tsurfの機械設計研究室

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【中小製造業を守りたい】成果主義への疑問2 『目標をたてさせて、その結果を評価』

本ブログの御訪問ありがとうございます。
機械設計歴20年以上のT.surfと言います。

 

今回は以下に関する記事です。

【中小製造業を守りたい】
成果主義への疑問2
『目標をたてさせて、その結果を評価』

 

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管理人T.surf

成果主義 そのものが目的
ではないということを
一度冷静に考える必要があります。

 

 

①結論

目標をたてさせ、
その結果を評価とは?

成果主義において、

社員に今期の目標を立てさせ
期末に 社員が目標に対して行った結果(成果)
を評価する


というやり方も行われています。

 

実際の流れですが

期の最初に、管理職と部下の面談により、
その期の目標を決めます。
⇩  ⇩
部下の目標に対する行動そのための時間は 
通常の業務に対して配慮されることなく、
部下の自己責任の範囲で部下が自発的に行います。
⇩  ⇩
期末に再度、管理職と部下の面談で、
その目標に対して
  • 何を行ったのか?
  • どの程度達成できたのか?

を確認します。

⇩  ⇩
その確認結果を評価に反映します。

 

結論としては

目標をたてさせてその結果を評価する

あまり意味はありません。
なぜなら、以下の理由からです。

  • 管理職も達成できる無理のない目標をたてさせる
  • 結果評価にしても、小さな結果も過大評価する

私は何も管理職を非難しているわけではありません。
当たり前でしょう。

管理職も、わざわざ部下の評価を落とすようなことを
するはずないでしょう。

部下を貶めていいことはありますか?

管理職は、あたり前のことをしているだけであり、
私が非難したいのは成果主義です。

 

その成果主義のための工数を
生産性向上のために利用すべきです。

 

 

②成果主義のそもそも論

基本的な成果主義に関しては
以下の記事を御参照ください。

 

参考に 私が提案する評価制度です。

 

 

③『目標を立てさせて、その結果を評価』における実際

概要

管理職も忙しい業務の中、部下個人個人に対する目標設定
非常に苦心しているのがわかります。

何せ 部下の評価を下げて いいことなど何一つないからです。

 

管理職にとっては、部下も現実の業務に忙殺されている中で
目標を達成させ、評価を上げるため

  • できる範囲内の最小の目標
  • しかし、会社にアピールができる

というかなりハードルの高い目標設定を検討します。
結果、現実的に必要のない目標であることが多いです。

事例

かつて在籍していた会社にてあった出来事です。

理解のある上司

今期の目標だけど
3DCADの資格を取るか?

 

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管理人TSURF

3DCADって単なる手段ですよね?

そんなものの資格で
評価されて
本当にいいんですか?

 

理解のある上司

いいんだよ。
会社はそんなこと
知らないんだから

 

つまり、管理職にとっても、
私に成果を出させることが目的
であることになります。

 

この3DCADの資格は、私個人にとって意味はあっても
会社が社員に取らせる必要があるのか?というと
疑問という他ありません。

 

結局・・・

私がCADの資格を取れば
『今まで知らなかったCADの便利機能』
が見つかるかもしれません。

ですが、

もし3DCADの便利機能で、さらなる生産性向上を
したいのなら、技術者全員に生産性向上に
つながるような3DCADの再教育をすべき


ですよね?

 

私個人が資格を取って何になるんでしょう?

しかも、このような形で個人が資格をとっても、
私がそれを他の社員に平行展開すると思いますか?

成果主義ですよ?
周りは、みんなライバルですよ?

成果主義でなければ、私は みんな に全てを教えます。

しかし 成果主義である以上、
私は『周りとの競争に差しさわりのない便利操作』だけ
を教えるでしょう。

 

しかも先ほど申し上げた通り

もし3DCADの便利機能で、さらなる生産性向上を
したいのなら、技術者全員に生産性向上に
つながるような3DCADの再教育をすべき


となります。

 

補足として

方法として、以下の方法もあります。

誰か一人(A氏)に3DCAD講習を受けさせる
⇩  ⇩
概要をA氏に把握させて、
A氏に生産性向上のCAD操作教育の計画を
作成させる
⇩  ⇩
技術者全員に、3DCADによる生産性向上の
講習を行う

しかし、この方法を取る場合でも、

  • 資格は関係ないですし
  • 成果主義も関係ありません。

しかも、このA氏は講習で得た情報を都合よく握りつぶして
自身の競争に都合のいい計画を作成してしまう場合もあるので
どちらにしろ成果主義が足を引っ張ることになります。

 

 

④成果主義を成り立たせることが目的ではない

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成果主義でも
何か個人に目標をたてて
それによって何か得ること
自体はいいだろう。

 

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管理人TSURF

仮にそうだとしても
それは最後に成果を
評価するという
工程がなくても、
やればいいと思います。

 

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それだと、だれも何もやらないだろう

 

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管理人TSURF

それは、通常の業務で忙殺されている中
自己責任で行わせているからです。
正確に言います。
やらないのではなく、できないのです。

もし、今やっている個人目標の内容が会社に
とって必要であるならば

まず、会社にとって

  • 何が足りないのか?
  • 何が必要なのか?

上記を会社全体で、根拠をもって
(当然 部内で管理職と部下の面談なども活用して)
ちゃんと洗い出した上であるべきです。

 

そして、
問題点の解決は、特定の社員個人の自己責任ではなく、
業務とは別に、その目標を達成させる段取りと時間を
設けるべきです。

 

なぜなら、
成果主義による評価のための
『目標建てとその達成』
が目的ではない
からです。

 

それをしないというのは、
社内の成果主義を推進している人達には、

実際には大して必要のない目標設定を行っている


つまり、
目的は問題解決ではなく、成果主義による評価
というのが、なんとなく理解しているからなんですよ。

 

 

⑤まとめ

それが本当に必要な目標であれば
会社全体で取り組みましょう。

成果主義が目的ではありません。

社員個人に目標設定と評価をする必要はありません。

 

本記事は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございます。

 

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