tsurfの機械設計研究室

サーボモーターやエアシリンダの選定計算なども扱っている技術ブログです

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【ソリッドワークス】ユーザーレビューで『初心者でも扱いやすい』をどう解釈すべきか

今回は以下に関する記事です。
【ソリッドワークス】
ユーザーレビューで
『初心者でも扱いやすい』を
どう解釈すべきか?

 

管理人的には
ヒストリーCAD全般をおススメしません。

管理人おススメの3DCADは
ノンヒストリーCADである富士通I-CADです。

 

管理人T.Surf

CADに関わらず
ツール選定の際に
初心者でも扱いやすい
という文言について
解釈の一つを解説
します。

 

 

①ソリッドワークスは初心者でも扱いやすい?

よくソリッドワークスのレビューなどで

  • 初心者でも扱いやすい
  • 直観的な操作で初心者でもわかる

という文言を見かけます。

 

ですが、
初心者にとって扱いやすい
というのはメリットなのでしょうか?

そもそもメリットとデメリットは
表裏一体です。

初心者にとって扱いやすい
という裏には何があるのでしょうか?

 

 

②ソリッドワークスが初心者でも扱いやすい理由

ソリッドワークスが
初心者でも扱いやすい理由は
自由度がないから
という点につきます。

 

ベテラン設計者にとっては
デメリットでしかない自由度のなさ
ですが

初心者にとっては
大きなメリットとなるのです。

 

なぜか?

それは初心者の主な業務は、
ベテラン設計者のレイアウトに対して

  • レイアウト通りの部品を3D作成
  • 作った3D部品をアセンブリに組み込む

という作業自体は、自分で考える設計的な作業はなく
オペレーション的なもので、かつ

  • 手順が決まっており
  • ボトムアップ的なもの

ということです。

つまり、初心者の作業はソリッドワークスの
ボトムアップ&パラメトリック
と非常に相性がいい

ということが言えます。

 

ボトムアップ&パラメトリック設計は
非現実的な設計手法ですが

できることが単調になってしまうことよる
自由度の無さが逆に初心者にとって

手順が明確になっていて
非常にわかりやすいのです。

 

 

③では 自由度の高いI-CADは初心者に使いづらいのか

管理人自身はI-CADは それほど初心者に使いづらい
とは思いませんが

初心者にとって
わかりやすいか/わかりづらいか
で言えば、わかりづらいのかもしれません。

 

なぜか? それはー

I-CADは自由度が高すぎて
何からどうすればいいのか
わかりづらい

ということはあるのかもしれません。

少なくともソリッドワークスよりは
わかりづらいとは思います。

 

ですが、初心者でいる期間なんて
CADに関してのみで言えば

3ヶ月~半年くらいまででしょう。

 

 

④『初心者でも扱いやすい』ことから言えること

以上の理由から
初心者でも扱いやすいということは
初心者向けの作業に特化している

 

ということであり、つまり
ベテラン設計者が必要とする
自由度の高い作業は不向き

ということです。



思えば、ソリッドワークスが提唱する
拘束系の2Dは図学がわからなくても
初心者でも拘束によって簡単に断面作成ができ、
非常にわかりやすいです。

これが直観的と言われる所以だと思います。

ですが、それこそが罠であり、
逆に言えば ベテランのプロにとっては
図学さえわかれば様々な作図が
サクサク可能というわけにはいかないのです。

 

つまり、
自由度の高い作図の使い方をしようにも
ソリッドワークスではー

  • いちいち拘束を掛けなくてはならず
  • 拘束による寸法が画面上に溢れかえり
    見にくくなり、
  • 絵の修正もどこに拘束が掛かっているのか
    探さなくてはいけなかったり

と、逆に莫大な時間が掛かる
という致命的なデメリットを負います。

 

つまり、ベテランのプロが本来行いたい以下―

  • 2D構想検討
  • トップダウン設計
  • 各種2Dでしかできない検討
  • その他系統図

―などには極めて不向きなのであり
ベテランやプロ向けのCADとは
言いづらい

ということが言えると思います。

というか、ソリッドワークスの2D機能自体が
上記の使用用途に設計されていません。

 

現に管理人が務める会社では、
構想設計は別の2DCADで行っている社員もいますし、

各種系統図はエクセルで書くことにしています。

このようなCADをプロ仕様と呼べるのか
今一度立ち返って考える必要があります。

 

 

⑤初心者にとって使いやすい必要性はあるのか?

CADなどのツールにおいて
必ずしも初心者に扱いやすい必要性なんて
あるのでしょうか?

 

確かに初心者でもなるべく扱いやすくする
努力は必要だとは思いますが、

事実として、CADに関してのみで言えば
初心者でいる期間なんてせいぜい 
3ヶ月~半年の間でしょう。

 

従って
一時期一過性である初心者に
必要以上に使いやすくする必要はない

と思います。

 

心配いりません
所詮はツールなのですからすぐに慣れます。

 

初心者に向き合うのではなく
それよりもずっと長い期間過ごさなくてはいけない
中堅~ベテランレベルに対してこそ

  • 目を向けなくてはいけないし
  • 寄り添わなくてはいけない

ということなんですけどね。

 

というか、どんなツールでも初心者にとって
使いづらいというのはあたり前でしょう。

初心者にとって使いやすいというのは
結果論として、裏を返せば初心者の作業に
特化してしまっている

ということを考えなくてはいけません。

 

 

⑥ユーザーレビューの致命的欠陥

ユーザーレビュー側は幅広い層の意見をまとめる
と言うこと自体は重要だとは思います。

しかし、
それを参考閲覧する側は
誰のどういった意見を参考にするか?
は、慎重に吟味しなくてはいけません。

機械設計者にとっては

  • 一部の機能しか使わない研究者の意見
  • 一時期一過性でしかない初心者の意見

というのは、
やはり偏った意見となってしまうことは
否めない事実ではあると思います。

もちろん、
研究者であれば同じ研究者の意見を聞けばいいと思います。

ですが、
機械設計者で3DCADの導入を考えているのであれば

  • 研究者の意見は参考にならないと思いますし
  • 初心者の方の意見を真に受けるべきではない

と考えます。

 

逆に言えば 

機械設計者で3DCADを選定する際のポイントは
初心者に扱いづらくても、
自由度の高いなんでもできるCADを選ぶべき

ということですね。

 

本記事は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございます。

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