tsurfの機械設計研究室

サーボモーターやエアシリンダの選定計算なども扱っている技術ブログです

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外部パイロットの電磁弁使用例

本ブログの御訪問ありがとうございます。
機械設計歴20年以上のtsurfと言います。

今回は以下に関する記事です。

外部パイロットの電磁弁使用例

 

⇩本記事は以下の方にオススメです⇩

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とある
未経験機械設計者

電磁弁の
外部パイロットって何?

 

⇩本記事を読むと以下が わかります⇩

管理人T.Surf

外部パイロットについては
別記事で解説します。

本記事は管理人の経験で
実際の使用例を
解説します。

 

 

①結論

今回は、エアシリンダを低圧で使用する際に
外部パイロットを使用した例を解説します。

 

内部パイロット、外部パイロットについては
以下の記事を御参照してください。

  • 要は通常のエア圧で使用する場合は
    内部パイロット
  • 低圧運用したい場合は
    外部パイロット

と使い分けをします。

 

もちろん エアブローの電磁弁を
3ポートパイロット運用する場合も
低圧や真空を扱いたい場合は外部パイロットを
使用します。

 

 

②具体的な使用例

お客様からシャッターについて

お客様

作業者が手を挟んで
もケガをしないように
低圧かつ低速にしたい

 

というご要望がありました。

 

そこで、
管理人は以下の条件を満たすエアシリンダーを
探しました。

  • 最低動作圧が低い
  • 長ストロークで小出力径

 

当初、管理人は

管理人T.Surf

低摩擦シリンダー
などを使わなければ
いけないかな?

と思いましたが探せばあるもんですね。
通常のエアシリンダーでありました。

SMCのCJ2シリーズ
最低動作圧が0.06MPaです。

これでシャッターの重量物によっては
作業者が手を挟んでもかなりの低推力で済みます。

最低動作圧では使用するのは抵抗がありますので
このエアシリンダは0.1MPa運用をします。

すると通常で考えれば
内部パイロットの電磁弁を使い
エア配管は以下のようになります。

ですが今回はレギュレーターにより
エア圧を0.1MPaという低圧まで減圧しての
電磁弁使用となります。

次に念のために
操作用の5ポートダブルソレノイドの
電磁弁の使用条件を確認しました。

すると動作圧が0.1MPa~とありました。
この電磁弁の動作圧は内部パイロットだからです。

 

内部パイロットは内部に流れる流体を分岐して
スプールの動作に利用していますので

この電磁弁の動作圧とは
使用流体そのものの制限圧力です。

従ってパイロットエアにも使用されるので
動作圧が厳しく規定されます。

 

0.1MPa運用で最低動作圧0.1MPaは
さすがに抵抗があるので上記の配管系統図では
ダメです。

そこで、今回は
外部パイロットの電磁弁を考えました。

 

 

③外部パイロットの電磁弁を使用を検討

外部パイロットでは、パイロットエアを
外部の高圧エアラインから分岐して持ってくるので
低圧だろうが真空だろうが動作が可能です。

すると、以下のような系統図となります。



注意点としては外部パイロット用のエアは
高圧ラインから取るということです。

今回の上記の例では
レギュレーターより前段からとっていますよね。
レギュレーターより後段では0.1MPaに減圧されて
いるからです。

 

具体例として以下の例はNGです。


レギュレーターより後段の0.1MPaに減圧された
エアをパイロットエアラインとして
分岐したら何も意味がなくなってしまいます。

 

ともかく、以下のような

 

  • 電磁弁に外部パイロット
  • 高圧ラインからのパイロットエア供給

というエア回路を組んだ結果

これでエアシリンダーの低圧駆動回路が
成り立つことになります。

なおパイロットエアの排気については
メイン排気と同じ排気を取る電磁弁もありますので
その時の外部パイロット電磁弁の
御確認をお願いします。

 

本記事は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございます。

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