今回は以下に関する記事です。
パラメトリックによるボトムアップ設計
とその非効率性(ソリッドワークスなど)
3DCADの設計手法の
一つである
ボトムアップ設計
について解説します。
パラメトリック設計
とともにいかに
非生産性で非効率的かを
あらためて解説します。
3DCADの導入に関するCAD選定など
相談と言う形で無料で承ります。
- ①本来の3DCAD設計であるトップダウン設計
- ②トップダウン設計の逆であるボトムアップ設計とは
- ③ヒストリーCADの設計手法の主流
- ④ヒストリーCADでボトムアップ設計が主流の理由
- ⑤パラメトリックとボトムアップ設計の合わせ技
- ⑥まとめ 本来のパラメトリック
①本来の3DCAD設計であるトップダウン設計
まず 3DCADによる設計は
以下の記事で解説されているトップダウン設計が一般的です。
アセンブリファイルの3D空間上の2D平面で
2Dレイアウトを行います。
- 上面視で機構配置検討
- 各断面で、機構自体が成り立つ検討
上記のように、
面視毎に別々に検討ができる
2D特有の自由度の高さを活かし
短時間で質の高い検討を進めた後
部品を3D化していくわけですが
上記2Dレイアウトから成り立つような3D部品を
- 根拠のある形状
- 根拠のある配置
で作成する設計手法です。
面視毎に別々に検討できる自由度の高い2D
だからこそ短時間で質の高い構想検討ができ、
その2D構想があるからこそ
全体と機能や整合性がとれて
根拠のある3D形状が創造できるんですね。
このトップダウン設計は
- 2Dのもつ自由度の高い構想検討に適した性能
- 3Dのもつ立体的に検討でき詳細設計に適した性能
上記が有機的に結びついた設計手法で
質の高い検討が短時間で可能
となります。
そして、このトップダウン設計という設計手法は
I-CADのような
ノンヒストリーCAD特有の設計手法
となります。
なぜなら、トップダウン設計は
2Dと3Dの有機的結び付きが必要で
それにはCADとしての自由度の高さが
求められるからです。
従って、
ソリッドワークスなどのヒストリーCADは
CADとしての自由度がないため
トップダウン設計は不可能です。
そして、
ソリッドワークスなどのヒストリーCADには
トップダウン設計と対をなして逆の設計手法である
ボトムアップ設計
というものが前提となります。
②トップダウン設計の逆であるボトムアップ設計とは
ボトムアップ設計とは、
まず部品を3Dで設計してから3D部品を
アセンブリファイルに投入して
フルアセンブリとしてまとめます。
って、解説していて意味がわかりません。
2Dによる全体構想レイアウトがないのに
どうやっていきなり部品を3Dで設計する
のでしょうか?
まったく非論理的で、こういう設計をすると、
全体で機能や整合性がとれない設計
となってしまいます。
というわけで、
管理人はボトムアップ設計をやりません。
トップダウン設計しかやったことありません。
なぜなら管理人は
根拠のない部品を3Dで作成できないからです。
従って、
ボトムアップ設計を全否定します。
順番が完全に逆です。
設計できたとしても
トップダウン設計に比べて、非常に時間が
掛かります。
③ヒストリーCADの設計手法の主流
ソリッドワークスなどのヒストリーCADで
メーカー側が想定している設計手法は
ボトムアップ設計とパラメトリックの合わせ技
となります。
とりあえず まずは
部品を3Dで設計して
適当にアセンブリに
放り込めよ
一通り放り込んだら
作成履歴機能で修正や
位置拘束で位置を補正
していけばいいだろ?
という非現実的な設計手法です。
実際に管理人はヒストリーCADメーカー側から
このような解説を受けた記憶があります。
なぜこのような設計手法なのか
順を追って説明します。
まずは、なぜ非現実的な設計法である
ボトムアップ設計なのでしょうか?
④ヒストリーCADでボトムアップ設計が主流の理由
ソリッドワークスなどヒストリーCADで
想定されているのはボトムアップ設計です。
なぜボトムアップ設計なのでしょうか?
それはCADとしての自由度をなくしているので
トップダウン設計ができない
からです。
なお補足しておきますが、ソリッドワークスでは
設計者からの批判が続出したのか
トップダウン設計用の2Dレイアウト機能を
搭載していますが、これまた
自由度がなく、実用的ではありません。
なぜCADとしての
自由度を失くして
ボトムアップ設計
なのでしょうか?
おそらくですが
パラメトリックを成り立たすためだけに
CADとしての自由度がないと思われます。
なぜパラメトリックを
成り立たすために
CADとしての自由度を
失くすのでしょうか?
CADとしての自由度を高くしてしまうと
必ずしも作成履歴や位置拘束は必要ない
ということに気づきます。
ノンヒストリーCADの最高峰であるI-CAD
(正確には3DCADの最高峰)では、
自由度の高さから理想的なトップダウン設計が可能です。
実際はアセンブリファイルの3D空間上の2D平面で
2D構想レイアウトをしますが
その過程で複数の検討断面が作成されます。
その複数の検討断面を成り立たすための部品を
- 複数の検討断面から根拠のある形状で
- 配置レイアウトから根拠のある配置に
3D部品として いきなり配置&作成できます。
そのようにすれば、それで終わりだからです。
CADとしての自由度の高さを認めてしまうと
ヒストリーCADとしてのアイデンティティがなくなるので
あえて自由度をなくしているのでしょう。
もし、そうじゃないと言うのであれば
CATIA V4のようにパラメトリックが多少存在しつつも
大前提としては、トップダウン設計が可能な
非常に自由度の高いCADとして仕上げなかった理由に
説明がつきません。
というか機械設計用のCADであれば
CATIA V4に対して自由曲面作成機能(surf1,surf2)
を削除して安価にするだけでよかったはずです。
⑤パラメトリックとボトムアップ設計の合わせ技
本ブログで解説、指摘していますが
パラメトリックの根幹は
- 作成履歴による形状制御
- 位置拘束による相対位置への部品配置
となります。
ですが、実際にはパラメトリックは
- 拘束や履歴のためにモデリングに莫大な時間が掛かる
- その割に思っているほど自動修正がうまくいかない
- それもそのはずで、拘束や履歴にしたって
どんなに完璧に拘束を組んだって全ての変更に
対応できない - そもそも完璧な拘束や履歴が不可能
というか、何を持って完璧な拘束や履歴と言えるのか? - 大規模アセンブリでの大変更では
必ず多発する思いもよらなかった個所からの
拘束エラー多発と修正地獄 - 複雑なシステムゆえアセンブリだと動作がかなり重い
- 複雑なシステムゆえバグ、エラー クラッシュの多発
という他重苦に見舞われ
逆に莫大な時間が掛かるのが現実です。
人が履歴や拘束作成しているんだからね。
どんなに完璧な拘束や履歴を組んだって
全ての変更に対応できるわけないし、そりゃ無理あるよ。
そもそも完璧な拘束や履歴って存在するのかね?
パラメトリックって 素人が思いつきで考えた
机上の空論と言えるシステムと言えますね。
つまり、
- 机上の空論システムであるパラメトリック設計
- それを成り立たすための自由度のないCADシステム
- 自由度がないための非現実的なボトムアップ設計
上記がアクロバティックな融合を遂げた結果
ヒストリーCADメーカーが想定している設計手法は
冒頭で解説しているように
とりあえず まずは
部品を3Dで設計して
適当にアセンブリに
放り込めよ
一通り放り込んだら
作成履歴機能で修正や
位置拘束で位置を補正
していけばいいだろ?
という非現実的なものとなったと推察します。
そして、
これは大いに問題があります。
何故 ヒストリーCADの設計手法は
非現実的で問題があるんでしょうか?
答えは以下です。
- 自由な2Dレイアウトを否定すれば、
3D設計に大幅な時間が掛かってしまうことが
なぜ理解できないんでしょうか? - その設計方法が従来のトップダウン設計に
比べて何がいいんでしょうか? - その設計方法が従来のトップダウン設計より
優れているエビデンスはどこにあるのでしょうか? - なんで設計変更が設計の本質と化してしまって
いるのでしょうか? - そもそも設計手法として非論理的かつ、非効率で
あることに気づかないのでしょうか? - 修正地獄でかえって莫大な時間がかかることに
なぜ気づかないんでしょうか? - まず、とりあえず部品を3Dで作れって
根拠のないものを設計するっていうのが
難しいってことになぜ気づかないのでしょうか? - なぜCADメーカーが、勝手に設計手法を限定する
ということがまかり許されるんでしょうか?
これらの疑問に何も答えられてはいません。
従ってソリッドワークスなどのヒストリーCADは
モデリング、設計変更全てにおいて、
圧倒的にノンヒストリーCADであるI-CADと比べると
無意味な履歴や拘束のために
莫大な時間が掛かるという結果のみ残る
本末転倒な結果となっています。
⑥まとめ 本来のパラメトリック
ソリッドワークスなどのヒストリーCADにおける
パラメトリックシステムの根本的な問題は
設計における設計変更の重要度や頻度を見誤り
設計変更が設計の本質だと思っているのか
設計変更しか見ていない
という点につきます。
この設計変更しか見ていないシステムを
成り立たすことためだけに
メーカー側が設計手法にまで
勝手に縛りを設けていることです。
そして、自由度がなく設計変更しか見ていない
CADシステムの中で、現状のパラメトリックは
設計者が履歴を作成し、位置拘束を組みことと
なりますよね。
ですが考えてみてください。
設計者が作成した履歴、位置拘束は
現状の今を拘束しています。
ですが、設計変更は
これからどうするか?
が重要なんですね。
しかも、その変更は不具合内容とその対処が
明確にならないと変更内容すら定まりません。
もう、おわかりだと思いますが
今を拘束しても何の意味もないのです。
- どう作ったかなんて重要じゃないんです。
- どう拘束して相対配置したかも重要じゃありません。
どうだっていいんです。
必要がまったくないんです。
本来のパラメトリックは設計変更の時だけ、
設計者が変更箇所のみ後付け拘束で変更条件を規定し
それに従ってAI等のサポートを受けて
自動修正されるべきだったのだと思います。
つまり、自動設計 自動修正なんてものは
AIの進化が最低条件であったシステムだと思います。
これらを理由に、既存のパラメトリックは
素人が思い付きで考えたような机上の空論
だと断言します。
本記事は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございます。