今回は雑記として
工数主義は技術衰退の一里塚
を話します。
企業は利益追求のために効率化を追求するでしょう。
ですが、行き過ぎた効率化は
装置メーカーにとって技術を衰退させる
要因にもなりえます。
会社によっては、工数にうるさい会社も
ありますよね。
例えば
おまえが
これだけ工数を
かけたせいで
見積金額オーバーだ
みたいな
はっきり言いますが
見積金額と実際に掛かった工数に因果関係
がないばかりか
そのようなことを言っていると
装置メーカーとして技術が衰退することになります。
なぜなら、工数を削減をすると
個々人が効率的な行動しかしなくなります。
つまり、
個々人が技術を伸ばすことをしなくなる
ということですよね。
なぜなら、新しいことをやろうとすると
- 案件の業務中に勉強をしたり
- 試行錯誤している時間であったり
- 初めてのことでミスをしたり
など非効率なことが出ますが
それが全て無駄な工数となり、評価が下がる
可能性を心配するからです。
管理人が前前会社で言われたのが
この会社の社員の
工数は6500円だ
だら〇〇時間だと
6500円×〇〇の
コストが掛かっている
それが設計コストだ
考えても見てください。
実際には、社員は
- 定時間内は月給制
- 残業時間は時給制
であるため
6500円×○○時間という単純で雑な計算では
実際の設計コストの算出は不可能であり、
現実とまったく整合していません。
また定時間内であれば
だらだらやろうがなんだろうが
コストは月給を上回ることはありません。
実際に1時間5000円失っているわけでは
ないんですよ。
つまり、正社員は月給制である以上
お客様に提出する見積工数は
作業費の根拠を見える化した
だけの便宜上の数字
でしかありません。
だからって
案件の見積金額を
実際の人件費が上回って
いいはずないだろ
そのとおりです。
管理人が言いたいのはそういうことではなく
設計者の実際の工数費計算なんて
工数6500円×〇〇時間というような
- 単純なものではないし
- そんな計算は正確ではない
ということを言いたいのです。
設計コストを正確に計算するには
個々人の作業時間を
定時間内と残業時間内を分けて計算する必要がある
はずです。
それぞれの中で案件に対する複雑な計算式が
展開されるはずです。
工数費5000円×〇〇時間なんて
不正確で雑なものを元に設計時間を見積時間以下に
制限することに何の意味があるのでしょうか?
そんなことを続けるとどうなるのか?
管理人が勤めていた前前会社の話をします。
管理人は開発部で設計をしていましたが、
受注装置設計部隊は設計工数時間縛りのため
設計歴が長い外注さんがメインの設計をして
社員がバラシなどの設計補助をする
つまり、
- 長くいる外注さんのほうが
ノウハウと実績があって
ミスも少なく結果として効率的 - 社員は、ノウハウも実績もないから
勉強し直すしミスもあるから非効率
ということでしょうね。
これを本末転倒と言います。
(なのでレベルが低い会社と判断し辞めました)
これを放置するとどうなるでしょうか?
外注さんが辞めた途端に会社のノウハウが消失します。
目先の工数による効率追求が
遠い将来の会社のノウハウ消失につながるのです。
設計工数至上主義の行き着く先は
ロクなものではない
ということですね。