本ブログの御訪問ありがとうございます。
機械設計歴20年以上のT.surfと言います。
今回は以下に関する記事です。
【ソリッドワークス】
ソリッドワークスでの
トップダウン設計のやり方
ヒストリーCADである
ソリッドワークスでの
トップダウン設計
のやり方を解説します。
3DCADによる
トップダウン設計やボトムアップ設計などの
基礎知識は以下の記事を御参照願います。
本記事は、
に勤める設計者向け に少しでも役立つ情報を共有します。
- ①結論
- ②アセンブリのレイアウトタブのレイアウトは罠
- ③トップダウン設計の流れ 2Dレイアウト編
- ④トップダウン設計における2Dレイアウト注意点
- ⑤トップダウン設計の流れ 3D詳細設計編
- ⑥3Dソリッド化 3D粗検討における注意点
- ⑦補足 2Dレイアウトに使える機能
- ⑧最後に
①結論
管理人が考えるトップダウン設計とは
3D空間上の平面で2Dレイアウトを行い
そこからソリッドを作成することです。
管理人はソリッドワークスにおいて
不可能だと思われたトップダウン設計の方法を
模索していました。
その結果、思考錯誤の末やっとのことで理想に近い
トップダウン設計のやり方をみつけましたので
共有したいと思います。
ポイントは以下の5つです。
- レイアウトタブのレイアウトは使えない
- 仮想サブアセンブリファイルを作成
- 仮想サブアセンブリ内で仮想構成部品を作成
- 上記の仮想構成部品内のスケッチを使う
- 仮想構成部品1ファイルにつき1スケッチ
上記5つのポイントを押さえれば
ICADレベルとはいきませんが、
FUSION360のノンヒストリー設定時の
ようなトップダウン設計が
かろうじて可能となります。
なお、仮想構成部品の機能と使い方については
以下の記事を御参照ください
②アセンブリのレイアウトタブのレイアウトは罠
アセンブリファイルには、レイアウトタブがあり
レイアウトというコマンドがあります。
管理人は、このレイアウト機能はおススメしません。
理由は、このレイアウト機能は
3Dスケッチであるということから
以下の不便性があります。
- スケッチ毎に分けて管理ができない
全て3Dスケッチとして全てが管理されるので
あるスケッチだけ表示/非表示とかができない - 3Dスケッチなので、他のスケッチの要素や
3D形状の投影ができない
なお、
3Dスケッチは黄色いマス目が現れますので
見分けが可能です。
このことからヒストリーCADメーカーは
トップダウン設計そのものを始めとして
トップダウン設計に必要な機能も
完全に理解していないことがわかります。
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どうせ作るならもっとマシで |
③トップダウン設計の流れ 2Dレイアウト編
以下、機略の流れですが
アセンブリファイルでの作業です。
仮想構成サブアセンブリを作成 |
⇩ |
仮想構成サブアセンブリの中に 仮想構成部品を作成 |
⇩ |
仮想構成部品を編集状態にして 仮想構成部品の中にスケッチを作成する |
⇩ |
スケッチに2Dレイアウトをする |
理由は後述しますが注意点として、
仮想構成部品1つに対してスケッチは1つです。
すると、ツリーは以下となります。
もう、お分かりだと思いますが
レイアウト用の1スケッチを持つ仮想構成部品が
レイアウト分複数作成されるので
それらをまとめるための仮想構成サブアセンブリです。
④トップダウン設計における2Dレイアウト注意点
なぜ仮想構成部品1つに
スケッチは一つなのか
理由は、仮想構成部品の中で
何枚もスケッチを作ってしまうと、
以下のようなツリーになってしまい・・・
例えば スケッチ1を編集しようとすると
スケッチ2が見えなくなってしまうのです。
それにより以下のデメリットが生じます。
- スケッチ2のレイアウトを確認
しながらスケッチ1でレイアウト
ができない。 - スケッチ2の要素を参考投影
(エンティティの変換)ができない
|
ヒストリーCADであるために、 スケッチまで、 |
仕方ありません。
手間はかかりますが以下であれば
スケッチ2だろうが、スケッチ1だろうが
他のスケッチのレイアウトを確認したり
エンティティの変換で投影も可能となります。
2Dスケッチと2D機能
2Dレイアウトは、あくまで2Dスケッチで行います。
先述のとおり、3Dスケッチは
2Dレイアウトに不向きです。
しかし、ここで問題なのが
ソリッドワークスにおいては
2Dスケッチにおける2D操作が通常の2DCAD
の2D操作ではなく、
拘束で形作っていくという例のアレです。
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ここはもう |
デメリットも多いですが、
メリットを見出せば、それなりにはやりやすく
感じることでしょう。
2Dレイアウトが
表示されない場合の対処法
上記の方法で
大量に2Dレイアウト断面を作成したとしても
ファイルを開いた際に
2Dレイアウトが表示されなくなってしまう
場合があります。
これは、ライトウェイトモードでファイルを
開いてしまっているためです。
慌てなくてもOKです。
2Dレイアウトを格納してある
仮想構成サブアセンブリを右クリックして
ライトウェイトを解除をクリックします。
⑤トップダウン設計の流れ 3D詳細設計編
次に実際に3D化をして、粗設計をしていきます。
理由は後述しますが注意点として、
”外部参照なし”設定を強く推奨します。
とにかく2Dレイアウトとリンクしないように
細心の注意です。
以下、機略の流れですが
アセンブリファイルでの作業です。
アセンブリの中に仮想構成部品を作ります。 サブアセンブリを編集状態にして、 部品挿入から新規部品を選びます。 |
⇩ |
通常の流れですが、仮想構成部品の中で 先ほど作成したスケッチによる2Dレイアウト からソリッド作成用のスケッチを作ります。 |
⇩ |
スケッチで 2Dレイアウトと同じ断面を2度手間作成します。 2Dレイアウトのスケッチの要素を参照選択できます。 (多少は楽になる) |
⇩ |
アセンブリ上で 問題なくソリッドが作成可能です。 修正も再度、仮想構成部品を編集状態にして アセンブリファイルで行います。 |
⇩ |
最後に仮想構成部品を通常の外部構成部品にします。 ツリー上で、ファイル化したい仮想構成部品を 右クリックして外部へ保存をクリック |
上記の作業は、全てアセンブリファイルで行いますので、
パーツソリッドの作成や修正など
アセンブリファイルで全体を見ながら行えます。
⑥3Dソリッド化 3D粗検討における注意点
3D化における
全体的注意点
ここまでで、仮想構成アセンブリの中に
1つのスケッチを持つ仮想構成部品が
複数作られていることでしょう。
次に通常の部品用のサブアセンブリを作ります。
この時点では、仮想構成サブアセンブリでも構いません。
注意点として原点にうるさい会社の場合は
原点の設定に注意します。
その中に、
今度は通常の部品用の仮想構成部品を作ります。
この時も注意点として、原点にうるさい会社は
原点の設定に注意しましょう。
次に、その中でソリッドのもとになるスケッチを
作成します。
先ほど作成した2Dレイアウトスケッチ上で
スケッチを選択して平面を作成します。
まったく同じ手順で、
まったく同じスケッチを作成しましょう。
この時に
外部参照無し設定を
強く推奨します。
なぜ外部参照なし
を推奨なのか
2Dレイアウト平面や
2Dレイアウトの2D要素とリンクを持たないためです。
外部参照なしにすれば問題ないのですが、
外部参照ありで作業してしまうと・・
2Dレイアウトから何気なく拾った
2D要素や、スケッチ作成時の平面などが
なんと2Dレイアウトの要素と
リンクしてしまいます。
恐ろしい事に
当然2Dレイアウトをいじってしまうと
これらも変更されてしまいます。
リンク地獄、拘束地獄のソリッドワークス
において、意図しない変更を誘発する
不必要なリンクは極力させるべきです。
気づけば後でいくらでも修正はできますが
それも手間ですので。
2Dレイアウトと同じ断面を
作成という二度手間
ソリッドワークスの場合
2Dレイアウトで作成した要素を
そのままソリッド化できません。
なぜなら、パラメトリック設計のために
パーツファイルにソリッド作成用のスケッチを
持たなくてはいけないからです。
なので、先述したとおり
2Dレイアウトとリンクしないように
外部参照なしにするなどして、細心の注意をしつつ
そのパーツ3Dを作成するために必要な
断面のみですが。
まったく同じ断面を再度作成する
必要があります。
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役に立たないパラメトリック設計 |
⑦補足 2Dレイアウトに使える機能
スケッチへの投影は、トップダウン設計の際の
2Dレイアウトに必須と言える機能です。
- スケッチから他のスケッチへ
- ソリッドの外形をスケッチへ
これらの機能の解説です。
⑧最後に
管理人はソリッドワークスという
- 大変更であればあるほど役に経たない
パラメトリックのための
拘束組み地獄とリンク地獄 - くだらんパラメトリックに拘り
トップダウン設計の2Dレイアウトすら
無駄にハードル高い絶望 - ノンヒストリーだと30秒で終わる作業が、
あまりの自由度の無さで1時間作業
となってしまう虚無感 - 大変更であればあるほど大頻発する
生産性のない拘束エラー修正の拷問
上記のヒストリーCADによる苦行を強いられている
設計者へ向けて、
なんとかソリッドワークスを使えるための
情報を発信していきます。
本記事は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございます。