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機械設計歴20年以上のtsurfと言います
今回は以下に関する記事です
モーター選定の基礎 角速度と角加速度
ボールネジ機構の場合の求め方の例
⇩本記事は機械設計初心者の方で以下の方にオススメです⇩
サーボモーターの
選定計算をするにあたり
角加速度の求め方
を知りたい
⇩本記事を読むと以下が わかります⇩
角加速度を求める
方法を
わかりやすく説明します
①直動機構モデルと運転条件
サーボモーターを使用し、以下のような
直動機構を検討しました。
運転条件は以下です。
所要時間t0秒で 地点Aから 地点Bにワークを移動させます
距離 | ➡ | L | (mm) |
---|---|---|---|
減速比 | ➡ | 1/A | (無次元) |
所要時間 | ➡ | t0 | (sec) |
②角加速度の計算手順
算出の概要
上記の機構における角加速度を
以下の手順で算出します。
- 運転パターンの作成
- 運転パターンより運転速度の算出
- 運転速度と加速時間より角加速度を求める
注意点
角速度や角加速度の単位は度ではなく、
弧度法であるradianです。
⇩以下の記事を御参照お願いします⇩
手順1 運転パターンの作成
現在分かっているのは、以下のみです。
- 所要時間:t0(sec)
- 移動距離:L(m/sec)
- 減速比:1/A(無次元)
ここから 以下のような運転パターンが作成できます。
ここから 角加速度を求めるために運転速度から角速度を
求めなくてはいけません。
では 運転速度を分かりやすくもとめるために
上記の運転パターンを少し変えましょう。
これで 走行距離L(mm)の面積を求めやすくなりました。
加減速時間の目安はt1=t3=0.1(sec)です。
最終的に角加速度を算出した際に 許容角加速度を確認します。
従って 以下の式が成り立ちます。
運転速度v”(m/sec)
=走行距離L(m) ÷ {加速時間t0(sec) + 運転速度時間t3(sec)}
では、運転速度を角速度に換算します。
角速度Vθ(1/sec)
= (運転速度V”(m/sec) ÷ リードピッチPh(m/回転)) × 2π × A
V” | ➡ | 運転速度 | (m/sec) |
---|---|---|---|
Ph | ➡ | ボールネジの リードピッチ |
(m/回転) |
1/A | ➡ | 減速比 | 無次元 |
<注> 運転速度V”(m/SEC) ÷ リードピッチPh(m/回転)で
1(sec)あたりの回転数(回転/sec)となりますが
1回転は2π(ラジアン)なので2πを かけることで、
弧度法による 回転数表示 つまりは角速度となります。
なお 弧度法の単位ラジアンは無次元です。
手順2 角加速度の算出
では 角速度を求めましょう、
角加速度 aθ(1/sec²)
= 角速度Vθ(1/sec) ÷ 加速時間t1(sec)
Vθ | ➡ | 角速度 | 1/sec |
---|---|---|---|
t1 | ➡ | 加速時間0.1 | sec |
③計算
計算例(エクセル使用)
では 実際にエクセルで計算をしてみましょう。
以下の条件で計算します。
距離 | ➡ | L | 800 | mm |
---|---|---|---|---|
減速比 | ➡ | 1/A | 1/2 | 無次元 |
所要時間 | ➡ | t0 | 5 | sec |
ボールネジの リードピッチ |
➡ | Ph | 20 | mm/rotations |
角速度確認
角速度が算出されましたが
今回は定格回転3000rpmのサーボモーターを使用します。
運転速度V”(m/sec)の時に定格トルクで使用するため、
角速度Vθ(1/sec)が定格角速度以内かどうかを確認します。
⇩定格トルクと定格回転に関する参考記事⇩
サーボモーターの定格回転を角速度(1/sec)に換算します。
サーボモーターの定格角速度(1/sec)
(定格回転数(回転/min)より換算)
=3000(回転/min) x 2π ÷60(sec)
=314(1/sec)
従って、定格回転内であることが確認できました。
角加速度確認
角加速度はモーターの性能表に
定格角加速度 または、許容角加速度という表記で記載されています。
求められた角加速度が、許容角加速度以内であることを確認しましょう。
実際の計算例
以下の記事で、実際の計算例を解説します。
④まとめ
- 角加速度(1/sec²)はモーターのトルク計算に必要です。
- 角加速度(1/sec)=角加速度(1/sec)÷加速時間(sec)
- 従って角加速度を求めるには 角速度を求めなくてはいけない
- 角速度は運転パターンを作成して求められる
- 運転速度時に定格トルクで使用したい場合は、サーボモーターの
定格角速度以内である必要がある - 角加速度は、モーター性能より定格角加速度以内である必要がある
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本記事は以上です
最後までお読み頂き ありがとうございます