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サーボモーターとステッピングモーターの位置決めの違い

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今回は以下に関する記事です

サーボモーターとステッピングモーターの位置決めの違い

  

⇩本記事は以下の方にオススメです⇩

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とある
未経験機械設計者

サーボモーターと
ステッピングモーターって
位置決めがどう違うのよ

 

 

 

⇩本記事を読むと以下が わかります⇩

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管理人TSURF

以下を解説します
サーボモーター⇒クローズループ制御
ステッピングモーター⇒オープンループ制御

 

  

 

①結論

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サーボモーターとステッピングモーターは

同じ 高精度な位置決めができるモーターですが

位置決めの仕組みが違います

 

サーボモーターのクローズループ制御概要

サーボモーターは本体に 

ロータリーエンコーダーという回転角度検出センサーがついています

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サーボモーターのドライバーは 

モーターを 位置決めユニットからの指令通りに動かします

 

サーボモーターは この回転検出センサーから報告される 

現在の位置や速度を確認して 目標値に向かって駆動させます

 

もし 何かの不具合で 現在値が少しずれたとしても

ロータリーエンコーダーから 現在値のズレも報告されますので

修正され 目標値に向かいます

 

 

ステッピングモーターのオープンループ制御概要

ステッピングモーターは モーターの特性として

駆動電源1パルス与えたら 1ステップ角度進んで停止するという 

ACモーターにない特性があります

 

ステッピングモーターのドライバーは 

モーターを 位置決めユニットからの指令通りに動かします

 

モーターへ発信した 駆動パルス分進んだら そこで止まる性質があるので 

目標値分の駆動パルスを与えれば そこで 停止します

 

つまり 位置決めするだけなら 

ロータリーエンコーダーからの報告を必要としません

 

ただし 何かの不具合で 現在値が少しずれたとしても

ロータリーエンコーダーから 現在値のズレが報告されないので

脱調と言って 位置が修正されません

 

補足 サーボモーターとステッピングモーターの停止特性比較

👉 各モーターの回転後の挙動の違いから見る制御方法の違い』

ステッピングモーターは ドライバーから 1パルス回転の駆動電流を

供給されると 1ステップ角回転して 完全停止します

 

しかし ACモーターは ドライバーから 1パルス回転の駆動電流により

回った後 完全停止できません

惰性で 回転し続けようとします(まぁ 機械摩擦でいずれ止まりますが)

 

だからこそ 精密な位置決めをしようと思ったら

ロータリーエンコーダーによる監視が必要なのです

 

 

👉 各モーターの位置決め完了時の停止状態の違い』

また サーボモーターは あくまでモーター特性上は

ステッピングモーターのように位置決め後の完全停止もできません

 

モーター特性上は

ロータリーエンコーダーの分解能の±1パルス分 行ったり戻ったりを

繰り返しています

 

機械摺動部の摩擦が大きい場合は 問題ありませんが 

摩擦が小さい場合 微振動として 現れる場合もあります

 

 

 

 

②位置決めとは

モーター駆動で回転 直動させている場合

ある停止位置に繰り返し 同じ位置で精度よく 止まれることを指します

 

装置内では常に 搬送駆動などをしており

この精度如何によって 装置内の搬送の受け渡しが失敗したり

するので とても重要になってきます

 

搬送エラー頻繁な装置は品質の悪い装置となり 使い物になりません

 

位置決めの中でも精度が低くても構わず 停止点数が少ない場合は

通常の安いモーターとセンサーの検知による停止の組み合わせで構いません

 

しかし高精度な位置決めが必要であったり 多数の停止点が必要な場合は

次項で説明する サーボモーターやステッピングモーターが必要でしょう

 

(あまり停止点数が多いと精度が低くてOKでもセンサーの数などで

サーボの値段を上回る場合がでてくる)

 

③ボールネジ機構での位置決め

説明用モデル解説

ボールネジ機構を例に各モーターに関して詳しく説明します

以下の例のように 現在の位置A地点からB地点に行けと指示が出たとします

 

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●移動距離を⊿L(mm)とします

●ボールネジリードピッチをPh(mm/roll)とします

 

位置決めの基礎

サーボモーターにしろ ステッピングモーターにしろ

 

まずは 上位ユニットである 位置決めユニットから

モーターのドライバーに A地点からB地点に向かうための

回転数と回転速度の情報を 入力パルス列信号と言う形で発信します

 

この場合の 回転数と 回転速度は ボールネジ機構において

以下に影響してきます

回転数 移動距離
回転速度 直動時の移動速度

 

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👉 総パルス数について』

1パルスあたり 1分解能分の回転の指示です

サーボモーターの場合 ロータリーエンコーダーの分解能
ステッピングモーターの場合 1ステップ角の分解能

(通常 そのように制御設計をします)

つまり 総パルス数とは 総回転数となります

 

👉 単位時間当たりのパルス数について』

単位時間当たりのパルス数は 単位時間の回転数に相当してきます

 

👉つまり・・・』

入力パルス列信号の 総パルス数と 単位時間当たりのパルス数の関係は

以下となります

 

総パルス数 回転数 移動距離
単位時間あたりの
パルス数
回転速度 直動時の移動速度

 

例えば 

以下の条件を想定した場合の総パルス数Pkを計算します

●移動距離⊿L=200mm

●ボールネジのリードピッチPh 5mm

●モーターの分解能A 1000P/REV

 (一回転当たりのパルス数)

Pk=⊿L ÷ Ph x  A=200 ÷ 5 x 1000=40000

つまり 位置決めユニットから 40000パルス発信することになります

 

 

 

④サーボモーターの位置決め

位置決めユニット⇒ドライバー⇒モーターまでの流れ

位置決めユニットから 

モータードライバーに 入力パルス列信号を発信

   ⇩

ドライバーは 入力パルス列信号を

実際にモーターを動かす 駆動電源に変換して モーターを動かします

   

サーボモーターの位置決め

サーボドライバーは 駆動電源でモーターを動かしますが

それと同時に

モーターについているロータリーエンコーダーから

現在の速度や回転数(現在の位置)をパルス列信号として報告されます

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上記のようにして 高精度な位置決めをします

 

 

 

 

⑤ステッピングモーターの位置決め

位置決めユニット⇒ドライバー⇒モーターまでの流れ

位置決めユニットから 

モータードライバーに 入力パルス列信号を発信

   ⇩

サーボドライバーは 入力パルス列信号を

実際にモーターを動かす 駆動電源に変換して モーターを動かします

 

   

ステッピングモーターの位置決め

ステッピングモーターは 冒頭で説明したとおり

1パルスあたり 1ステップ角回転してとまると言う特性から

発信パルス数と回転数が完全に同期します

 

従って ロータリーエンコーダーがなくても 高精度な位置決めができます

 

ただし ロータリーエンコーダーの監視がないので

外部の外力によって 大きくズレが生じた場合は 位置を見失います

 

 

 

⑥まとめ

 

●サーボモーターとステッピングモーターは高精度な位置決めができる

●サーボモーターとステッピングモーターは位置決めの仕様が違う

●サーボモーターは クローズループ制御

 ロータリーエンコーダーからの 現在の回転数と回転速度の情報を元に

 ドライバーが 目標値に向かって制御をする

●ステッピングモーターは オープンループ制御

 1パルスで1ステップ角回転して停止する

 つまり 発信パルス数と 回転角度が同期しているので

 エンコーダーが必要ない

 

本記事は以上です

最後までお読み頂きありがとうございます