tsurfの機械設計研究室

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【機械設計の物理】力の合成(例題1 回転テーブルに働くモーメント)

本ブログの御訪問ありがとうございます

機械設計歴20年以上のtsurfと言います

 

今回は以下に関する記事です

機械設計に使える物理学として

【機械設計の物理】力の合成(例題1 回転テーブルに働くモーメント)

例題を交え 力の合成を解説していこうと思います

 

 

⇩本記事は機械設計初心者の方で以下の方にオススメです⇩

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とある
初心者機械設計者

「機械設計に使える基礎的な物理を勉強したい」
「ただの勉強ではなく実際の例を交えて欲しい」

⇩本記事を読むと以下が わかります⇩

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管理人TSURF

以下を わかりやすく説明します
●力のモーメントの合成
●回転テーブル機構のモーター選定
 の外部負荷力の計算

 

  

①力の合成(例題1)の解説モデル

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       図1 水平回転テーブル
 

上記のように 回転テーブル上に 構造物がある状態で回転させます

 

 

②解説モデルでのモーター選定の難点とは

合成負荷モーメントの算出

回転テーブル構造のモーターの選定には

合成外部負荷モーメントを求めなくてはいけないです

 

しかし 図1のように不規則に分散して回転テーブル上に 

構造物があると最終的な合成外部負荷モーメントが非常にわかりづらいです

ここが難点で 計算方法を次章から解説していきます

 

補足 合成負荷モーメントが0の場合

下図 図2のような配置で

以下の条件であれば 合成負荷モーメントは0になります

 

●4つの構造物の形状の質量が同じ

●4つの構造物の重心が各点上にある

●4つの構造物の配置が 回転軸に対して 点対称

 

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    図2 負荷モーメントが0になる例

 

構造物P⇄構造物R

構想物Q⇄構造物S

上記の組み合わせで負荷モーメントを打ち消し合うからです

 

 

③実際の計算の前の前提条件

 外部負荷モーメント

以下の記事を参照ください

 モーターの選定計算に必要な要素 角加速度 角速度 外部負荷力

 

三角関数のプラスマイナス

👉Sinθに関して

以下 図3のようになります

理由 半径÷Y軸だからです

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   図3 サイン値の正負


 

👉Cosθに関して

以下 図4のようになります

理由 半径÷X軸だからです

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    図4 コサイン値の正負

 

👉Tanθに関して

以下 図5のようになります

理由 X軸÷Y軸だからです

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    図5 タンジェント値の正負
 

回転テーブルの角度

以下の図のように 0°のラインから反時計回りとします

従って 以下となります

Q点の角度:θ1°

p点の角度:180°

R点の角度:(270+θ2)°

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回転テーブルの各軸に関して

下記のように横軸がx軸 縦がy軸となります

また 赤〇で囲ってあるのが それぞれのプラスマイナスの向きです

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    図6 X軸 Y軸

 

 

④計算手順

基礎解説1 モーメントの基礎

まず 物体のモーメントMo(Nm)は以下で表されます

 

モーメントMo(N・m)

Mo=Mg × L

 

質量 単位(Kg)
重力加速度 9.8 単位(m/sec²)
回転軸から
質点までの距離
単位(m)

 

 

 

 

基礎解説2 モーメントを x軸成分 y軸成分に分解

上記をX軸成分 Y軸成分に分解に分解します

 

x成分のモーメントMox(N・m)

Mox=Mg × L × Cosθ

 

質量 単位(Kg)
重力加速度 9.8 単位(m/sec²)
回転軸から
質点までの距離
単位(m)
Y成分のモーメントMoy(N・m)

Moy=Mg × L × Sinθ

 

質量 単位(Kg)
重力加速度 9.8 単位(m/sec²)
回転軸から
質点までの距離
単位(m)

 

 

手順1 各構造物のx軸成分算出と合計

基礎解説2の式を使い 

構造物P~Qのモーメント全てについて

X軸成分に分解して ぞれぞれを合成します

構造物P Q RのモーメントX軸成分合計
 Mo(x) all(N・m)
Mo(x) all=Mo(x)P + Mo(x)Q + Mo(x)R
構造物PのX軸
 モーメント合成成分
Mo(x)P(N・m) M1g × Cos(θ1)
構造物QのX軸
モーメント合成成分
Mo(x)Q(N・m) M2g × Cos(θ2)
構造物RのX軸
モーメント合成成分
Mo(x)R(N・m) M3g × Cos(θ3)

 

 

手順2 各構造物のy軸成分算出と合計

基礎解説2の式を使い 

構造物P~Qのモーメント全てについて

Y軸成分に分解して ぞれぞれを合成します

構造物P Q RのモーメントY軸成分合計
 Mo(y) all(N・m)
Mo(y) all=Mo(y)P + Mo(y)Q + Mo(y)R
構造物PのY軸
 モーメント合成成分
Mo(y)P(N・m) M1g × Sin(θ1)
構造物QのY軸
モーメント合成成分
Mo(y)Q(N・m) M2g × Sin(θ2)
構造物RのY軸
モーメント合成成分
Mo(y)R(N・m) M3g × Sin(θ3)

 

 

 

手順3 合成重力モーメントの算出

上記のX成分のモーメント Y軸成分のモーメントを3平方の定理を使って合成負荷モーメントを求めます

 

構造物P Q Rの合成モーメント
 Mo all(N・m)
Mo all=
{Mo(x)all² + Mo(y)all²}(1/2)

 

 

注意点

この時③で示した 三角関数のプラスマイナスを参照してください

具体的に例を挙げます

 

構造物Pによるモーメントの場合

各構造物の位置を図3から読み取りそれが プラスマイナスになります

 

サイン値の構造物Pの位置はプラスの位置にあるのでプラスです

コサイン値は構造物Pの位置のマイナスの位置にあるのでマイナスです

⑤実際の計算

計算過程

では ここからは 実際に計算していきましょうf:id:tsurf:20210223095607p:plain  図1 (再掲載)水平回転テーブル
以下の条件で計算していきます

構造物P 質量M1=1(Kg)    距離L1=50(mm) 配置角θ1=30°

構造物Q 質量M2=0.5(Kg) 距離L2=80(mm)  配置角θ2=180°

構造物R 質量M3=1.5(Kg)  距離L3=70(mm) 配置角θ3=330°(270°+60°)


この時もエクセルで計算した方が楽です⇩参考記事⇩ 選定計算 強度計算 ミスを無くし早くできるエクセル活用 - tsurfの日記(機械設計業界を目指す方へ) 

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   図7 エクセルによる計算結果

 

注意点として以下

●エクセルの三角関数はラジアンで計算するので°からラジアン変換しています

●距離は 回転軸からの距離で 単位は(mm)から(m)換算しています


計算結果1

重力方向の合成モーメントは 0.96(N・m)となりました

 

計算結果2

モーターの選定と直接関係ありませんが ついでに配置位置も求めましょう

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合成モーメントの
X軸成分が +0.92(Nm)  Y軸成分が -0.27(Nm) となっています

構造物P、Q、Rの合計質量は3Kgなので重力は30Nです

従って X成分 Y成分の回転軸からの距離は

X成分 Y成分それぞれの合成モーメントを重力で割ります

 

すると 合成モーメントの配置位置は以下となります

X=30mm  Y=-10mm

 

 

計算結果3

目的である 負荷モーメント F'm all(Nm)を求めましょう

 F'm all=µ x Mo all

µ :摩擦係数 0.2(単位 無次元)より

結果 負荷モーメントは 0.19(Nm)という解が出ました

 

つまり この回転テーブルの回転に使うモーターは

加速トルクとは別に 負荷トルク0.19(Nm)が必要となります

⑥計算例2

追加で図2で例に挙げた 

合成負荷モーメントが0になる場合を検証しましょう

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以上の通り0(Nm)となりました

 

 

 

⑦まとめ

●合成負荷モーメントの算出は回転テーブル機構のモーター選定に必要

●各構造物のモーメントのx軸成分 y軸成分に分解

●各構造物のモーメントのx軸成分 y軸成分を各成分毎に合計

●3平方の定理で合成モーメントが算出できる

本記事は以上です最後までお読み頂きありがとうございます