今回は以下に関する記事です。
ソリッドワークスに搭載されている
レイアウトスケッチが実用的ではない理由
管理人的にはヒストリーCAD全般をおススメしません。
管理人おススメの3DCADはノンヒストリーCADである
富士通I-CADです。
本記事は、ソリッドワークスを使わざるを得ない機械設計者
に向けて以下を発信します。
ソリッドワークスに
搭載されている
レイアウトスケッチが実用的
でない理由、及び
ソリッドワークスでトップダウン設計
をやりたい場合の
2Dレイアウトの方法も併せて
解説します。
- ①結論
- ②ワイヤーフレームでレイアウトをやんねーから
- ③3Dスケッチだとしてもさ
- ④そもそも レイアウトスケッチ機能が存在することがおかしくね?
- ⑤レイアウトスケッチ使ってる奴見たことねー
- ⑥ソリッドワークスでトップダウン設計用の2Dレイアウトを行う方法
- ⑦まとめ 自由度さえくれれば後はこっちでやるから
①結論
ソリッドワークスヘルプを見ると
レイアウトスケッチという機能を使うことで
トップダウン設計が可能とあります。
ですが、
実際にはこのレイアウトスケッチは
実用レベルのものではありません。
そして、管理人の周囲で
レイアウトスケッチを使っている人を
見たことありません。
ソリッドワークスにおける
レイアウトスケッチ機能が実用的ではない理由
ですが、以下につきます。
- 根本的にレイアウトスケッチは3Dスケッチであり、
自由度がない - ソリッドワークスヘルプが怪文書で
特にソリッドへの展開方法の解説が翻訳不能
特に3Dスケッチ自体に自由度がない
ことに問題があるのです。
トップダウン設計における2Dレイアウトには、
2D機能自体の絶対的な自由度の高さが必要です。
ソリッドワークスの自由度のなさは
この2Dレイアウト機能にも施されている
ということですね。
なお、本当のトップダウン設計については
以下の記事を御参照ください
もともと この手のヒストリーCADの前提としている
設計手法は、
パラメトリック設計とボトムアップ設計の合わせ技
なのですが・・・
さずがにあまりにも非現実的で
設計者からトップダウン設計への要望があったのでしょう。
このレイアウトスケッチ機能を実装したと思うのですが・・。
なお、レイアウトスケッチ自体は
挿入⇒レイアウトから可能となります。
②ワイヤーフレームでレイアウトをやんねーから
そもそも、なんで3Dスケッチなんでしょうか?
メーカー側は勘違いしているようですが
構想レイアウトを2Dで行うと言っても
ワイヤーフレームで検討するわけでは
ありません。
そもそも2Dは
- 上面から見た機構配置レイアウト
- 機構が成り立つ複数の検討断面
というように それぞれの面視や断面毎に
別々に検討できる自由度の高さがあります。
この自由度の高さにより
一つずつ整理しながら、確実な構想検討を
進めていくことが可能なんですね。
と言うことと
そもそも人間の頭は、3D構造をイメージできる
構造をしていません。
ですので
結果論として、1つ次元を落として2D平面で
考えたほうが構想検討であれば、
かえって簡単であり、早く進みます。
と言う事で、2Dで検討したほうが
質の高い構想検討を短時間で行うこと
が可能なんです。
ワイヤーフレームじゃないんですよ。
そもそもワイヤーフレームで検討するくらいなら
最初っから3Dで設計しているでしょう。
それができないから2Dで構想レイアウトを
したいんですけどね。
③3Dスケッチだとしてもさ
なんで側面投影できないんだよ
そもそも ソリッドワークスの3Dスケッチ自体
側面投影ができません。
(ソリッドワークス造語でエンティティ変換)
これが致命的な欠陥です。
側面投影とは、
例えばある平面で円を描いたとします。
それを横から見た側面平面に投影すると
直径長さの線になるはずですよね?
