本ブログの御訪問ありがとうございます。
機械設計歴20年以上のtsurfと言います。
今回は以下に関する記事です。
サーボモーターと
ステッピングモーターの特性や
位置決めの違い比較
⇩本記事は以下の方にオススメです⇩
サーボモーターと
ステッピングモーターって
具体的な違いを知りたい
⇩本記事を読むと以下が わかります⇩
今回はモーター毎
の解説ではなく
比較という形で
簡易的にまとめます。
①前置き
本記事では
サーボモーターとステッピングモーターの
位置決めの違いについて比較を解説します。
サーボモーターとステッピングモーターの
個別特性と個別の位置決めなどについては
以下の記事で解説をしていますが
本記事は具体的な比較をしたいと思います。
②分解能と位置決めの比較
置決め動作の際にまずは、
上位ユニットである位置決めユニットから
ドライバーに対して
指令パルスと言う形で以下のパルス信号が送られます。
- 単位当たりのパルス数が運転速度
- 総パルス数が移動したい距離
に相当するわけですね
この時にサーボモーターと
ステッピングモーターで何が違うのか?
以下となります。
-指令パルスの対応先-
- サーボモーターは
指令パルスはロータリーエンコーダーの
分解能に対応しています。 - ステッピングモーターは
指令パルスはステップ角に対応しています。
-分解能の違い―
- サーボモーターは
分解能が非常に細かいです。
例えば分解能22bitで8.58×10-5 ° - ステッピングモーターは
分解能は細かくありません。
5相ステッピングモーターで0.72°となます。
(高分解能タイプで0.36°)
ステッピングモーターは
サーボモーターと比較すると分解能は細かくありません。
ですが、通常の装置では、サーボほどの細かい分解能が
必要かどうかです。
-ドライバーの駆動電流の作り方の違い-
- サーボモーターのドライバーは
エンコーダーからのフィードバックを受けて
随時適切な駆動電流を作りますが - ステッピングモーターのドライバーは
指令パルスの内容の駆動電流化したものを
モーターに送ります。
つまり、サーボモーターのフィードバック制御は
ロータリーエンコーダーからのフィードバックパルスを
受けて常に最適解を計算して駆動電流をモーター本体に送る
と言う複雑なものですが
ステッピングモーターのオープンループ制御は
指令パルスを単に駆動電流に変換しているだけ
というシンプルなものです。
またこのことは以下のことにもつながります。
- サーボモーターは
フィードバック制御なので脱調がない - ステッピングモーターは
オープンループ制御なので脱調の可能性がある
まぁ ステッピングモーターはロータリーエンコーダーを
搭載ていないので当然と言えば当然ですが・・。
ですが、脱調が気になる場合は、
ロータリーエンコーダーを搭載した
脱調レスステッピングモーター
の選択肢があります。
③特性の比較
-トルクの特性-
- サーボモーターは
高回転でも高トルクを維持できる - ステッピングモーターは
低回転でのトルクは高いが
高回転になるほどトルクが小さくなっていく
-トルクの制御-
- サーボモーターは
電流値(トルク)を制御できる - ステッピングモーターは
電流値(トルク)を制御できない
つまり、ステッピングモーターは
1ステップ回転する毎に
必ず規定の電流値(単位当たりの電流量)が必要
になります。
ステッピングモーターが
高回転になると低トルクになるのは
高回転では、ステップ間の時間が短くなり
モーターが受け取る総電流量が
減ってしまうために起こる現象です。
ですが、サーボモーターは
トルクが必要な場面(例えば加速運動時)では
電流値を大きくすることによトルクを大きくし、
トルクが必要ない場面(例えば慣性運動時)では
トルクを抑制することにより
電流値も抑制するということをします。
つまり、
サーボモーターは省電力
(ステッピングモーターに比較して)
と言えます。
これはそのままモーター本体の発熱量にも
影響してきて
ステッピングモーターは熱くなりやすいです。
④値段の比較
これは一概には言えないのですが
低回転運用に限定して言うと
- サーボモーターは高額
- ステッピングモーターは比較的安価
ということが言えると思います。
これは、
モーター本体の構造も
ステッピングモーターのほうが単純
というのもありますが、
ドライバー自体も先述したとおり
- サーボモーターのドライバーは常に最適解の計算
して駆動電流を作るという複雑な作業をしている - ステッピングも―ターのドライバーは
受け取った指定パルスの駆動電流化という単純な
作業をしている
という違いがあります。
⑤比較からわかる使い分け
以上から見ると
サーボモーターとステッピングモーターの
明確な使いわけが見えてくると思います。
サーボモーターは
- 高回転運用が必要
- 高分解能が必要
- (脱調が気になる)
などの状況下でサーボモーターを選定
することになると思います。
ですが
ステッピングモーターは
- 低回転で十分
- そこまで高分解能は必要ない
- (脱調は問題ではない)
という状況下でステッピングモーターを
選定することになります。
ここで脱調に関して( )扱いにしているのは
脱調が気になる場合は
脱調レスステッピングモーター
という選択肢もあるからです。
本記事は以上です。
最後までお読み頂きありがとうございます。