tsurfの機械設計研究室

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【機械設計の物理】 選定計算の理解に必須の「力の基礎」と「単位:ニュートンとは」

本ブログの御訪問ありがとうございます。
機械設計歴20年以上のtsurfと言います。

 

今回は以下に関する記事です。

【機械設計の物理】 
選定計算の理解に必須の「力の基礎」と「単位:ニュートンとは」

 

⇩本記事は機械設計初心者の方で以下の方にオススメです⇩

f:id:tsurf:20210605171303p:plain
とある
未経験機械設計者

モーターやエアシリンダの
選定計算ができたい
でも力学の基礎がわからない

 

 

 

⇩本記事を読むと以下が わかります⇩

f:id:tsurf:20210611183707p:plain

管理人TSURF

力とは何かを
高校物理から
わかりやすく説明します

 

 

 

①力の正体

基本的な力の解説

力の正体は、以下です。
ある質量のものをある加速度で加速させるもの

 

実は単純な等速直線運動であれば、
基本的には力は必要がありません。

 

これは、
宇宙空間で物体を動かすことを、想定すればわかりやすいのですが

 

無重力で浮遊している物体を、ある方向へ初速0からある目標速度で
動きださせるとき(=加速させる時)に力が必要ですよね?

  

そして、一度 ある速度で動きだして等速直線運動をし始めれば
力を必要とせず、その速度で永遠に等速直線運動をします。

これを慣性といいます。

 

物体を加速させる時に必要な力の式は 以下になります 

 

力FA(N:ニュートン)

Fa=m × a

 

m:物体の質量 (単位:Kg)

a:加速度   (単位:m/sec²)

 

単位はN:ニュートンで 力の単位となります

 

この式を見ると 例えば 14(N)で動かすと言った場合

  • 14Kgのものを動かす場合 1m/s2で動かすことが可能
  • 2Kgのものを動かす場合   7m/s2で動かすことが可能

 

このように 
力とは、同じ大きさでも 動かす物体の質量や 加速度によって
動かせる質量や、加速できる大きさが異ってきます。

例えばIAIのロボシリンダーなどで 
可搬質量が大きくなると、加速度が小さくなるのは

これが理由なのです。

 

 

力の例外

さきほど

力とは 動かす 質量によって 加速度も異ってきます

と言いました
しかし後述する重力は違います

・・・・・②の重力の項で解説します

 

 

地球上での力

上記で 

単純な等速直線運動であれば 基本的には力は必要がありません

と記載しました

 

しかし、
地球上では 車を等速直線運動をさせるのに
アクセルを踏み続けて 推進力を得なくてはいけないですよね

 

何故でしょうか?
それは 摩擦があるからです

 ・・・・・③の摩擦の項で説明します

 

 

②重力

重力とは 以下の図のように
この地球上にある全ての物体に、物体の大きさや質量に関係なく
加速度 9.8(m/sec²)が地球の中心に向かって
発生することによるものです。

 

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重要なことなので もう一度言いますが

物体の大きさや質量に関係なく 
等しく9.8(m/sec²)の加速度が地球の中心に向かってかかります

 

鉄球でも羽毛でも関係なく 
地表への落下時間が同じと言いますが、

これが理由なのです。

 

ただし、
実際の羽毛の落下速度が遅いのは、空気抵抗があるためです。

真空環境下では落下速度は同じです。

 

重力は厳密には力ではありません。

 
しかし、結果的に地球の中心に向かっての限定ではありますが、
ある質量のものを 9.8(m/sec²)で加速させるという
力と等価の物理現象です。

 

なお 余談ですが、よく月の重力は 地球の1/6と言いますが
正確には、月の重力加速度が地球の1/6です

 

重力により発生する力の式は以下となります

 

重力 Fv(N)

Fv=m × g=9.8m

 

m:物体の質量  (単位 Kg)

g:重力加速度  (単位 m/sec²)

  =9.8(m/sec²)

 

よって垂直搬送など m(Kg)のものを持ち上げるには、
最低限の力として9.8m(N)の推力が必要であることがわかります。

 

 

③摩擦力

等速直線運動であるにも関わらず、
車はアクセルを踏み続ける理由を解説します

 

宇宙空間では、空間に浮かんでいるので摩擦がありません。

しかし 地球上では、
重力によって、地表に引っ張られ 地表に接しています。

 

よって、
以下の図のように進ませたい方向に対して、
逆向きの摩擦力が発生します。

 

f:id:tsurf:20210120202327p:plain

 

摩擦により発生する摩擦力の式は以下となります

 

摩擦力 Fh(N)

