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機械設計歴20年以上のT.Surfと言います。
今回は以下に関する記事です。
エアシリンダーの中間停止に使う
ダブルソレノイド3位置電磁弁
⇩本記事は機械設計初心者の方で以下の方にオススメです⇩
- エアシリンダーを
中間停止させたい - 3位置電磁弁ってなんだ?
⇩本記事を読むと以下が わかります⇩
- エアシリンダの中間停止
- その時に使用する電磁弁
- 中間停止に際して注意点
以上を
わかりやすく説明します
- ①結論
- ②エアシリンダー中間停止の種類 Aポート/Bポート ブロック
- ③エアシリンダー中間停止の種類 Aポート/Bポート 加圧
- ④エアシリンダー中間停止の種類 Aポート/Bポート 排気
- ⑤3位置電磁弁の電磁弁としての特徴
- ⑥エアシリンダー中間停止の主な使用方法
- ⑦まとめ
①結論
エアシリンダーは使用する電磁弁によっては
中間停止が可能となります。
中間停止ができる電磁弁は
3位置ダブルソレノイドです。
ただし注意点があります。
- 停止精度はない
停止精度はラフです。 - 基本はエアシリンダー水平時
垂直の中間停止は場合によっては難しい - エアシリンダーによって挙動が違う
ロッドレスの水平使いでは問題がない
ロッド付きの場合は注意が必要
②エアシリンダー中間停止の種類
Aポート/Bポート ブロック
概要
A,Bポートのエアを閉じ込めます。
つまり供給と排気を遮断して現状の
状態を維持させます。
使用電磁弁はセンタークローズです。
この中間停止の場合
作業者の手や他の駆動系で動きません。
排気も供給も遮断されているため
動かそうとすると 動かした方向に
圧力が高まるため動きません。
適応エアシリンダー
- ロッド付きの水平使用/垂直使用に対応
- ロッドレスの水平使用/垂直使用に対応
基本的にメーターアウト制御
のエアシリンダーでこの方式を採用します。
メーターアウトは排気絞りですので
通電してAポートやBポートに切り替えても
エアが重点されているので速度制御しながら
動作ができます。
③エアシリンダー中間停止の種類
Aポート/Bポート 加圧
概要
A,Bポート両側に加圧します。
使用電磁弁はセンタープレッシャーです。
この中間停止の場合
作業者の手や他の駆動系で動きます。
動かすと、以下の理由から
- 供給回路はつながっている
- 圧力が釣り合っている
内部のエアが移動できます。
適応エアシリンダー
- ロッドレスの水平使用のみ対応
絵的にはロッド付きで説明していますが
ロッド付きでは止まりません。
ロッドレスシリンダーで止まります。
なぜなら
下図で言うAポート、Bポート側では
推力差が生じるからです。
これは、ロッド付きの構造上
A側とB側の受圧面積に違いがでるからです。
これにより、推力差が生じてしまい、
搬送重量によってはB側の端まで
動いてしまいます。
基本的にロッドレスの
メーターアウト制御
のエアシリンダーでこの方式を採用します。
メーターアウトは排気絞りですので
通電してAポートやBポートに切り替えても
エアが重点されているので速度制御しながら
動作ができます。
メーターインでこの電磁弁を使用すると
Aポート側やBポート側に切り替えた瞬間
すでにエアが充填されてしまっているので
片側のポートが排気された瞬間
一気に膨張して吹っ飛んでしまう可能性があります。
ロッド付きのエアシリンダーの水平使いで
センタープレッシャーで制御すると
どうなるのかは、リンク記事で解説します。
④エアシリンダー中間停止の種類
Aポート/Bポート 排気
概要
A,Bポート両側のエアを排気します。
使用電磁弁はセンターリリースです。
この中間停止の場合
作業者の手や他の駆動系で動きます。
適応シリンダー
- ロッド付きの水平使用に対応
- ロッドレスの水平使用に対応
基本的にメーターイン制御
のエアシリンダーでこの方式を採用します。
メーターインは供給絞りですので
通電してAポートやBポートに切り替えても
エアが無い状態から速度制御しつつ動作ができます。
メーターアウトでこの電磁弁を使用すると
Aポート側やBポート側に切り替えた瞬間
絞るべきエアがないので吹っ飛んでいきます。
メーターアウトでロッド付きのエアシリンダー
を中間停止させたい場合は以下の記事で解説します。
ただし、排圧に注意する必要があります。
⑤3位置電磁弁の電磁弁としての特徴
⇩電磁弁の基礎に関しては、以下をご参照ください⇩
前述の中間停止を実現させるのが、
3位置電磁弁です。
エア配管の記号としては以下のようになります。
(センタークローズの場合)
A側通電時と B側通電時は
エアシリンダが駆動していますね。
配管のつなぎ方により、
ロッド側なのか ヘッド側に駆動しています。
―非通電時は―
スプリングリターンにより
電磁弁記号の真ん中の状態に切り替わり
中間停止の回路に切り替わります。
⑥エアシリンダー中間停止の主な使用方法
長ストロークシリンダーの中間停止
水平長距離ストロークのエアシリンダーを
使用している場合
ストローク途中で非常停止ボタンを押しても
最後までストロークしてしまいます。
そのような時にダブルソレノイド3位置電磁弁
を使って非常停止時に強制的に中間停止させます。
ですが、
短い距離であれば必要ではないでしょう。
駆動系の一時中間退避
エアシリンダーによる
中間退避とは以下のような場合です。
この場合
エアシリンダーのオートスイッチは
端点の2つ以外に
中間停止で停止していることの確認用に
もう一つ必要になります。
⑦まとめ
エアシリンダーの中間停止は
可能ですが、以下の制約を受けます。
- 停止精度がない
- 基本的には水平
- 垂直の中間停止は調整が難しい
エアシリンダーの中間停止は
ダブルソレノイド3位置電磁弁を使います。
ダブルソレノイド3位置電磁弁には
- センタークローズ
- センタープレッシャー
- センターリリーズ
の3種類がありますが
それぞれにメリット/デメリットがあります。
これについては別記事で解説します。
本記事は以上です
最後まで お読み頂きありがとうございます