tsurfの機械設計研究室

サーボモーターやエアシリンダの選定計算なども扱っている技術ブログです

スポンサーリンク


MENU

【機械要素】ボールスプラインとは

本ブログの御訪問ありがとうございます。
機械設計歴20年以上のT.Surfと言います。

 

今回は以下に関する記事です。

【機械要素】
ボールスプラインとは

  

  

⇩本記事は機械設計初心者の方で以下の方にオススメです⇩

f:id:tsurf:20210605171303p:plain
とある
初心者機械設計者

ボールスプライン
って何?

 

⇩本記事を読むと以下が わかります⇩

管理人T.Surf

ボールスプラインは
様々な応用的使い方
のある便利な部品です。

意外と使われませんが
知っておくと
問題解決に便利です。

 

 

①ボールスプライン概要

ボールスプラインとは
通常のリニアシャフトとリニアブッシュ
の組み合わせに対して

リニアシャフトに溝が切ってあるものです。

これにより

  • 回転を防ぐことができ
  • 溝へのボールの与圧により精度が出ます。

回転を防ぐことにより

通常のリニアシャフトとリニアブッシュでは
2軸運用が必須なのに対し
回転しないので、1軸運用が可能となります。

与圧による精度については
以下の記事を御参照願います。

ボールスプラインは

派生商品も多く様々な課題に対して
柔軟に対応できる機械要素です。

次項より、詳しく解説していきます。

 

 

②ボールスプラインの構造

ボールスプラインは以下のようになっています。

スプライン軸とスプラインナットからなっており
スプラインナットはフランジ部に
固定用の穴があり固定ができます。

スプライン軸には溝が切っており
断面で見ると以下のようになります。

スプライン軸に対してボール用の
溝が切ってあり、

スプラインナットのボールが与圧設定で
組み込まれます。

このボールがスプライン軸の回転を
防ぐととともに

スプラインナットを回転させた場合
スプライン軸にトルクが伝わり
回転させます。

 

 

③1軸でシャフトガイドが成立

場合によっては省スペース

ボールスプラインを使用すれば
LMガイドなどを使用せずとも
1軸で以下のようなガイドシステムを
構築できます。

このガイドシステムの利点は
高くなりますが、ワーク昇降部は
細くできるのでワークや周囲の状況に
よっては省スペースとなります。

 

なぜ、ボールスプラインを
使用すると1軸ガイドが可能なのか?
というと

ボールスプラインが
で回転しないからです。

 

これを通常のシャフトでやろうとすると・・・

 

通常のシャフトでは1軸ガイドはNG

先で解説したLMガイドを使用しない
1軸ガイドシャフトシステムを

通常のシャフトで組むと
致命的な欠点がありNGとなります。


シャフトとリニアブッシュでは回転してしまうため
成り立ちません。

ですので シャフトとリニアブッシュでガイド機構を
組む場合、通常以下のように2軸で組みます。

この場合 低くはなりますが広くなるので
場合によっては設置スペース的に不利になります。

 

 

④1軸で回転昇降が可能

このボールスプラインの派生商品を
使用すれば
1軸で回転昇降が可能です。

スプラインナットを回転させれば
スプラインナットのボールがスプライン軸を回転させて
トルクも伝えらえます。

それ用のユニットである
ロータリーボールスプライン
という商品があります。

別記事で解説

 

 

⑤ボールスプライン・ボールネジ

このボールスプラインの派生商品を
使用すれば

1軸で精密位置決め機構が可能です。
特にボールスプライン・ボールネジは
1軸で長くなりますが、細い機構が
可能となります。

別記事で解説

 

 

⑥まとめ:ボールスプラインをうまく使おう

ボールスプライン自体使用する機会は
あまりないかもしれません。

ですが、
何か困った時にボールスプラインを
頭の片隅に入れておけば
以外と様々な課題の解決になり得たりします。

 

以下のような派生商品も多いので

  • ロータリーボールスプライン
  • ボールスプライン・ボールネジ

ぜひ、頭の片隅に入れておきましょう。

 

本記事は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございます。

 

 

本ブログの文章や画像の無断転用を禁止します