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機械設計歴20年以上のtsurfと言います。
今回は 以下に関する記事です
解析について
(3DCADに搭載されている線形解析とは)
⇩本記事は以下の方にオススメです⇩
おっ 3DCADに解析ソフトがあるぞ
これで、強度検証は簡単にできるぞ
⇩本記事を読むと以下が わかります⇩
3DCADに搭載されている解析ソフトは
そのほとんどが線形解析です。
本記事で線形解析を理解した上で
3DCADの解析を行ってください。
今回の記事は、基本知識として
⇩以下の記事を御参照ください⇩
①結論
機械設計にも3DCACを導入していれば、解析を行う機会も
増えるかもしれません。
現在3DCADのデーターはソリッドデーターが主流なので
物性データーさえ入れれば
微小体積の変化を全体積分することにより解析ができます。
機械設計での用途は、やはり曲げ強度などの解析でしょう。
しかし、特に機械設計において、3DCADで解析を行っている場合
知っておかなくてはいけないことがあります。
その知っておかなくてはいけないこととは、
解析には以下の2種類があります。
- 線形解析
- 非線形解析
3DCADに搭載されている解析ソフトの多くは
線形解析だということです。
②線形解析
線形解析とは
参照データー:ヤング率のみ
曲げなどの解析で精度よく解析できるのは
図1の範囲Aである弾性範囲内のみ計算できる解析です。
しかし、
実際には図2の弾性限界を超えた範囲Bについても
解析してしまいます。
しかし、ヤング率しか参照していませんので、
どこまでも、比例が成り立つ前提であり、当然解析として
成り立っていません。
線形解析のメリット/デメリット
メリット
- 早く解析ができる
- ソフト自体、簡易的な解析ソフトのため
だいたい3DCADに内蔵されていたりする
デメリット
- 正確な解析ではない
- 解析結果が弾性限界範囲であるかどうかがわからない
③非線形解析
非線形解析とは
参照データー:応力歪線図
線形解析とは違い 実際の応力歪線図を入力して、
弾性限界以降における応力についても、精度のある解析となります。
非線形解析メリット/デメリット
メリット
- ある程度 精度のある解析ができる。
デメリット
- とにかく時間がかかる
経験上 その日に解析のセッティングをし、
次の日に解析結果が出るなんてことも - ソフトが高額
④万能ではない解析
線形解析だろうが、非線形解析だろうが、解析は万能ではない点に
留意が必要です。
- 固定条件が正確には設定できない。
固定条件は面と面などであるため ボルト固定などの条件は
付与できない。 - 削りだしや曲げなどの条件付けができない
同じL字でも 削り出しなのか 曲げなのかで
内部歪が違うので 厳密には違う結果が出るはずだが、
そこまで考慮できない。 - 解析結果を検証しないし、できない
実際問題として 解析結果が出ても、実際に検証はしないでしょう。
なので、実際と解析結果のズレがわからない以上、
どこまで信用できるかということです。
つまりは、設計者にとっての解析とは、参考や設計の理由付けに
すぎませんので、過信は禁物です。
特に3DCADに搭載されている解析は、弾性限界を超えても
解析してしまい、弾性限界を超えた結果であるかどうかも
分からないという点で、個人的には参考程度としています。
結局 やはり大事なのは設計者のカンです。
たくさん設計して、失敗も重ねて カンを磨いていきましょう。
⑤まとめ
- 解析には線形解析と非線形解析がある。
- 線形解析は簡易解析ソフトであるため3DCADにも
搭載されている - 解析時間も早い
- しかし 線形解析は、弾性範囲内の結果について
精度ある解析を示すが、弾性範囲外の結果についても、
弾性が成り立つものとして計算してしまう。 - 当然弾性範囲外の結果については、成り立っていない。
- しかし、解析結果が、弾性範囲内のものであるかどうかが
わからない
本記事は以上です。
最後までお読み頂きありがとうございます。