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機械設計歴20年以上T.surfと言います。
今回は以下に関する記事です。
【機械要素】
ロボシリンダ―とエアシリンダーの
使い分けの基礎的考え方
⇩本記事は以下の方にオススメです⇩
機械設計始めたばかりで
ロボシリンダ―と
エアシリンダーの比較が
わからない
⇩本記事を読むと以下が わかります⇩
ロボシリンダーと
エアシリンダーの
使い分けについて
私の経験則で解説します。
値段については、
会社の調達法など状況によりまちまちですので
参考程度にお願いします。
①結論
値段だけを見た使い分け
基本的にはロボシリンダ―に比べて
エアシリンダーのほうが安価ですが・・・
エアシリンダーでもタイプによって以下の
違いがあります。
ロッド付き エアシリンダー |
⇒ | 安価 |
---|---|---|
ロッドレス エアシリンダー |
⇒ | ロボシリンダ―と 値段の差が無くなってくる |
なので、ロッドレスシリンダーの場合は要確認です。
位置決め点数だけを
見た使い分け
単純な2点間搬送の場合 | ⇒ | エアシリンダー |
---|---|---|
多点数の位置決めがある場合 | ⇒ | ロボシリンダ― |
速度調整のしやすさだけを
見た使い分け
値段の観点からエアシリンダーを、まず検討する場合
設置場所をみます。
- エアシリンダーの場合、スピコンによる手動調整
- ロボシリンダ―の場合、制御上での調整
なので、エアシリンダーを、そこに設置した場合
速度の手動調整がしやすい場所かどうかを見ます。
調整と設置場所の兼ね合いを見た場合、以下となります。
設置場所がエアシリンダーが 見えるような調整しやすい場所 |
⇒ | エアシリンダー |
---|---|---|
設置場所がエアシリンダーが 見えないような調整しにくい場所 |
⇒ | ロボシリンダ― |
停止位置調整だけを
見た使い分け
値段の観点からエアシリンダーを、まず検討する場合
設置場所をみます。
- エアシリンダーの場合、
ストッパーや本体の位置変更による手動調整
- ロボシリンダ―の場合、制御上での調整
なので、エアシリンダーを、そこに設置した場合
停止位置の手動調整がしやすい場所かどうかを見ます。
設置場所がエアシリンダーが 見えるような調整しやすい場所 |
⇒ | エアシリンダー |
---|---|---|
設置場所がエアシリンダーが 見えないような調整しにくい場所 |
⇒ | ロボシリンダ― |
つまり・・・
以下の場合においては、
エアシリンダーのほうが圧倒的に有利です。
- 単純な2点間搬送
- ロッド付きエアシリンダー
- 機器の設置場所が調整しやすい
- 調整もそれほど精度が必要ない
一見すると、かなり限定された条件になります。
しかし、
設備において、意外とこういう機構は多いのでエアシリンダーは
コスト削減に対する貢献度は、まだ大きいです。
②エアシリンダーとロボシリンダ―の値段比較
エアシリンダーの値段について
エアシリンダーは、
- ロッド付き
- ロッドレス
で値段に大きな違いがあります。
ロッド付きエアシリンダーは
比較的安いです。
しかし、
ロッドレスエアシリンダーは型式にもよりますが、
下手をすると、ロッド付きに比べて2倍以上の値段の差が
開くこともあります。
ロッド付きエアシリンダーの場合
もともとロッド付きエアシリンダーで対応可能な場合
値段だけをみたらロッド付きエアシリンダーのほうが
有利となります。
この理由は、
- ロッド付きエアシリンダー本体が安い
- 制御機器であるスピコンや電磁弁なども安い
となります。
ロッドレスエアシリンダーの場合
ただし、ロッドレスエアシリンダーを使う場合は、
事情が違います。
ロッドレスは値段が結構高いので
上述のとおり、下手をすると型式にもよりますが
ロボシリンダ―と値段が大差なくなる場合もあります。
単純な2点間搬送の場合であっても、
ロボシリンダーの値段が少しくらい高い値段であれば、
調整の手間を考えた場合、
ロボシリンダ―のほうも検討余地は十分にあります。
③エアシリンダーとロボシリンダ―の位置決め点数比較
ロボシリンダ―は、
高精度の多点位置決めが可能です。
エアシリンダーは、水平姿勢の場合であれば、
中間停止は可能ですが中間停止の停止精度は低いです。
高精度の多点位置決めの必要がある場合は、
ロボシリンダ―での検討とならざるを得ません。
④エアシリンダーとロボシリンダ―の各調整比較
エアシリンダーの調整
エアシリンダーの調整は、
- 停止位置調整
- 速度調整
にしろ 全て手動となります。
停止位置の調整はストッパーなり、エアシリンダの本体の
位置調整などの手動調整です。
このため、エアシリンダーの各調整のためには、
そもそもが
エアシリンダーやスピコンなどが
調整できる位置にあることが必要です。
ロボシリンダ―の調整
ロボシリンダ―は、速度にしろ、停止位置にしろ
全て制御による調整で可能です。
このため、ロボシリンダーの各調整のため
ロボシリンダ―の位置に制限はありません。
ロボシリンダ―の場合は調整が難しいような
奥まった手の入らない場所でも可能です。
⑤まとめ
- ロボシリンダとエアシリンダの使いわけについて
- 値段を見た場合、ロッド付きエアシリンダーは値段が安い
- エアシリンダーは2点間搬送、
(水平の場合中間停止が可能だが精度は低い) - ロボシリンダーは多点位置決めが可能
- エアシリンダーは停止位置調整や速度調整は手動
- ロボシリンダ―は停止位置調整や速度調整は制御
- エアシリンダーは調整しやすい場所になくてはならない
- ロボシリンダ―は設置場所に制限はない
⑥ロボ路シンダーの選定に関する基礎知識
ロボシリンダ―の選定における基礎的な
可搬質量や加速度などの解説記事です。
ロボシリンダ―の選定における動的モーメントなど
ガイドの確認関わる項目については、以下を御参照ください
ロボシリンダ―のガイド確認に必要な
動的モーメントは何によって引き起こされるのか?
慣性力です。
ロボシリンダ―の停止精度についての確認の見方は
以下の記事を御参照願います。
本記事は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございます。