tsurfの機械設計研究室

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選定計算 強度計算 ミスを無くし早くできるエクセル活用術

本ブログの御訪問ありがとうございます

機械設計歴20年以上のtsurfと言います

 

今回は以下に関する記事です

選定計算 強度計算 ミスを無くし早くできるエクセル活用術

 

  

⇩本記事は機械設計の方で以下の方にオススメです⇩

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とある機械設計者

選定計算や強度計算って
どうやったらミスが減り
早くできるんだろ

 

 

⇩本記事を読むと以下が わかります⇩

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管理人TSURF

ミスも減らせて
早く計算できる
エクセルの活用を
提案します

 

 

 

①結論 エクセル活用の提案

エクセル活用のメリット

●確認が楽でミスも防ぎやすい

計算式が残っているので後からでも確認が可能です

 

●三角関数の計算が可

関数電卓に頼らずとも 三角関数を使った計算はできる

 

●変更があった際に自動算出

角速度など運用仕様に 変更があっても 再計算が楽です

(④~ 私の活用例で後述)

 

●コピーが可能

式が正確ならば 式が同じ計算部位はコピーをして持ってくれば 

式の作成と確認の手間が省けます

 

 

エクセル活用の注意点

●最初の式作成に多少時間が掛かる

最初のみ 計算式の打ち込みや 確認等に時間が掛かります

 

●見た目の整理が必要

見た目を ある程度綺麗にし どのセルがどういった

計算のセルか わかるようにしておかないと運用仕様変更の際に

どこを変更していいのか わからなくなります

 

 

 

②エクセルを使った計算総論 電卓での計算の比較

エクセルを使った計算総論

①で解説した内容の通り

強度計算 選定計算にエクセルを活用すれば 以下のメリットがあります

●早い 似たような計算が続くならコピー&ペースト

●後からでも確認ができ 何度も再計算の必要がない

●運用仕様や部品の形状が変わっても セルの数値変更のみで対応可

 

ここで比較として 電卓による計算によるデメリットと比較しましょう

 

電卓による手計算のデメリット

●確認のための再計算が必要

計算履歴が残らないため後からミスがあってもわかりません

結局 確認のため 何回も計算することになります

 

●エクセルでも三角関数は使用可

よって 関数電卓のメリットが感じられません

 

 

③私のエクセル活用例(前置き 説明用モデル紹介)

エクセル活用例を以下のモデルで解説します

水平回転テーブル機構です 

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それぞれの位置関係及び  部品寸法 及び 材質は以下とします 

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④私のエクセル活用例 (概要)

私がいつも作成しているエクセル計算表

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最終目的

最終的に”Ⓓ”で示してあるトルクを求めます

ですので 最終的に必要なパラメーターは以下となります

 

●角加速度

●慣性モーメント

●外部摩擦モーメント

 

また 今回のエクセルは 皆さんに見やすいように

色分けなどして作成しているので ここまで凝って作成する必要はありません

 

しかし 上述のように何が どのパラメーターかは

わかるようにしておいてください

 

でないと 運用仕様変更や部品の質量変更があった時に

どのパラメーターを いじればよいかわからなくなります

 

エクセル例の見方

黄色枠
必要な条件を入力する欄です
緑色枠
計算式を入力します
計算式は自分で作成して打ち込みましょう
黄色枠に数値を打ち込むと計算結果が算出されます

 

 

⑤詳細Ⓐ 角加速度を求める

計算セル作成解説

ではエクセルを活用し角加速度を求めます

以下のセルを設けます

●角速度 (角加速度を求める計算要素1)

●加速時間(角加速度を求める計算要素2)

●角加速度(計算結果)

 

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黄色は 設計者が入力する欄で 緑色に計算式を作り計算結果が反映されます

 

最終的に必要な角加速度は赤枠です

計算式は以下の記事を参照ください

 

ここがポイント

角速度の単位は 最終的にラジアン(1/sec)で計算します

⇩以下の記事⇩を参照してください

 

しかし 

毎分(毎秒)当りの 回転数のほうが 感覚的にわかりやすいです 

 

従って 

図のように rpm(rps)単位の数値を入力する欄を設け

そこから(1/sec)に換算するセルで単位換算します

 

上記により 設計途中で角速度や

加速時間の変更があってもrpm/rpsで入力しても

最終トルク計算に反映されます

 

セル計算動作解説

では 以下の例で セルを入力します

必要角速度 250 rpm

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加速時間 0.5 sec

あっという間に 52.33(1/sec)と算出されます

しかし 以下の数値に仕様変更がありました

 

この場合 セルの数値変更のみで済みます

必要角速度 300 rpm

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加速時間 0.3 sec

あっという間に 104.67(1/sec)と算出されます

 

これが 最終的にⒹのトルク算出に反映されます

 

⑥詳細Ⓑ 固定値

ここのⒷ欄には

固定の数値を入れておきます

密度や重力加速度などは設計によって変化しない値です

 

また知っている方もいると思いますが

この数値は固定なので計算式コピーの際 材質(密度)が同じ場合は 

ずれて欲しくないセルです

 

図1で実際のⒸで式を組む際にコピーの際 絶対参照にするとコピーがスムーズです

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セルでは重力加速度はK8番地にありますが 上図黄色のように

すると コピーしてもK8のままです

 

やり方は ドラッグしてF4キーを押すだけです

 

 

⑦詳細Ⓒ 慣性/摩擦モーメント

計算セル作成説明

次に慣性モーメント算出欄と外部摩擦モーメント算出欄を作成します

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回転テーブルのモーター選定の計算方法は ⇩以下の記事⇩を参照願います 

 

慣性モーメントは

回転させにくさであり 回転軸からの距離が重要で 

そこから算出されるため 上図のようにセルを作成しています

 

慣性モーメントの概念については ⇩以下の記事⇩を参照願います


注意点

●テーブル部品について

円柱部品であるため 直径寸法のみとなっています

 

●部品の寸法の単位

慣性モーメントや外部摩擦モーメントを求める際に 

mmからmに換算することを忘れずにしてください 

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●計算はエクセルにさせる

質量計算の際に 部品の寸法欄も作成し 重量も エクセルに計算させましょう

結果的に早く作成でき確認も楽でまた 寸法変更にも対応できます

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最終的に求める値

この時の モーターに要求されるトルクは以下の赤枠となります 

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では 以下の仕様変更があったとしてそれを織り込んでみましょう

 

 

  変更前   変更後
テーブル部品 直径寸法60mm 直径寸法60mm
速度時間 0.3sec 0.3sec
変更なし
角速度 300rpm 500rpm

 

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必要トルクが以下のように変更になりました

7.4×10-2(N・ⅿ)

   ⇩ 

9.6×10-2(N・ⅿ)

 

 

 

⑧まとめ

●強度計算や選定計算をエクセルで行えば 以下のメリットがある

●式さえ合っていれば    ミスも防げる

●式さえ合っていれば コピーで工数を減らせる

●その式もセルに残っているので後からでも確認が可能

●関数電卓に頼らずとも 三角関数を使った計算はできる

●やり方にもよって 角速度など運用仕様に 変更があっても 再計算が楽

●うまく作成すれば それがそのまま計算資料として 提出用にもなりうる

●結果 時間の節約もできる

 

本記事は以上です

最後まで お読み頂きありがとうございます