今回は以下に関する記事です。
【ソリッドワークス】
ユーザーレビューで
『初心者でも扱いやすい』を
どう解釈すべきか?
管理人的には
ヒストリーCAD全般をおススメしません。
管理人おススメの3DCADは
ノンヒストリーCADである富士通I-CADです。
CADに関わらず
ツール選定の際に
初心者でも扱いやすい
という文言について
解釈の一つを解説
します。
- ①ソリッドワークスは初心者でも扱いやすい?
- ②ソリッドワークスが初心者でも扱いやすい理由
- ③では 自由度の高いI-CADは初心者に使いづらいのか
- ④『初心者でも扱いやすい』ことから言えること
- ⑤初心者にとって使いやすい必要性はあるのか?
- ⑥ユーザーレビューの致命的欠陥
①ソリッドワークスは初心者でも扱いやすい?
よくソリッドワークスのレビューなどで
- 初心者でも扱いやすい
- 直観的な操作で初心者でもわかる
という文言を見かけます。
ですが、
初心者にとって扱いやすい
というのはメリットなのでしょうか?
そもそもメリットとデメリットは
表裏一体です。
初心者にとって扱いやすい
という裏には何があるのでしょうか?
②ソリッドワークスが初心者でも扱いやすい理由
ソリッドワークスが
初心者でも扱いやすい理由は
自由度がないから
という点につきます。
ベテラン設計者にとっては
デメリットでしかない自由度のなさ
ですが
初心者にとっては
大きなメリットとなるのです。
なぜか?
それは初心者の主な業務は、
ベテラン設計者のレイアウトに対して
- レイアウト通りの部品を3D作成
- 作った3D部品をアセンブリに組み込む
という作業自体は、自分で考える設計的な作業はなく
オペレーション的なもので、かつ
- 手順が決まっており
- ボトムアップ的なもの
ということです。
つまり、初心者の作業はソリッドワークスの
ボトムアップ&パラメトリック
と非常に相性がいい
ということが言えます。
ボトムアップ&パラメトリック設計は
非現実的な設計手法ですが
できることが単調になってしまうことよる
自由度の無さが逆に初心者にとって
手順が明確になっていて
非常にわかりやすいのです。
③では 自由度の高いI-CADは初心者に使いづらいのか
管理人自身はI-CADは それほど初心者に使いづらい
とは思いませんが
初心者にとって
わかりやすいか/わかりづらいか
で言えば、わかりづらいのかもしれません。
なぜか? それはー
I-CADは自由度が高すぎて
何からどうすればいいのか
わかりづらい
ということはあるのかもしれません。
少なくともソリッドワークスよりは
わかりづらいとは思います。
ですが、初心者でいる期間なんて
CADに関してのみで言えば
3ヶ月~半年くらいまででしょう。
④『初心者でも扱いやすい』ことから言えること
以上の理由から
初心者でも扱いやすいということは
初心者向けの作業に特化している
ということであり、つまり
ベテラン設計者が必要とする
自由度の高い作業は不向き
ということです。
思えば、ソリッドワークスが提唱する
拘束系の2Dは図学がわからなくても
初心者でも拘束によって簡単に断面作成ができ、
非常にわかりやすいです。
これが直観的と言われる所以だと思います。
ですが、それこそが罠であり、
逆に言えば ベテランのプロにとっては
図学さえわかれば様々な作図が
サクサク可能というわけにはいかないのです。
つまり、
自由度の高い作図の使い方をしようにも
ソリッドワークスではー
- いちいち拘束を掛けなくてはならず
- 拘束による寸法が画面上に溢れかえり
見にくくなり、 - 絵の修正もどこに拘束が掛かっているのか
探さなくてはいけなかったり
と、逆に莫大な時間が掛かる
という致命的なデメリットを負います。
つまり、ベテランのプロが本来行いたい以下―
- 2D構想検討
- トップダウン設計
- 各種2Dでしかできない検討
- その他系統図
―などには極めて不向きなのであり
ベテランやプロ向けのCADとは
言いづらい
ということが言えると思います。
というか、ソリッドワークスの2D機能自体が
上記の使用用途に設計されていません。
現に管理人が務める会社では、
構想設計は別の2DCADで行っている社員もいますし、
各種系統図はエクセルで書くことにしています。
このようなCADをプロ仕様と呼べるのか
今一度立ち返って考える必要があります。
⑤初心者にとって使いやすい必要性はあるのか?
CADなどのツールにおいて
必ずしも初心者に扱いやすい必要性なんて
あるのでしょうか?
確かに初心者でもなるべく扱いやすくする
努力は必要だとは思いますが、
事実として、CADに関してのみで言えば
初心者でいる期間なんてせいぜい
3ヶ月~半年の間でしょう。
従って
一時期一過性である初心者に
必要以上に使いやすくする必要はない
と思います。
心配いりません
所詮はツールなのですからすぐに慣れます。
初心者に向き合うのではなく
それよりもずっと長い期間過ごさなくてはいけない
中堅~ベテランレベルに対してこそ
- 目を向けなくてはいけないし
- 寄り添わなくてはいけない
ということなんですけどね。
というか、どんなツールでも初心者にとって
使いづらいというのはあたり前でしょう。
初心者にとって使いやすいというのは
結果論として、裏を返せば初心者の作業に
特化してしまっている
ということを考えなくてはいけません。
⑥ユーザーレビューの致命的欠陥
ユーザーレビュー側は幅広い層の意見をまとめる
と言うこと自体は重要だとは思います。
しかし、
それを参考閲覧する側は
誰のどういった意見を参考にするか?
は、慎重に吟味しなくてはいけません。
機械設計者にとっては
- 一部の機能しか使わない研究者の意見
- 一時期一過性でしかない初心者の意見
というのは、
やはり偏った意見となってしまうことは
否めない事実ではあると思います。
もちろん、
研究者であれば同じ研究者の意見を聞けばいいと思います。
ですが、
機械設計者で3DCADの導入を考えているのであれば
- 研究者の意見は参考にならないと思いますし
- 初心者の方の意見を真に受けるべきではない
と考えます。
逆に言えば
機械設計者で3DCADを選定する際のポイントは
初心者に扱いづらくても、
自由度の高いなんでもできるCADを選ぶべき
ということですね。
本記事は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございます。