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機械設計歴20年以上のT.surfと言います。
今回は以下に関する記事です。
【機械設計の3DCAD】
CADメーカーに言いたい2D機能の必要性
2D機能について
CADメーカーに
知ってほしいことを
解説します。
- ①結論
- ②2D機能の用途
- ③では、3D機能はモデリングだけ？
- ④CADメーカーに理解して欲しいこと
- ⑤CADを選べない機械設計者
- ⑥管理人のヒストリーCADへの怒り
- ⑦まとめ：CADメーカーへのお願い
①結論
まずCADメーカーの方で勘違いしている方が
非常に多いと感じるが
3Dがメインだから2Dが必要なくなる
と思い込んでいる方が多いです。
勘違いしている原因ですが
2D機能＝2D部品製作図面
と思い込んでいるからでしょう。
正確には2Dには様々な用途があります。
- トップダウン設計用の2Dレイアウト
- エア配管などの各種系統図
- タイミングチャート検討
さずがに
製作2D図面はNC加工技術の向上によって
遠い将来はなくなるとは思います。
ですが上記で挙げた2D使用用途は
2D図面がなくなった世界線でも必要でしょう。
3DCADの役割の１つに2Dを完全になくす
なんてものは含まれていません。
3DCADがメインになるからこそ、
そのサポートである2D機能の役割
も大きくなるんですよ。
3Dだから2D機能が
必要ないとか
2D使用者がまだ多いから
2Dが必要だとか
勝手に2D機能を決め
つけんなよ
特に機械設計に構想検討は必須ですが
その際のトップダウン設計において
2D機能は絶対的に必要です。
3Dが優れて 2Dは時代遅れで劣っている
ではありません。
- ０からの構想設計は 2Dが優れている
- 詳細設計は 3Dが優れている
という使い分けの話なのです。
②2D機能の用途
トップダウン設計用の2Dレイアウト
実は2Dは 3Dと比較にならないくらいの
自由度があります。
その自由度から
2D機能は上面機構配置
と個別機構断面を別々で検討できる
というメリット特性につながります。
このメリット特性を 0からの構想レイアウトで
以下のように応用します。
―例えば―
- 平面図で上から見た機構の配置を検討
⇩ ⇩ - 断面図で機構の上下方向の位置や
詳細な形状を検討
となります。
このように 初期の設計（レイアウト）段階において
- 上面から見た機構の配置
- 各機構の3次元的な形状
上記が決まっていないからこそ
2Dレイアウトのメリット特性により
別々の面視で検討したほうが
質が高くて早い全体レイアウトが可能なのです。
2Dによってそのような構想設計の進捗具合によって
その2Dの構想設計で使用されている要素を利用して
押し出しや回転などを使い、3D化していきます。
管理人はこの時点で
ボトムアップ設計を否定します。
全体がわからないのに、どうして部品の設計から
始めることができるのか理解ができないからです。
その他の利用法
2D機能は
トップダウン設計のレイアウト機能の他にも
- タイミングチャート検討
- エア配管などの各種系統図
などにも使用します。
CADメーカー
タイミングチャート
は3Dアニメーション
でもできるだろ
いやいや、
それはあくまで3Dモデルが完成した後
の話ですよね？
構想検討段階では
できないだろ
どうやって
タイミングを検討
すんだよ
その他にも
エア配管系統図などの各種系統図にも
必須の機能となります。
管理人はソリッドワークスを使っていますが
（正確には勤めている会社の都合上使わざるをえない）
系統図などが書けなくて困っています。
書けたとしても莫大な時間が掛かります。
ついに管理人が勤めている会社では
しかたない
エア配管系統図を
エクセルでやろう
という話になりました。
③では、3D機能はモデリングだけ？
では、3Dの役割はというと
詳細設計を兼ねたモデリングです。
たしかに ０からの構想は2Dレイアウトが
圧倒的には早いです。
だから2Dが優位だという、
単純な話ではなく使い分けです。
構想設計が終わった後の
―詳細設計の段階ではー
3Dでモデリングしながら立体的に検討して
詳細な肉付け作業をする
というほうが
圧倒的に早くなります。
④CADメーカーに理解して欲しいこと
管理人がCADメーカーにこの話をすると
なかなか理解してもらないようで
まだまだ2Dで
設計している方が
おられるので・・・
とか言い出す始末で、わかってもらえません。
時代背景とかそういう問題じゃ
ないんですけどね
まぁ
それはそうで、何せ機械設計をやったことが
ないからなのですが・・・。
だから、CADのシステムを構築するエンジニアが
機械設計をよくわからないのが当たりまえです。
が通用してしまうのが、CAD業界のようです。
その帰結が
- パラメトリック設計そのものであったり
- パラメトリック設計のための拘束系の2D
- 自由度の高い2D機能の削除
だったりするんでしょうね。
⑤CADを選べない機械設計者
そんなに文句言うなら
そういうCADを
使わなきゃいいだろ
それが通用するんだったら
どんだけ幸せでしょうか。
CADで会社を決めれないんですよ。
機械設計者は入った会社が導入してる
CADを使うしかないんですよ。
2DCADの時代であれば、どのCADも大差ありません。
しかし、3DCADに関しては
ヒストリー系のCADとノンヒストリー系のCADでは
雲泥の差があります。
しかし、機械設計者にとって
勤めている会社を選ぶ際に
どんなCADを使っているか？
なんて優先度が低いんです。
⑥管理人のヒストリーCADへの怒り
ヒストリーCADは設計者のことを
1mmたりとも考えず、自分本位のパラメトリック設計
を押し付けたCADと感じます。
ヒストリーCADをおススメできない理由は
以下を御参照願います。
⑦まとめ：CADメーカーへのお願い
- 3DCADの役割の一つに
2Dを失くすことなんて含まていません。
勝手な解釈をしないでください - パラメトリック設計とか必要ないので
通常の2D機能を復活させてください。
2Dレイアウトでは、まだ拘束系2Dでも我慢できますが、
エア配管系統図でさえ、まともに書けません。 - 2D機能は部品製作２Ｄ図だけでないことを
いい加減理解してください - 2D機能は、時代背景の問題ではなく
構想検討に必須のものということを理解してください。 - 2Dにしろなんにしろ
不必要であるか否を勝手に決めないでください。
本記事は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございます。
