tsurfの機械設計研究室

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【中小製造業の経営者様への提言】機械設計者の評価(成果主義の弊害について)

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機械設計歴20年以上のtsurfと言います

 

今回は以下に関する記事です

【中小企業経営者様への提言】機械設計者の評価(成果主義の弊害について)

 

 

⇩本記事は以下の方にオススメです⇩

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とある
中小企業経営者

これからは 実力主義にしていくぞ

 

⇩本記事を読むと以下が わかります⇩

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管理人TSURF

実力主義は 聞こえはいいだけで
やればよくなるとは限りません

見過ごされる弊害も著しいので
そのあたりを 解説していきます

 

 

 

 

①結論

成果主義 実力主義にしていきたいのであれば 

以下のデメリットを把握した上で推し進める必要があります

 

・会社全体の機械設計の技術力低下

・成果が業務内容に依存する点で不平等

・評価基準と現実のアンマッチによるモチベーション低下

・金で釣られる人材ばかりではない

・仕事が回らなくなる可能性

・自己責任論を体現したような評価制度

 

デメリットについて 以下 解説をしていきます

 

②会社全体の機械設計の技術力低下

成果主義 実力主義の評価制度は 

あなたの会社の技術力の低下を招く 恐れがあります

以下の理由からです

 

 

👉理由1:設計者同士の知識 スキルの共有がなくなる

各設計者が自身の持っている知識 スキルを平行展開したがらなくなるからです

なぜならば 成果主義 実力主義において 

周りは蹴落とすべきライバルであり 知識 スキルを共有する理由がないからです

 

👉理由2:先輩による後輩に対しての教育の質が悪くなる

後輩といえど 成果主義 実力主義においては将来のライバルです

将来の憂いの芽は 早めに摘み取っておくことに越したことはありません

 

 

👉中小企業経営者である あなたの言い分

中小企業経営者である あなたから見れば 以下のように思うでしょう

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とある
中小企業経営者

設計者同士のスキル、知識の共有や
後輩に対する教育をするのも
成果のうちだ

しかし それはあくまで あなたの論理です

 成果主義 実力主義の中に身を置かれている機械設計者の身になって考えて下さい

 

自身のスキル 知識を平行展開して 

成果という評価を貰っても その評価はその期だけの評価です

 

来期からは 

自身のスキル 知識を平行展開したばかりに過酷な競争となるでしょう

 

 

 

③成果が業務内容に依存する点で不平等1

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会社全体を見た場合の不平等

部署により 成果の出しやすい部署と 成果の出しにくい部署があります

 

会社には 様々な部署があり それぞれ役割を与えられています

大きく分類すると ⇩以下⇩に分かれます

●直接 利益に直結する部署

●直接 利益には直結しないけど必要な部署

 

直接 利益に直結する部署

これは 機械設計や組立 加工や営業といった部署が挙げられます

これらの部署は 

会社に直接 利益を引っぱってくるので 成果を出しやすい部署です

 

また 利益に直結することから

常に解決すべき課題が 後から降ってわいてくる状態で

改善の余地があるといった点でも 成果が出しやすい部署です

 

直接 利益に直結しないけど必要な部署

経理や購買 検査や品質保証などの部署です

利益に直結はしませんが 重要な部署です

 

こういった縁の下の力持ちがいることによって 

先ほど挙げた 利益に直結する部署が 後顧の憂いなく力を発揮出来るのです

 

しかし 事務作業的側面もあり 

解決すべき課題が降って沸いてくるわけではありません

 こういった部署は 目に見える成果を出しにくいと言えます

 

つまり・・・

こういった様々特性がある部署があるにも関わらず 

一律で成果で評価すること自体すでに 不平等なのです

 

④成果が業務内容に依存する点で不平等2

 会社全体でみても すでに不平等ですが

同じ機械設計という部署でも 振られた業務に

『成果の出やすい業務』と『成果の出にくい業務』という不平等があります

 

管理職が意図的に 

一定の設計者に成果の出しやすい業務をふったり

一定の作業者に成果の出にくい業務をふったりということがありえます

 

その中には 入ってきた新人とベテランとの差別という 

仕方ないものもあります

 

しかし 中には管理職の好き嫌いで そうしていることもあるでしょう

 その場合 中小企業経営者である あなたが 

そこまで部署に立ち入って管理できますか?

 

⑤評価基準と現実のアンマッチによるモチベーション低下

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露骨な成果主義のもとでは 

会社側が何を持って成果 実力とするかの指標があるでしょう

 

しかし 機械設計者側も

今期は これを これだけ頑張ったという認識があります

 

これらは 必ずしも一致するものではありません

 

そもそも 作業者が 頑張らなくてはいけないこと やるべきことが

ことごとく 会社の求める成果や実力に一致するわけがないですよね?

 

すると 本人なりの努力が 報われず

モチベーションの低下に繋がります

 

 

⑥金で釣られる人材ばかりではない

👉大前提として

確かに 仕事はお金を稼ぐためのものです

 

しかし 中小企業である あなたの会社に在籍している理由は

お金ばかりではありません

 

というか 会社に依存し いい給料を貰って過ごしたいと考えるならば

少なくとも 機械設計より 割のいい仕事はあります

 

中小企業である あなたの会社に機械設計者が在籍している

理由は以下が考えられます

 

●大企業にない居心地のよさ

●大企業にない成長の実感

●将来 フリーンラスなど独立のためのスキル習得

 

 

👉大企業にない居心地の良さを求めている場合

成果主義 実力主義により 

回りの仲間が蹴落とすべき ライバルになった時点で

あなたの会社に在籍する理由を無くします

 

 

👉大企業にない成長の実感を求めている場合

成果主義 実力主義により 各自の持っているスキルの

平行展開がなくなり 成長ができなくなった時点で

あなたの会社に在籍する理由を無くします

 

 

👉将来 フリーンラスなど独立のためのスキル習得

つまり あなたの会社に在籍している理由が

遠い将来 フリーランスとして独立するための設計スキル習得や

将来 どんなことがあっても困らないスキルを身に付けたい

といった理由もあります

 

きつい言い方になってしまいますが

あなたの会社だって 今後 どうなるかわかりません

そういう意味では あなたの会社を利用している機械設計者もいます

 

それは悪いことではありません

お互いが お互いを利用し合う 共存の一つだと思います

 

こういった人材は 

成果主義 実力主義による 回りのライバルとの競争なんかより

大切な目的がありますので付き合いきれなくなるかもしれませんね

 

 

 

⑦仕事が回らなくなる可能性

成果主義 実力主義のもとでは

評価される者 評価されない者にわけられます

 

④で指摘したとおり 

管理職の好き嫌い運用で 仕事が集まったから評価された可能性もありますが

評価される者は 給与もupしモチベーションも上がるでしょう

 

では 見捨てられた評価されなかった者はどうなるでしょう?

 

このように 成果主義のもとでは スキル モチベーションに格差がでます

エリートと底辺の2極化です

 

③~⑥で指摘しましたとおり 

機械設計者のモチベーションを下げる要因も多くなることにより 

わざわざ 低スキル 低モチベーションの設計者を 

作っていることが わかりますでしょうか? 

 

そんなことをすれば 仕事が回っていかなくなりますよね?

 最終的に首が締まるのは 中小企業経営者である あなたです

 

⑧自己責任論を体現したような評価制度

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会社が自己責任論を振りかざす矛盾

自己責任論は権威を持つ者にとって 非常に都合のいいものです

 

本来 会社は社員全員のスキルを向上させることにより 

社員全体を豊かにするものだと思います

 

しかし 自己責任論の元では 社員の給与が低いのは 社員のせいにできます

会社側は責任や義務を負わないというスタンスです

 

まともな 会社経営下では 

評価されなかった者の評価されない原因は

本来 会社そのものの教育力や指導力の無さにあるにも関わらずです

 

 

 

自己責任論の果てにあるもの

評価されない原因を 従業員に帰す 無責任な成果主義 実力主義

まぁ それならそれで いいでしょう

しかし それで成り立つのは 一部の大企業のみではないでしょうか?

 

評価されず スキル モチベーションの下がった設計者は使い物になりません

どうしますか?

切り捨てますか?

というか 機械設計者のほうから 愛想をつかし辞めていくでしょう

 

その場合 人員を補充しなくてはいけません

しかし 中小企業である あなたの会社に 

優秀 かつ 就業を希望する人材が 溢れていますか?

 

また そのようになるように 

基本給や年間休日 他 待遇面を大企業並みにできますか?

 

そうでなくては 貴重な機械設計者が減っていくばかりとなります

 このように ⇩⇩

切り捨てた人員の 代替え補充が 容易であることが

成果主義 実力主義の大前提となる根本のさらに根本と言えます

 

 

⑨まとめ

何でもそうだと思うのですが

その会社にあった 評価方法や やり方があります

 

実力主義 成果主義はそれが成り立つような環境があってこそ成り立つのです

その環境とは 切り捨てた者の代替え人員が容易に補充できるような環境です

 

また設計者が 今の会社に在籍している理由は お金ばかりではありません

大企業にない 居心地のよさ 成長できる環境なども その要因の一つです

 

その 居心地のよさ 成長できる環境 は中小企業だからこそ

窮屈な大企業以上に 実現できるものだと考えます

 

つまり 成果主義 実力主義は 中小企業の持つ良さを

わざわざ 捨てるものだと考えます

 

また まさかとは 思いますが

若い子が 実力主義にして欲しいと言われて

感化されたのだとしたら よほど 底の浅い人と思われかねません

 

本記事は以上です

最後まで お読みいただき ありがとうございます