守りたい】
管理人が提案する機械設計生産性向上案
機械設計における生産性向上とは
なんでしょうか?
また、生産性向上できるとしたら
どうすれば向上するのでしょうか?
- ①結論
- ②機械設計者による生産性向上とは
- ③現状の問題点
- ④機械設計者によるスキル向上やノウハウの共有
- ⑤CADに自社オリジナル機能を追加 概要
- ⑥CADに機能追加例 管理人が欲しいCAD機能
- ⑦まとめ
①結論
機械設計の生産性向上をするにあたり
以下を提案します。
- 機械設計者によるスキルの向上やノウハウの共有
- CADに自社オリジナル機能を追加
上記を達成するために必要な基本的なことは
以下となります。
- 成果主義の見直し
- 工数=経費の消費という考えの修正
- 投資の重要性の認識
②機械設計者による生産性向上とは
機械設計による生産性向上とは、なんでしょう?
ここでは、
単位時間内で
検討や図面作成などの
設計業務がより多くできること
と定義します。
ここで勘違いしてほしくないのは、
設計や検討に掛かるコストだとか
間接工数費の話をしているのではない
ということです。
関係ありません。
後述しますが、
正社員であれば月給制の固定費なのですから
工数費的な話ではなく
言葉通り単純に、同じ時間内であれば
多くの作業ができたほうがいいという
至ってシンプルな考えです。
③現状の問題点
現状、中小製造業の抱える問題として
顧客から求められる 以下が挙げられます。
- 短納期
- 高品質
- 低コスト
最後の『顧客から求められる低コスト』は
大企業による装置の買取額値下げ要求のことです。
これについては、
株主資本主義が原因で、
大企業もコストカットをせざるをえないからです。
その煽りを受けているので、
従って、これは政治的な問題です。
しかし、『短納期化』と『高品質化』に関しては
生産性向上ができれば、解決できるかもしれません。
冒頭で以下の案を挙げました。
- 機械設計者によるスキルの向上やノウハウの共有
- CADに自社オリジナル機能を追加
しかし、上記2つは同列で語られるものでは
ありません。
④機械設計者によるスキル向上やノウハウの共有
機械設計者によるスキル向上やノウハウの共有化・・
これに関しては、
- 間違った工数観
- 成果主義
によって、失礼ながら
このような基礎的な部分がまったくできていない
中小企業が多いです。
間違った設計工数観の修正
以下のような間違った設計工数観により
設計工数○○時間で見積もったから
設計時間を○○時間で抑えろ
以下の問題があります。
- 機械設計のスキルアップが阻害されている。
設計時間縛りにより勉強しながら、調べながら
の設計ができにくくなっているからです。
- スキル共有化などの話し合い、基準書の作成なども
無駄な工数(=経費)とされる。
もちろん お客様に請求する見積りの設計工数費は
時給計算で構いません。
(というか、正直どうでもいい)
しかし、それを設計工数縛りにしてはいけません。
なぜなら、
機械設計者は時給ではなく、月給制の固定費です。
従って、意味がないばかりか弊害しかありません。
以下の記事を御参照ください。
成果主義の見直し
成果主義の問題点として、以下が挙げられます。
- 評価方法が、評価者の信頼性のない芸術点
- 個人が持っているスキルが水平展開されづらい
- 会社として設計技術力が衰退をしていく
以下の記事を御参照ください。
ここで、管理人の提案する評価法を紹介します。
⑤CADに自社オリジナル機能を追加 概要
生産性向上のメインはここで、CADについてのことです。
CADのメーカーに依頼をするなり、
自社でカスタマイズするなりすれば
既存のCADに新しい機能を追加することができます。
これにより、機械設計の生産性の向上を図ります。
しかし、そのためにも実は以下の見直しが重要です。
- 成果主義
- 間違った工数観
なぜなら、CADの機能追加については、
正社員からの改善案と設計部としての検討が必要だからです。
成果主義の見直しにより
個人としてではなく、設計部として改善していくという
共同体意識から改善案が出てきます。
間違った工数観の見直しにより
CADのカスタマイズによるオリジナル機能追加検討を
無駄な工数として考えないためです。
私自身 前述のとおり
『時間単位いくらかかる』という考えは意味がない
と考えますが、
このような
『生産性向上に関する検討の時間』は
投資と考えましょう。
⑥CADに機能追加例 管理人が欲しいCAD機能
エア配管系統図作成機能
エア配管系統図を作成する際に
エア配管系統図作成に特化した機能です。
通常CADは あくまで機械設計の検討や製図機能に
特化していますが
エア配管系統図のような系統図を作成するには不向きです。
例えば
- エアシリンダ記号と電磁弁記号をつなく配管線が
記号の場所を移動した場合追従しない - マニホールド電磁弁を作図によって
作成しなくてはいけない
などです。
エア配管を簡単に作成できる機能があれば
時間短縮が図れます。
3DCADとエクセルの連携
3DCADとエクセルの連携は
例えば モーターやエアシリンダーの
選定計算で欲しい機能です。
具体的には、指定した複数部品の
合計重量や合計慣性モーメントについて
算出結果とエクセルのセルに自動算出するものです。
そして、そのセルの数値を選定計算に使います。
これによって、あらかじめエクセルで計算式を
組んで算出されていれば、
設計変更による部品の形状を変更も
計算結果に自動反映されます。
2D図枠自動生成
2D図面にする際に欲しい機能です。
具体的には、欲しい面視をあらかじめ作成して
図面に必要な面視を枠で囲むと
CADが自動的に適した図枠を選択してくれるものです。
これにより、面視を減らしたり、増やしても
時間を掛けることもなく図枠を自動生成してくれます。
この時に 材質や部品番号なども
新しい図枠に追従することが重要です。
是非とも欲しい機能で、
この時間が そこそこ掛かる上にストレスで
面倒くさいです。
3DCADのリスト生成機能と社内の
手配システムとの連携
社内で独自のシステムで、出図手配などする場合
この機能があると大変助かります。
チェックが1回で済むからです。
下手したらチェックしなくてもいいかもしれません。
その他 自社オリジナル機能
自社オリジナル機能については、
設計している業界によって違うので
ここでは、明言できませんが、
例えば、薬液を使う半導体洗浄機を例にすると以下です。
液配管系統図作成機能
- 液配管部品記号はエア配管のように共通規格ではないため
自社で作ったものを記号登録 - 配管部品記号同士を配管線でつないでいる場合
配管部品記号を移動すると配管線が追従してくる
などでしょうか?
⑦まとめ
- 機械設計の生産性向上を以下と定義します。
『単位時間あたり より多くの検討や作図ができるようにする』 - 『設計者のスキル向上や共有』と『CADに機能を追加する』
という方法が考えられます。 - 『設計者のスキル向上や共有』に関しては
成果主義と 間違った工数管理を見直しましょう。 - 『CADに機能を追加する』には、設計者での連携が必要です。
- 例として『エア配管作成機能』や『3DCADとエクセル連携』
などがあります。
本記事は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございます。