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機械設計歴20年以上のtsurfと言います。
今回は以下に関する記事です。
【機械設計者のための物理基礎】
円運動の基礎
⇩本記事を以下の方におススメです⇩
未経験機械設計者
物理がわからない
円運動について知りたい
⇩本記事を読むと以下が わかります⇩

円運動は加速運動の
一種です。
変加速度運動と呼ばれる
ものです。
①円運動とは
ある物体が、ある点を中心として
一定の距離(半径)を保って、ぐるぐる回る運動ですね。
円運動とはどういったものでしょう?
ボールに糸を着けて、ぐるぐる回している場合の円運動で
なにが起こっているのかを見てみましょう。

ボールの円運動が回っている微小時間を切り取って見てみると・・。
ボールは慣性の法則に従い矢印1の接線方向に飛ぼうとします。

しかし糸がそうさせないように中心に引っ張ります。
この物体の接線方向への慣性運動に対して、
中心から一定の距離を保つように、
物体を中心方向に引っ張っているのは糸であり、
引っ張る力は糸の張力です。
この時に糸の張力は接線方向の慣性運動矢印1に対して
中心に向かう緑の矢印方向2に加速をさせられます。
その結果 矢印3に向きを変えるのです。
円運動はこの連続でなりたちます。
ところで力=物体を加速させる力です。
こう見ると糸の張力によって
中心に引っ張り中心方向への加速度を生じさせています。
だからこそ円運動となるのです。
そして、物体が円周上にいる位置によって
加速度の向きが常に変化しています。
つまり、変加速度運動となります。

②円運動の回転速度
物理学的には回転速度のことを角速度と言います。
角速度は単位時間で何回転しているかを表します。
角速度における単位時間の回転数や回転角度は
弧度法(ラジアン)表記になります。
理由は弧度法は角度によってできる円弧の長さを
半径で割った比です。
従って、
角度や回転数を無次元で表せるので、
様々な計算が可能なのです。(度では計算不可能)
角速度は1秒あたりの回転数で表します。
一回転(360°)は2πでしたね。
4回転であれば4×2π=8πとなります。
ですので1秒間あたり4回転するのであれば8π‹1/sec›となります。
ラジアン自体は単位は無次元です。
次章より各種計算式を見てみましょう。
条件としては、
半径r‹mm›で質量M‹kg›の物体が角速度ω‹1/sec›
で円運動しているものとします。

③円運動の接線速度
円周上の微小時間で見る接線速度v‹m/sec›は
以下となります。

v=r×ω
| 接線速度 | v | ‹m/sec› |
|---|---|---|
| 半径 | r | ‹m› |
| 角速度 | ω | ‹1/sec› |
補足ですが
上記の例で糸が切れた場合

上で求めた速度で矢印の方向に飛んでいく
ことになります。
④円運動の角加速度と接線加速度
円運動を開始する際に
円運動していない状態から角加速して回転する
この瞬間にだけ角加速度と接線加速度が現れます。
角加速度 ω”<1/sec²>は以下となります。
ω”=ω / t
| 角加速度 | ω” | ‹1/sec²› |
|---|---|---|
| 角速度 | ω | ‹1/sec› |
| 加速時間 | t | ‹sec› |
接線加速度とは 角加速運動をしている際のみに
見られる 接線方向の直線加速度です。

接線加速度a” <m/sec²>は以下となります。
| 加速度 | a | ‹m/sec²› |
|---|---|---|
| 回転半径 | r | ‹m› |
| 角加速度 | ω” | ‹1/sec²› |
⑤円運動の中心に向かう加速度
中心に向かう加速度a(m/sec²)は以下となります。

a=r×ω²
| 加速度 | a | ‹m/sec²› |
|---|---|---|
| 回転半径 | r | ‹m› |
| 角速度 | ω | ‹1/sec› |
⑥円運動の中心に向かう力(向心力)
中心に向かう力(向心力)F‹N›は以下となります。

④で求めた加速度に回転物の質量を掛けます。
F=M×r×ω²
| 向心力 | F | ‹N› |
|---|---|---|
| 回転物の質量 | M | ‹Kg› |
| 回転半径 | r | ‹m› |
| 角速度 | ω | ‹1/sec› |
これは遠心力と同じです。
向心力と遠心力は、式としては同じですが、意味はまったく異なります。
向心力は、物体を円運動させるために中心方向に働く実在する力です。
一方、遠心力は回転している座標系から見たときに、
物体が外側に飛び出そうとするように見える「見かけの力」です。
つまり、慣性力の一種です。
どちらも「M×r×ω²」などの式で表されますが、
力の向きと立場が逆であることに注意が必要です。