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機械設計歴20年以上のtsurfと言います。
今回は 以下に関する記事です。
未経験で機械設計技術者へ
就職するために必要なスキル
(よく言われる4大力学の考察)
⇩本記事は以下の方にオススメです⇩

機械設計の職に
就くにあたり
4大力学の習得が
必須って聞いたよ
⇩本記事を読むと以下が わかります⇩
本記事は機械設計業界に未経験で
新卒での就職や転職を考えている方向けです。
機械設計に就くにあたり
4大力学の必修が条件
なんてものはデマです。
機械設計に就くのに
必須なのは
せいぜい高校物理です。
①機械設計という職について
はっきり言いますが
機械設計と言えど単なる仕事の一つに過ぎません。
確かに技術職ではあるので、
- 実際の業務では 知識、スキルが必要
- 未経験転職では年齢が上がっていくほど不利
というのは、認めます。
しかし、

機械設計職に就くには
4大力学の習得が必須だ
会社じゃ教えてくれないぞ
と言うような
やたら敷居が高いかのような論調には共感できません。
なぜなら、
実態とかけ離れすぎているからです。
しかも機械設計だけではないのですが
必要な知識、スキルは 4大力学だろうとなんだろうと
『会社が業務の中で教育する』
というのが基本です。
それすらできない会社に未来はありません。
②結論として4大力学の習得は必須ではない
よく言われる
4大力学とは 以下のジャンルだそうです。
- 機械力学
- 材料力学
- 熱力学
- 流体力学
たしかに機械力学は必須ですが、
高校物理程度でOKです。
その他の 材料力学 熱力学 流体力学については、
これら全てが必要というわけではありませんし、
必要な知識は、ほんの一部です。
なぜなら、あなた が就職した会社の扱う装置によって
- どのジャンルの知識が必要になるのか
- どの程度の知識が必要になるのか
が違うからです。
従って 本当の意味で材料力学、熱力学、流体力学が
必要になってくるのは、
実際に、あなた が装置メーカーに就職して、
かつ設計ができるようになった後です。
確かに機械設計において高校物理以外の
4大力学は使わないわけではないが
高校物理以外は極めて限定的なものです。
都度、計算式を調べて業務をこなす
と言う程度ですよ。
つまり、未経験の方にとって
必要だとしても高校物理であり、

機械設計職に就くには
4大力学の習得が必須だ
会社じゃ教えてくれないぞ
なんてものはデマと断言しなくてはならず
- 取るに足らない小さいマウント発言か
- もしくは実態を知らない外野の妄想
のどちらかです。
③4大力学個別考察
機械力学
『物体の運動』や『物体に掛かる力』を扱う学問です。
しかし、機械設計をするにあたり、
- 『慣性』
- 『力は加速度に比例する』
という高校物理の基礎が理解できていれば、十分です。
これさえ理解できていれば、以下ができます。
- エアシリンダーの選定計算の理解
- 慣性モーメントの理解の追加により、モーターの選定計算の理解
- 物体に掛かる力の算出
ましてや、物体に掛かる力に関しては、
実際には経験則的にあきらかに問題ない箇所については考慮しません。
あきらかに、強い力がかかる箇所のみを考慮します。
なるべくですが、高校物理は理解しておきましょう。
⇩高校物理(機械力学)の基礎です⇩
材料力学
材料の変形などを扱う学問です。
よほど 特殊な装置でなければ、必要とされる知識は
強度計算くらいでしょう。
さきほどの機械力学によって、物体に掛かる力を算出し
その後、材料力学によって変形量などを見ます。
しかし、これも上述のとおり、
通常であれば、あきらかに強い力がかかる箇所のみを考慮します。
特段 異常な力の掛かる要素のない装置であれば
材料力学計算を、まったく必要としないなんてケースもあります。
ましてや、小さいワークを扱う小型の装置であれば、
必要とされる可能性はまずないです。
また、仮に強度計算が必要な場合であっても、
高校物理が基礎として理解があれば、
参考書を一日読み込めば支障なく業務を遂行できる
レベルのものです。
上記の経験をもって材料力学を究めたとは言えませんし
究める必要もありません。
⇩強度計算(材料力学)の例です⇩
熱力学
熱を扱う分野の装置というのは
結構限られた業界です。
かつて、私はの半導体のシリコンウェハーの洗浄機の装置を
設計したことがありました。
シリコンウェハーを搬送機構で搬送して、
ウェハーを洗浄するのですが
洗浄液である薬品を、ヒーターで加熱する必要があり、
加熱に必要な出力のヒーターを選定する必要があります。
そのために
ヒーターの出力を選定する計算のために必要でした。
ただし、少し調べれば、簡単な熱力学の式であり、
奥深く勉強までは、しませんでした。
従って、機械設計において 熱力学そのもの
(しかもほんの一部)は必要ですが
上記の経験をもって熱力学を究めたとは言えませんし
究める必要もありません。
熱力学が必要なのかどうかは、
あなた が入った会社がどういった装置を、
扱っているかによります。
流体力学
私は この流体力学にお世話になったことがありません。
従って 私は、流体力学については無知です。
そもそも、

