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機械設計歴20年以上のT.surfと言います。
今回は以下に関する記事です。
【機械設計者の雑記】
リスキリングによる
人材流動化の欺瞞
政府がリスキリングによる
雇用の流動化を
推進しているようですが・・・。
①雇用の流動化促進論 リスキリングによる転職
雇用の流動化を促進する論としてリスキリングという
言葉があります。
リスキリングとは
個人が賃金の高い業界へ
転職するためのスキル教育
ということらしいです。
なぜ、そんなことをするのでしょうか?
2022年10月の日経新聞より
岸田文雄首相は18日「キャリアアップを目指す人に専門家の意見も聞きながら、学び直し(リスキリング)から転職まで一気通貫で応援する制度を創設したい」と述べた。
ということらしいのですが
問題は、頼性のある政府などの公的機関が、
低賃金の方を対象にあたかも
『賃金の高い業界へ移動できる』ような謳い文句で
学び直しをによる転職を推奨するような発言を
することです。
リスキリングだろうと転職は転職ですよね?
- スキルを身に着けたとして、なぜ高賃金になると
言い切れるのかが不明 - そもそも、就職すらできるのか?
ということから疑問
なぜなら就職は、スキルを身に着けたとしても
その時の業界の動向(今はいいけど・・・)や
その人の年齢、学歴なども影響してくるからです。
なぜ、そんな不確実なものを
政府が無責任に推奨するのでしょうか?
同じ日経新聞の記事の最後に以下の文章があります。
賃上げが進まない理由について首相は「高い賃金が高いスキルの人間を引き付け、企業の生産性が上がって、企業の賃上げにつながるという前向きな好循環が実現できなかった」と分析した。
どうやら政府は、国民の賃金が低いのは
自分達の行ってきた間違った経済財政のせいではなく、
雇用の流動化がなされていないせいだ
と言いたいようです。
だから リスキリングによる転職なるものを
言い出しているようです。
②結論
リスキリングによる転職だろうと
なんだろうと転職は転職です。
転職である以上
- 給料が下がる可能性
- 思ったほど給料が良くない可能性
- 勉強が挫折する可能性
- 下手をしたら就職すらできない可能性
上記のリスクを理解と覚悟した上で
転職のための学び直しをするかどうか?
を判断しましょう。
『それでもその業界を目指すメリットを見出して
特定の業界に行くためのスキルを身に着けたい』
というあたり前の転職をしましょう。
そのような当たり前の転職であれば応援しますが、
まちがっても・・・
政府が推進してるんだから
学び直しさえすれば
高賃金間違いないよ
となってはいけません。
③問題点1:就職や給与向上自体の不確実性
そもそもですが、
政府がリスキリング転職を推奨する以上
勉強さえすれば
- 給与が確実に上がること
- 確実に転職できること
上記が完全でなくとも、
ある程度保証されていなくてはなりません。
そんな
夢のような業界って
どこでしょうか?
よくわかりません。
リスキリングで
スキルを身に
つければ賃金の
高い企業に転職
できるんですか?
いや、勉強でスキルを
身に着けることは
いいんですが、企業が
重視するのは実務経験
ですよね・・・
えっ?
リスキリングは
実務経験じゃ
ないんですか?
いや、リスキリング
自体は勉強であって
実務経験には
はいりません。
では、実務経験を
身に着けるには
どうしらいいですか?
まずは、
賃金が低くても、
雇ってくれる会社に
入社するしか
ないですよね。
そこで 1~2年程
度修行のつもりで
頑張るしかありません。
では、
そうすれば賃金の
高い企業に就職
できますか?
可能性があると
いうだけで断言は
できません。
賃金の高い企業は
他に現在の年齢や
学歴なども見る
でしょう。
現実を見ると、政府がリスキリング転職を推奨しても
転職は転職なんですよ。
④問題点2:想定したらありえないことになる
ついでに付け加えますが、
解雇規制緩和され
雇用の流動化が、リスキリング転職推奨によって
可能だとします。
すると・・・
賃金の高い業界がどこかわかりませんが
賃金の高い業界へ人材が移動していくと
その賃金の高い業界に人材が飽和状態となります。
すると
需要と供給の関係から、
賃金の高い業界も賃金が下がって
いくでしょう。
雇用の流動化は、
競争原理を招き
賃金がよくなる
という珍説を聞いたことがありますが、
だれとだれの競争なんでしょうか?
労働者同士の競争だとすれば
経営者にとって都合のいい
だれがより低賃金で働いてくれるか?
の絶望的な低賃金競争になると思いますが。
⑤まとめ
簡潔に
- リスキリング転職だろうと転職は転職
- どんな転職でも転職にリスクはつきもの
- 普通にありえない
となります。
世の中にうまい話しはりません。
政府による詐欺まがいのプロパガンダに
騙されないようにしましょう。