Fh=μ×m×g=μ9.8m

 

μ :摩擦係数   (無次元)

m:物体の質量  (単位 Kg)

g:重力加速度  (単位 m/sec²)

  =9.8m/sec²

摩擦係数μは だいたい0.1から0.3で計算します

ですので 摩擦力は重力と比べると はるかに小さいです

   

皆さんも経験があると思いますが 

 

横スライド機構のあるファイルや本がいっぱい詰まった本棚が 
持ち上げようとすると 一人では絶対無理です。 

 

しかし、
横スライドであれば 一人でもできるのは これが理由なのです

 

 

④地球上で物体を動かすために必要な力

物体を動かす力の考え方の基本

エアシリンダー や ボールネジ機構のモーターなどの
駆動機構で物体を、垂直搬送や水平搬送で 直動させるための
力の基礎を解説します。

 

重力や摩擦力のみを計算する方を見かけますが、
それだけではダメです。

 

なぜなら、 重力や摩擦のみの計算では、
動き出させる力である加速力を考慮していないからです。

 

 

垂直動作に必要な力 Fsv(N)

垂直動作に必要な力の式はは以下となります

加速させる力と 重力に打ち勝つ力が必要なことがわかります

 

垂直動作に必要な力FSV(N)

(Fsv=Fa+Fvより)

Fsv=(m × a) + (m × g)=m(a+9.8)

 

Fa:加速力  (単位 N)

Fv :抗重力  (単位 N)

m:物体の質量  (単位 Kg)

g:重力加速度  (単位 m/sec²)

  =9.8m/sec²

 

 

水平動作に必要な力

水平動作に必要な力の式はは以下となります

加速させる力と 摩擦に打ち勝つ力が必要なことがわかります

また 摩擦は重力と比べると非常に弱い力であることがわかります

 

垂直動作に必要な力FSh(N)

(Fsh=Fa+Fhより)

Fh=(m × a) + (μ × m × g)=m(a+μ9.8)

 

Fa :加速力   (単位 N)

Fh :抗摩擦力 (単位 N)

 

μ  :摩擦係数     (単位 無次元)※

m :物体の質量  (単位 Kg)

g:重力加速度  (単位 m/sec²)

  =9.8m/sec2

 

※補足 摩擦係数について

LMガイドなど スライドテーブルとレールの摩擦係数は
カタログ値で0.05などです。 

しかし、
実際の計算では摩擦係数はLMガイド使用時でも0.1で計算します。

 

理由は 以下です

  • レール2本平行使いの場合 平行に設置する際の平行度の誤差 
  • レール連結する場合の組付け誤差 

 

 

⑤地球上での加速運動と慣性運動での必要な力の違い

この章では 摩擦力と重力を外部負荷力として表現します

 

重力加速度の掛かる地球に存在するかぎり 
以下の条件が成り立ちます。

  • 加速運動中だろうと等速直線運動だろうと
    物体を運動させるためには、常に外部負荷力が掛かります
  • 加速運動中加速力外部負荷力が必要
  • 等速直線運動時には外部負荷力のみ必要で、加速力は必要ない

 

よって 以下が言えます

運動の種類   必要な力
加速運動 加速力 外部負荷力
等速直線運動 無し 外部負荷力

 

 

よく車の運転などがわかりやすいですが、 

 

動き出し(加速運動)は、
減速比の大きいギアで アクセルを多めに踏まなくてはなりません。

 

しかし、
加速が終わった後の車の速度維持(慣性運動)は
摩擦力は小さいので、
減速比の小さいギアで かつ アクセルは少し踏むだけでいいですよね?

 

結果として
高速道路は燃費がよく 街中は燃費が悪いのは これが理由なのです。
 

 

 

⑥まとめ

力とは

  • ある質量のものを、ある加速度で加速させるもの
  • 力は、質量 × 加速度で求められる。
  • つまり、力が一定であれば
    質量の大きさに、加速度は反比例する。
    加速度の大きさに、質量は反比例する。

 

重力とは

  • 地球上にある全ての物体に、物体の大きさや質量に関係なく、
    地球の中心に向かって9.8m/sec²の加速度が掛かる現象

 

地球に存在する限り、

  • 加速運動でも、等速直線運動でも摩擦力や重力の影響を受ける。
  • 加速には加速力が必要だが 等速直線運動には加速力は必要ない

 

従って、以下が言える

  • 加速運動時は加速力と外部負荷力が必要となり
  • 等速直線運動時は 外部負荷力のみが必要

 

本記事は以上です

最後まで お読みいただき ありがとうございます

 

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