機械設計職に就くには
4大力学の習得が必須だ
会社じゃ教えてくれないぞ
と言っている方に聞きたいのが、
流体力学はどのような装置の設計で必要なのでしょうか?
まさかエアブローの
流量計算でしょうか?
そんなものはほぼ経験則で配管径を決めて
そこから電磁弁の大きさを決めます。
だいたい配管だって現場で
どのように組むかわからないのに流量計算なんて
できないですよ。
そんなものに貴重な時間を割きません。
真空ポンプの能力計算?
真空ポンプメーカーのカタログにも
載っているような簡単な計算式をもって
流体力学が必要などと言うのでしょうか?
④モーターやエアシリンダの選定計算
エアシリンダーやサーボモーターの
選定計算は敷居が高いように見えますが
高校物理がわかれば大したことありませんよ
エアシリンダーについては、高校物理ができれば十分です。
高校物理を理解した上で
⇩以下の記事をご参照ください。⇩
サーボモーターの選定計算のために、まず慣性モーメントの
概念を理解しましょう。
⇩以下の記事をご参照ください。⇩
記事中に、慣性モーメントの式への記事のリンクもあります。
次にサーボモーターの選定計算の理解にチャレンジしてみましょう。
⇩以下の記事をご参照ください。⇩
上記が理解できれば
モーターを使った他の機構の選定計算や周辺知識も学びましょう
⑤あなた達を委縮させるネット記事は気にするな
前述したとおりですが、機械設計と言っても
数ある中の職業の一つにすぎません。
ネット上には、やたら機械設計の敷居を高くして
未経験の方を委縮させるような意見が散見されます。

機械設計職に就くには
4大力学の習得が必須だ
会社じゃ教えてくれないぞ
はっきり言ってこれらはデマです。
自身の仕事に誇りを持つのは結構ですが、
未経験の方を委縮させることに何のメリットが
あるのでしょうか?
そんな小さい優越感に浸って楽しいのでしょうか?
もしこれが機械設計者以外の発言だとしたら
それはそれで実態を知らない外野の妄想です。
こういったネット上に飛び交っている意見に
いちいち耳を傾けてはいけません。
いままでの解説の中で、以下が理解できたと思います。
- 機械設計という職に就いた後であれば
身に付けるべきスキルは山ほどあります。 - しかし、機械設計という職に就くまえから
身に付けなくてはいけないスキルは
基本的にありません。
あったとしても高校物理程度です。
デマを鵜呑みにしてはいけません。
時間は有限なものもです。
デマに振り回されて浪費する必要のない時間を
浪費してしまうのだけは避けて欲しいものです。
以下の記事で実際にはどうなのか?
を解説していこうと思います。
本記事は以上です。
最後までお読みいただきありがどうございます。