ですが、3Dスケッチの投影は、
正面から見た円を側面平面に投影
すると何故か円になるんですよ。
全く意味がわからない
3DCADのトップダウン設計における
2Dレイアウトにおいて投影は
- 2Dの側面図の作成のためだったり(側面投影)
- 複数の断面で同じ線の作成の手間を省く
非常に重要で絶対的に大事な機能です。
このうち側面投影ができないんですよ。
それだけで実用的ではないことが確定なんですよ。
管理人は正面の円を側面投影して同じ円になった時に
怒りを通り越して笑ってしまいました。
なんでだよ・・。
バグなのか仕様かも不明で、
- これがバグだとしたら開いた口が塞がらず
- これが仕様ならもはや何も言うことがないです。
なんで断面毎に管理できないんだよ
このレイアウトスケッチの3Dスケッチでは
断面毎に表示/非表示の管理ができません。
まったく自由度がないとはこういうことです。
まず、最初の全体構想の時点では、当然のこととして
サブアセンブリも決まっていない0の段階です。
ですが、複数の検討断面が出来上がっていくにつれて
ここは
サブアセンブリにしよう
などの話になっていくわけです。
その時に
サブアセンブリに関連のある検討断面を
まとめて 一括で表示/非表示を行えるように
したいのですが、
ソリッドワークスのレイアウトスケッチ機能では
そもそも
今は必要ない
このスケッチを
非表示にしよう
ということができないらしいんですね。
メーカー側は、トップダウン設計における
2Dレイアウトをどのように考えているのか不明です。
普通に装置の全体構想を2Dでやろうとすると
無数の検討断面が作成されることになり、
画面表示がえらいことになります。
なので、今は必要ない検討断面を非表示にして
画面を見やすくするために
断面毎に表示や非表示などにする管理機能が
必要なんですよ。
④そもそも レイアウトスケッチ機能が存在することがおかしくね?
例えば ノンヒストリーCADの最高峰
(いや、3DCADの最高峰と言い換えることも可)
であるI-CADであれば
そもそも レイアウト専用に特にそのような機能を
設けてはいません。
自由度が高いので、こっちがやりたいように
何でもできるからです。
ですので、レイアウトスケッチ機能
というものがあること自体
このCADには自由度が、
まったくありません
と宣言しているようなものです。
しかも、
せっかく設けたレイアウトスケッチ機能が
3Dスケッチで自由度がない時点で
・・・・
という状態です。
⑤レイアウトスケッチ使ってる奴見たことねー
と、いう事で
管理人は、ソリッドワークスを使っている
(いや、正確に言うと使わざるを得ない)
回りの同僚に、この機能を使っているか
聞いてみました。
以下 回答です。
なにそれ?
言ってることが
よくわかんないけど
とにかく
3D部品をぶっこんで
設計しているよ
(同僚Bが言っていることは、ボトムアップ設計と思われる)
などの回答が多く
そもそも知らないが圧倒的に多かったです。
それはそうでしょう。
ソリッドワークスヘルプが怪文書な上に
ソリッドワークスから3DCADを始めた人に
とって、そもそもトップダウン設計自体を
知らないのです。
⑥ソリッドワークスでトップダウン設計用の2Dレイアウトを行う方法
管理人は会社に対して常にI-CADに変更すべき
ことを提案していますが、
ソリッドワークスを使わざるをえない現状では
実用的ではないレイアウトスケッチを使用せず
以下の記事で紹介しているような方法で
なんとかトップダウン設計を実現しています。
それでも 相当大変であることには変わりありません。
⑦まとめ 自由度さえくれれば後はこっちでやるから
なぜソリッドワークスのレイアウトスケッチは
実用的ではないのでしょうか?
それは、
もともと自由度がないCADであることに加え、
以下を理解していないからだと思います。
- 実際のトップダウン設計
- そのための自由度の高い2D機能の重要性
そして、理解していないにも関わらず
レイアウトスケッチ機能という限定された機能に
してしまったからですね。
もともと、ソリッドワークスは
大して役に立たないパラメトリックのために
高い自由度を否定せざるをえないCADです。
ですので、このような形をとらざるをえないことは
容易に想像できます。
そして、管理人はCADメーカー側が、実際の機械設計業務を
理解できないことは、仕方がないことだと思います。
おそらくですが、残念ながら
3DCADの最高峰I-CADのメーカーである富士通も
実際のトップダウン設計を理解できてないでしょう。
であるならばCADメーカーは富士通 I-CADのように
CADの自由度を高くすべきだった
のです。
自由度が高い=
あらゆる使用法への汎用性がある
ということなのです。
自由度さえあれば、
後はこっちで自由にやりたいことをやれるのです。
本記事は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございます。