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今回は以下に関する記事です。
ラック&ピニオンやベルト駆動
の直動慣性モーメントの式の成り立ち
⇩本記事は以下の方にオススメです⇩
ランク&ピニオンや
ベルト駆動の
直動慣性モーメントの式の
理由が知りたい
⇩本記事を読むと以下が わかります⇩
ラック&ピニオンや
ベルト駆動の
直動慣性モーメントは
簡単な式で証明できます。
①ラック&ピニオンやベルト駆動の直動慣性モーメント
- ラック&ピニオン
- ベルト駆動
の直動慣性モーメントJc(Kg.m²)
は以下となりますが
Jc=M×(D/2)²
M | : | 直動機構の質量 | (Kg) |
D | : | 基準円直径 | (m) |
本記事では
なぜ上記の式になるかの証明をしていきます。
また基準円直径については言うまでもありませんが
- ベルト駆動の場合はプーリーのもの
- ラック&ピニオンの場合はピニオンギアのもの
となります。
②証明過程1
まずは、加速トルクのみを求めてみます。
加速トルクは慣性モーメント×角加速度により
求められます。
ですが、今回は疑似的に外部負荷力の計算で
求めてみます。
代数計算では可能ですが実際のモーターの選定で
これをやると逆に難しくなります。
外部負荷力からトルクT(N.m)を求める式を
単純に外部負荷力から加速力に置き換えます。
加速トルクT(N.m)の計算式1
T=F × D/2 ・・・・・・式1
F | : | 直動加速力 | (N) |
D | : | 基準円直径 | (m) |
ここでF(N)は以下で求められます
直動力F(N)の計算式
F =m × a・・・・式2
m | : | 直動部の質量 | (N) |
a | : | 直線(接線)加速度 | (m/sec²) |
式2を式1に代入します
トルクT(N.m)の計算式2
T=ma × (D/2) ・・・・式3
③証明過程2
ここで 円運動における接線加速度以下で求められます
直動(接線)加速度a(m/sec²)の計算式
円運動する物体の接線加速度の公式より
a=(D/2)× ω”・・・・式4
D | : | 基準円直径 | (m) |
ω” | : | 角加速度 | (1/sec²) |
式3に式4を代入します
トルクT(N.m)の計算式3
T=m × (D/2) × ω” × (D/2)・・・式5
一方で 回転運動に必要な加速力の式として以下があります
トルクT(N.m)の計算式4
T=Iω” ・・・・・・・・・・・・・・式6
式6を式5に代入します
直動慣性モーメントI(Kg.m²)の計算式
Iω”=m ×(D/2)× ω” × (D/2)
④結論として
よって 以下の公式が導きだされます
ラック&ピニオンやベルト駆動における
直動慣性モーメントI(Kg.m²)の計算式
I=m × (D/2)²
本記事は以上です。
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