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機械設計歴20年以上のtsurfと言います
今回は以下に関する記事です
装置のエア消費量
エアシリンダの消費エア(NL/min)計算例
⇩本記事は以下の方にオススメです⇩
御客様から装置の
エア消費量を
求めるように言われたよ
⇩本記事を読むと以下が わかります⇩
エアシリンダーの
エア消費量を
ノルマルリッター毎分で
求めてみましょう。
①装置エアの消費量計算の理由
装置のエアの消費量を調べなくてはいけない理由として
御客様から、装置の消費エアの提示を求められることがあります。
理由は御客様の以下の都合が挙げられます。
- 工場の圧縮エアーを製造する
コンプレッサーの能力確認。 - ランニングコストの計算。
御客様から 装置エアーの消費量を求められた場合、
以下の方法があります。
- 実測
- 計算
今回は 計算での算出を解説します。
②補足:エア消費量測定の方法
その1 実測
装置が組みあがった後、自動運転をする際、
エアの供給ラインにデジタル流量計を付けて実測して
実測値の平均値をとります。
- メリット
エア消費量を比較的簡単に正確に測定できる。
デジタル流量計であれば、最初から
<NL/min> <L/min ANR>の単位で測定可能。 - デメリット
装置の組付けや調整が完了し、自動運転できるまで完成度を
高めないとできない
その2 計算
問題なのは、装置が組みあがる前に 御客様から
装置のエア消費量を知りたいと言われた場合です。
この場合 ある程度の推定値を算出するわけですが、
通常の装置でのメインのエア源は以下が、多いと思います。
- エアシリンダー
- エアブロー
このうち、エアブローに関しては、過去の経験則 実験値
などから推定値を出さざるをえませんが
エアシリンダーのエア消費量であれば、算出可能です。
③エアシリンダーの
エア消費計算の例
エアシリンダー1分当たりの
消費エア<L/min>の算出
以下のエアシリンダーでの例で解説します。
出力径Φ60<mm> ストローク300<mm>
最終的に 消費エアを<NL/min>で算出します。
ロッド付きエアシリンダーの場合
押出側エア消費量と引込側エア消費量は違います。
引込側がロッドの径分受圧面積が、小さくなるからです。
しかし、エア消費量を計算で求める場合、
この差は無視しても構わないでしょう。
このエアシリンダーの使用条件は以下です
- 装置使用するエア圧:0.5<MPa>
- サイクル:5<sec>で1往復
まず 1サイクル当りの消費エアを計算します。
注意点としては エアシリンダーの出力径やストロークを
<mm>から<m>換算します。
1サイクル当りのエア消費量v(L)
=(直径0.06<m> ÷ 2)² × 3.14 × ストローク0.3<m>
× 押出,引込 2 × 単位換算1000
=1.7<L>
上記より1<min>あたりのエア消費を計算します。
1<min>あたりのエア消費量v0<L/min>
=1サイクル当りのエア消費量 1.7<L>
× 60<sec> ÷ 1往復 5<sec>
=20.3<L/min>
エアシリンダー1分当たりの
消費エア<NL/min>の算出
では、ノルマルリッター<NL/min>に換算しましょう。
<L/min>から<NL/min>への換算式詳細は
以下の記事を御参照ください。
以下より、
V1 | : | 実質流量 | (NL/min) |
T0 | : | 温度 | (℃) |
V0 | : | 体積流量 | (L/min) |
P0 | : | 設定圧力 | (MPa) |
測定温度T0<℃>=25<℃>
体積流量V0<L/min>=20.3<L/min>*1
設定圧力P0<MPa>=0.5<MPa>
よって
1<min>あたりのエア消費v1<NL/min>
=111.8<NL/min>
これを、全てのエアシリンダーに対して行います。
④まとめ
- 装置のエア消費量は御客様から、提示を要求されることがあります。
- 計算で求める場合 エアブローの箇所は経験則や実績から推定
するしかありません - エアシリンダーに関しては、計算が可能です。
- 出力内径 × ストロークによる体積をリットル換算します。
- 動作頻度から消費エア<L/min>を算出
- 最終的に<NL/min>での換算をします。
本記事は以上です。
最後までお読み頂きありがとうございます
*1:1minあたりのエア消費v0 L/minのことです