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機械設計歴20年以上のtsurfと言います。
今回は以下に関する記事です。
【強度計算の基礎】
応力 応力歪線図 ヤング率
⇩本記事は以下の方にオススメです⇩
強度計算の基礎を知りたいんだけど
⇩本記事を読むと以下が わかります⇩
基礎として
応力、応力歪線図、ヤング率
について説明します
①結論
『👉 応力とは』
その材質を 引っ張った時
内部で それに対抗する1mm2 あたりにかかる力のことを差します
(詳しくは後述します)
『👉 応力歪線図とは』
ある材質の伸び率と 応力の関係図です
材質毎に違います
(詳しくは後述します)
『👉 ヤング率とは』
応力歪線図において 伸び率と応力が比例関係にある
弾性範囲内の状態の比例定数です
材質毎に違います
(詳しくは後述します)
②応力
例えば 金属の丸棒を引っ張ったとします
すると内部でそれに対抗する力が発生します
単位面積(1mm2 )あたりに発生する内部の対抗力を応力と言います
図1 応力とは
力を面積で割ったものなので単位はN/mm2です
以下 例で解説します
図2 応力計算例
この例だと σ=Wa/Aより
外力Wa(N) | 面積A(mm2 ) | 応力σ(N/mm2 ) |
---|---|---|
200 | (30/2)2 x 3.14 | 0.3 |
0.3N/mm2の応力がこの丸棒の断面に掛かっていることになります
③応力歪線図とヤング率
応力歪線図
応力歪線図とは 図1のように ある材質の試験片に
引っ張り荷重をかけた時の内部応力と
それに応じた歪の関係性をグラフで図2で表したものです
注意としては 歪は伸び率です
歪とは ある試験片の長さをL(mm) として
ある引っ張り荷重を加えた場合 ⊿L(mm) 伸びたとします
歪は⊿L/Lで伸び率で単位は無次元です
図3 応力歪線図の例
範囲A
この範囲Aと記載のある部分は 弾性範囲であり 以下の特徴があります
- 伸び率と引っ張り応力が比例関係で成り立つ
- 引張荷重を加えてる間は変形しているが、荷重を
開放すれば、元に戻る
この弾性が成り立つ範囲(図中範囲A)の比例定数を
ヤング率といい、材質毎により異なります。
ヤング率は 撓み計算などに用いられます
⇩実際の強度計算の計算例です⇩
範囲B
弾性範囲である範囲Aを超えて範囲Bに入ってしまうと
荷重を開放しても元には戻らず 永久変形をしてしまいます。
つまり 引っ張たら 引っ張ただけ伸びていき、最終的には
破断します。
よく引っ張り強さ270N/mm2だとか言って
引張破断強さを 引っ張り強さで計算している人がたまにいます
しかし 引っ張り強さとは グラフにもあるとおり
それ以上荷重を加えると破断してしまうという値です
つまり 引っ張り強さとは伸びに伸びでこれ以上は耐えられないという
一歩手前の状態なのです
ですので 私は引っ張り強さを強度計算に用いるのは不適切と考えます
強度の計算の場合は 範囲Aの弾性限界内で かつ
伸び率を考慮して 支障のない程度に留めておける計算をすべきです
④まとめ
- 応力とは 材質内部に発生する外力に対抗する力です
- 応力歪線図とは 応力と歪(伸び率)の関係図で材質毎に違います
- ヤング率とは 弾性範囲内における 応力と歪の比例定数で材質毎に違います
- 伸び率が 弾性範囲内であれば(ヤング率が成り立つ範囲)
外部の引張力を解除すれば 元に戻ります - 伸び率が 弾性範囲を超えると 外部の引張力を解除しても
元に戻らず 永久変形となります
本記事は以上です
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